ANTARES Ⅰ型 (No-19) 山本昇氏オリジナル設定機 Part-9
  
● イラスト画像の主翼断面図・・・(K8)の部材を作ります。製作記事中の縮小図面やイラスト断面図だけでは部材の断面図はハッキリと見えませんが、原寸大の図面を引くとその実寸サイズの全体像が見えて来ます。この部品は5mmのベニヤ・・・もしくは2mmと3mmの積層ベニヤで構成せよ!との指示がありますが、今回は5mmの積層バルサで作ります。バルサのムク材だけでは持たないので、カンザシ内部に溝を彫って折れない金属棒を埋め込む、当工房オリジナルの折れないバルサカンザシを作ります。

● このネタ元は、当工房の別コンテンツ内にある(なんちゃってカーボンカンザシ)の応用です。カンザシを寸法通りに切り出してから溝を彫るとバルサが必ず割れますが、シートが広い状態で溝を彫ると割れ難くなります。この作業も(なんちゃって・・・)と同じ作業手順です。バルサの材質はハード系がベスト・・・無ければメディアム系・ソフト寄りのメディアムバルサでも良いですよ。今回は2mmのハードバルサと3mmのメディアムバルサの積層で厚さ5mmを実現します。
  
● この溝の深さは都合5mmに成るんですが・・・、直径1,6mmのピアノ線を寸法切りしてから二本並べて瞬間接着剤で繋ぎます。このピアノ線をバルサカンザシの溝にエポキシ接着剤を使って埋め込みます。なんちゃってカーボンカンザシは、溝を彫ったら4mmのカーボンシャフトを埋め込みました。その後に糸鋸盤で周囲を切り出してから、薄いカーボンシートを全面に貼り込みました。見た目はカーボン製のムクの角型カンザシです。しかし内部はバルサ材・・・如何にも中華製に有りそうな手抜き度合いですが、まさか一辺が10mm程度のバルサの中芯角材の中にカーボンシャフトが埋め込まれているなんて誰も思わないでしょう・・・。

● 抜き差し可能なカンザシとパイプの関係・・・。どんな材質においても真円のカンザシよりも、テーパー状に作られた角型カンザシの方が扱いは大変楽に成ります。テーパー状のカンザシなので、最後まで収めると其れ以上入りませんし、ゴミが挟まって抜け難く成る真円のカンザシと違い・・・ゴミが挟まると最後まで収まらないので直ぐ解ります。ゴミを取ってから収めると完全にはまりますし、抜く時は1mmでも隙間が開けばスルリと抜けます。ただ・・・デメリットもありまして、少しでも抜けるとガタが大きく成りますので、完全に納めたら左右の主翼をロックする必要があります。今回はワンピース翼なので、上下のメインスパーに隙間なく挟まりエポキシで接着してしまいます。
 
● 溝は裏側まで筒抜け状態なので、片面をセロテープで塞ぎます。バルサにセロテープなんか絶対に貼れない・・・貼っても直ぐに剥がれる!ってネットな博士さんは口を揃えてピーチク・パーチク煩く鳴きますが・・・。実際にやってみろ!って言いたいですなあ・・・。ちゃんと貼れとるでしょう!。時間が経過すると剥がすのにも苦労するくらいの食い付き力があるんですよねえ・・・。バルサの表面の薄皮一枚剥がす位の粘着力が・・・。
 
● 片面にセロテープを貼ったので底面のある容器に成りました。もう片面側から練ったエポキシの溶剤を充填します。この際・・・エポキシの粘度が硬いと充分に溝に収まらないので、ヒートガンで熱を加えて水溶状にすると全面に広がります。このエポキシの中に金属棒を埋め込み・・・あふれ出た溶剤はヘラで取り去り、セロテープで塞ぎます。都合両面をセロテープで塞ぎましたので、水溶状のエポキシはこぼれなくなります。エポキシは空気乾燥では無く化学変化で硬化します。練った残りが硬化を始めたらセロテープを剥がしても大丈夫ですので、はみ出て段差に成ったエポキシはカッターナイフで薄くスライスして取り去りましょう。
 
● 上下のメインスパーの隙間に入れるカンザシが出来ました。こういう構造ならカーボンシャフトでもピアノ線でも金属板でも埋め込みが可能です。例えばホームセンターに置いてあるアルミのフラットな板状のメートル材を、寸法切りして堅木もしくはベニヤの積層板の両面から接着剤で挟み・・・ドリルで孔を開けて皿ビス用のディンプル加工を施し、皿頭のタッピングビスで留めれば、自作の角型カンザシが出来ます。丸棒カンザシを見つけるよりも簡単でしょうなあ・・・。幅が20mmで厚みが1,5mm程度のフラットなアルミ板ならば、金属ノコギリと粗目の大型ヤスリ棒・・・あとは、工作台の端っこに固定できる万力等が有れば・・・長さ30センチほどのテーパーなカンザシは出来るでしょう・・・。カンザシの受けパイプは内部に極薄のカーボンシートを貼った、厚みが3mm程度のシナベニヤでボックスを作れば比較的手作業ですが作る事が出来ます。

● 別にグライダーに限らず・・・空物の飛行機の左右分け分割翼のカンザシなんて、丸棒シャフトとパイプに拘らずとも作る事は可能です。全て内部に収まる部品ですので、見栄えがしないからと他人に馬鹿にされることもありません。ラジコン技術誌ではお馴染みの松田恒久氏の作られたスカイマンタは、主翼が左右分割式のツインモーターグライダーです。カンザシは何と!2mmバルサ・・・。主翼の厚みが80mmを超える翼型だと、2mmのバルサ板でもカンザシ板として機能する事を証明してくれました。高さが在って幅が極力薄い板カンザシ用の戸袋みたいな空間をメインスパー後部に作るだけで充分分割翼を支えています。
  
● メインスパーを側面から挟む板カンザシは、山本さんの指示では1mmベニヤでした。此れはメインスパー内部のカンザシが厚さ5mmのベニヤだったからです。本機はこの5mmベニヤから、金属棒を封入した5mmバルサに変更しましたので、側面貼りの板カンザシを2mmのカバベニヤとしています。いささかやりすぎの感もありますが、主翼の中折れだけは防がないとですなあ・・・。私の持論なんですけど、飛行中に主翼や尾翼がフラッターを起こした場合、バイブレーションを目で確認・・・もしくはフラッター音を耳で確認した場合、其のまま飛行を続けると本当に空中分解する可能性もあるので、直ぐに着陸させるための安全着陸を心掛けています。

● 過去の平尾台大会の前日にお仲間さんとサイトに出向いてサーマルグライダーのオリンピックを飛ばしていたんですが・・・。この日は風速は然程無かったんですが、晴天で強烈なサーマル上昇風が吹き荒れ・・・オリンピックはスパン2500mmの凡そ軽量ハンドランチグライダーとは言えないサイズなんですが、どんどん上昇してしまいます。サーマルから逃げるにはエリアを移動する様に動き回れば良いんですけど、その熱上昇帯の範囲が広過ぎて中々高度が下がりません・・・。もう最後の手段、エレベーターダウンで急降下に入れた矢先・・・主翼がフラッター発生!・・・。高高度ながら目視で解る主翼のバタつき・・・ブルブルといった音までしたので慌てて水平姿勢に戻しました。水平に成ると目で見て解る再び上昇していくオリンピックです・・・。スポイラーを付ければ良かったなあ・・・と反省しましたなあ・・・。搭載している受信機用電源は単三乾電池の6V仕様・・・。ニッカド当たり前の時代・・・リポ型受信バッテリーが出現するちょこっと前の時代です。そして最後の手段・・・裏斜面に機体を回して降下気流に入れて遠方の草むらに不時着・・・。機体の視界没は毛足の高い草むらの証明・・・平尾台特有なんですなあ・・・。でも必ず見つかるんですなあ・・・。手隙のお仲間さん全員が不時着ポイントを凝視しているので、集団で探すと誰かが見つけてくれます。これが平尾台の常連モデラー達の好い所です。小倉西区の光模型の常連さんは、模型店のオヤジさんの指導が行き届いてますしね。天国のオヤジさんが何時も観てるから・・・って言ってましたなあ・・・。高額なお礼前提の便乗組モデラーとは大違い・・・。北九州も柄が悪くなったよなあ・・・ってボヤいてましたしねえ・・・。平成の便乗組は、光模型なんて知りませんしねえ・・・。

● 光模型のオヤジさんは北九州の模型界では重鎮でした。お若い頃はOK模型がまだ東大阪で模型店(先代社長・故高松守氏)を営んでいた時代からのお友達です。(CL機=コントロールライン機・・・所謂ユーコン)の日本大会では、何時も決勝戦に残り優勝を二人で争っていたとの事・・・。OK模型の先代社長が言ってたから間違いないでしょうなあ・・・。OK模型勤務中・・・アパートに電話して来て品薄のエンジン部品を何とかしてくれと懇願・・・。駄目元で社長に頼んだら二つ返事で「よっしゃ!よっしゃ!。」との返事・・・。数週間後には不足部品が必要数お店に送られて来たって、アパートに帰った私にお礼の電話・・・。「田原君をOK模型に送り込む様に仕向けて正解やったたい!。」・・・そうか!入社の裏側にはそんな経緯が有ったのか・・・。私が居たから話が通ったんじゃなくて、お二人の長年のお付き合いの賜物でしょうなあ・・・。でも、今度は先代社長からは、「光のオヤジの願いを聞いてやったんだから、今度は俺の願いも聞いてくれ・・・。」って、社長の無理難題の試作品の要求・・・。専務(現社長・トム氏)に知れたらまたブツブツ文句を言われるので、もう冷や冷やもんでしたなあ・・・。

● ニッカドバッテリーは満充電で4,8V・・・此れが電圧降下まで維持できるので普及しました。一方乾電池の場合は徐々に電圧が下がり・・・3Vを下回ると受信機が誤動作を発生しサーボがガチャつき始めます。しかし・・・いきなり電圧降下するニッカドよりも、グライダーの場合は長時間飛ばした後の不具合発生なので安全だとも言われています。よって今はニッカドですが、容量は大きいものをバラスト代わりに搭載するのが良いとも言われてます。よって胴体機首部分の容積いっぱいの大容量バッテリーを搭載するのが一番安全でしょうね・・・。とにかく・・・グライダーは初心者専用のお遊びとか爺様の趣味と若い博士連中は言ってますが、無風のスロープサイトにモグラを持ち込んで飛ばしてる博士に対して、サイトの前方の広大な空間を走り回って微弱なサーマルを掴んでセンタリング上昇・・・をやってるのは、無動力の高翼面荷重のレーシングや大型スケールグライダーを飛ばしてる爺様連中ばかりです。モーター回さないと高度獲得が出来ない若手の博士達・・・リポの電圧が下がると安全装置が働きモーター電源カット・・・の状態からは、ただただ谷底へ向かって高度の下がる機体を見送るばかり也・・・。「誰か?・・・電波入れましたあ?・・・。」ってお馬鹿な言い訳が通用すると思ってるんか?(笑)・・・。サーマルに乗れない言い訳を電波の混信トラブルに転嫁する辺り・・・ネット物知り博士らしいなあ・・・って思いますなあ・・・。
 
● う~む・・・何でデジカメ撮影すると、メインスパーが曲がって写るんだろう・・・。取り敢えず捻り下げ設定の入った治具に仮組中の主翼です。こういう薄い主翼の組み立ては、百戦錬磨の私でも要注意・・・。左右の翼で捻り下げ設定が狂ったら目も当てられません。フィルムで修正すれば良いじゃん!・・・まあ、其れも一つの手法・・・。知識の乏しかった初心者時代の私なら、飛行場に出向く前にアイロンで修正してたでしょうなあ・・・。でも、其れってその日限りの付け焼刃的な修正に過ぎません。時間が経つと再び元に戻ります。其れに気づけなければ、飛行中のトリム位置が変化してるのでまた最初から調整しなければ成りません。

● カンカン照りの夏本番のスロープサイトでは、このアイロン捻りの修正は意味を為さないんですなあ・・・。翼の内部は温室効果で温度が上昇・・・表面温度は常温でも、内部温度は50度を超えてる訳で・・・。そら!フィルムも緩めば本来の木部の状態に戻るので、飛行中に此れが起きたらトリムが狂う事態と成ります。飛行中のトリムの狂いは命取りに成るかもなあ・・・。急にやって来るスロープ特有のつむじ風に巻き込まれたら、コントロール不能であれよあれよと愛機が豆粒状態に・・・。飛行姿勢は解らんわ・・・トリムが狂ってるので風に流されて、更に米粒状態に・・・。こういう時はどうすんの?・・・まあ、機体の条件にもよるけど、一か八かのフラットスピンで高度を下げて、視界没による何処に落ちるか解りませ~ん状態だけは回避せねばならんでしょうなあ・・・。まあ・・・遥か谷底の山の斜面に不時着してくれれば、其れは良い教訓としての安全行動と自覚して、回収に向かいましょう。
 
● 一応ジョイント部も仮固定です。3番リブとベニヤ補強板には隙間が見えますが、此れは意図的な寸足らずです。経験上エポキシ等を塗り込む際は、補強板の木口を斜めに削って接着剤を盛る隙間を開けた方が強度が上がります。限りなく隙間が無い状態ってのは、接着剤が殆ど塗られていない状態と同じなので、接着力が少ない分強度が足りません。ならば隙間を設けてエポキシの膜を作った方が強度は上がります。接着の際はヒートガンを使って、エポキシ溶剤を水溶状にしますので、細かい隙間まで侵入してくれます。目地を塞ぐコーキング剤の塗布の様に・・・ベニヤ補強板に接する面は、すべて目張りをする様にエポキシを充填します。
 
● 翼端リブの下面で5mmの捻り下げ・・・。苦労して治具調整した割にはその目立つ捻り下げ設定が見えて来ません。ただ・・・後縁側から見た画像の方が若干解り易いでしょうかねえ・・・。翼端側のリブの並びよりも翼の中央側の後縁が下がってる様に見えると言う事は、捻り下げ設定が機能しているという事ですなあ・・・。それにしても翼が薄いですなあ・・・。まるでリンディの主翼みたい・・・。でもリンディの方がまだ薄い翼型ですよ(笑)・・・。
  
● さて!結合開始です・・・。一度結合したら、もう元には戻せません。今回使用のエポキシは、硬化開始が二時間タイプなので作業時間は長く取れますが、途中で動いたのに気づかず放置すると・・・狂った状態で固まるので何度も調整しながら接着していきます。その後は半日以上の放置プレイ・・・。本日はネコバス社長との現場。長崎県は大村市の外れまで大型冷蔵庫の納品・・・搬入は新築の二階だそうで、こりゃ~神経使いますなあ・・・。

● まずは中芯と成るスパー間のカンザシの接着。エポキシははみ出しOK!・・・ケチらずたっぷり塗り込みます。構造上片翼を外さないと挿入できませんし、もう片方の翼の接着の場合は、スパー間側に接着剤を塗り付け・・・1番リブにもたっぷり塗り付けて、アングル治具の上からスライドする様にカンザシと合体!・・・。聊か表現が卑猥だが、こう表現するしか無いのでご勘弁・・・。見たまんまでしょうが(笑)・・・。
  
● さあ・・・もう・・・後戻りは出来ないぞ!・・・。上面の各種プランクシートの貼り込みが済むまで、この主翼は治具から外せません。此処からは何時もの単純で退屈な時間経過の作業が続きます。閲覧してる側は退屈でしょうなあ・・・読み飛ばした方が良いかも知れませんなあ・・・。まあ・・・この退屈且つ動きの無い作業が済まないと、本機アンタレスは完成しません。アナログ手法のイラスト満載製作記事の方が、まだ動きがあって面白いかも・・・。最近其れを強く実感します。画像は観るけど活字を読まないのが平成のモデラーさん・・・。昭和の製作記事は、自分の脳みそフル活用でイマジネーションする所から始まるので・・・ジェダイマスターな300歳のモデラー達には好評なんですがねえ・・・。
 
● スポイラーホーンのリブ間は、ホーンの先端を避け約8mmの空間を設けてサブスパーを取り付けました。いよいよ主翼前縁側上面のプランクです。木工白ボンドを多めに使い・・・塗膜を作ってバルサシートを貼り込みました。前縁側はセロテープで下面プランクに充分貼り代が出る様に長目に貼り付けて、マチ針多めで固定しています。本来ならば左右翼の貼り込みを行いたい所・・・遠方現場の大型冷蔵庫の搬入で力尽きました。本日此処まで・・・。

● 予想通りの冷蔵庫の搬入作業・・・。一階は店舗・・・二階が母屋・・・この入り口数段後は90度の方向転換・・・。重さ120キロ・・・階段には手すりが・・・此れが邪魔して本体が入らない・・・。設計士さん曰く階段幅で冷蔵庫は最大容量を決定・・・。手すりの分までは計算して無かったみたいですなあ・・・。でも二時間掛けて持って来た大型冷蔵庫なんだもの・・・再びお持ち帰りは社長もやりたくないよなあ・・・。現場には嫌なムードが立ち込める中・・・取り敢えずは荷台から降ろして、しばし思案中・・・。本当はですなあ・・・社長は小声でブツブツ文句を言ってましたなあ・・・。「素人は滅茶苦茶簡単にモノを言いやがる・・・。」・・・重さ120キロの大型冷蔵庫を90度に曲がりくねった階段をどうやって持って上がるの?って事態だ・・・。持つ所は有るんだが、人が入る隙間が無い・・・。

● ところがこの二階の母屋・・・左側は壁・・・右側は鉄柵付きの吹き抜けだったので、冷蔵庫の上部の取っ手にロープをかけて三人がかりで上から引っ張り上げ、私は下から冷蔵庫の底を持って一段ずつ階段を上がるという荒業を使い、よって私自身が電池切れ寸前と成った・・・。手すりの分が邪魔していたので、冷蔵庫の前面の観音開きの扉と引き出しの幕板を外して、内部の棚板も全部抜いて軽量化・・・。やっと搬入完了・・・一番喜んだのは、一番肝を冷やした設計士さん。お供の女性スタッフを連れてワザワザ大阪からの出向だったので、搬入出来ませんでしたでは帰るに帰れんでしょうなあ(笑)・・・。まあ・・・社長としては、今回みたいな冷蔵庫をバラして搬入なんかやりたくなかったでしょうし、でも搬入出来ずにお持ち帰りもなあ・・・。まあ・・・工務店の社長も冷や冷や・・・オーナーの奥様も冷や冷や・・・。でも搬入出来て一安心・・・。帰路にて社長が呟いた・・・。「10年後・・・新しい冷蔵庫に入れ替える時は、搬入料金も別途請求する必要が有るなあ・・・。二人じゃ無理だし、応援二人分の4人でやらなきゃなあ・・・。」って、10年後の社長も私も70代のジジイでしょうが!・・・持ち上げるなんて無理無理!せいぜい旗振り位ですなあ(笑)・・・。それえええ~!それえええ!・・・ってヤツ・・・。一番楽な役回り(笑)・・・。
 
● 一夜明けて・・・本日は曇りのち雨の予報・・・。爆睡が効いたのか朝から目覚めがとても良い・・・。午前中にもう片方の翼にプランクシートを接着し、マチ針で固定してから其のまま放置・・・。お昼にラーメンライスを食ってから、別の現場でペンキ塗りの作業・・・。今にも雨が降って来そうな曇り空の中・・・ブラシサンダーで螺旋階段の裏面の鉄板のさび落としを開始する・・・。前回この螺旋階段の塗装をした職人さんが、階段の裏面の塗装を一切やってなかったので、海に面した県道沿いの家屋の螺旋階段は、塩分を多量に含んだ潮風にさらされて錆び捲っていた。錆を落とすと今度は穴が開く・・・電気溶接機を持ち込んで鉄板の小片を使っての溶接作業・・・。塞ぎようのない位の大穴は、プラズマカッターで切り取って再び鉄板を溶接・・・。結局溶接に時間が掛かったので、錆び止め塗装は半分しか出来ず・・・雨が本降りに成ったので作業中止・・・。

● 工房に戻ってさあ!作業開始!・・・とは成らんのですよ。還暦過ぎると雨が降って作業服が濡れただけで体力が低下する・・・。体温が下がると風邪を惹くかもしれないし、免疫が下がると要らんウィルス貰って大事に成るんで、風呂に入って身体を温めて・・・さあ!作業開始!・・・にも成らんのですよ(笑)・・・。今度は眠く成る・・・。よって仮眠をしたつもりが、起きたのは9時過ぎ・・・。本日はスクールポリスの最終回・・・。遅い晩飯を食べながらドラマを見て、11時過ぎ、さあ!作業開始・・・。マチ針を抜いた状態の主翼です。
 
● 定規を主翼の上面に当てると隙間が無い・・・。此れがテーパー翼の上面のゼロ設定・・・。テーパー主翼の上反角ゼロ設定とは、ちょこっと意味が違うんですなあ・・・。下面側には上反角が付いているので、完全なる上反角ゼロの主翼とも言えません。テーパー翼の上反角ゼロ設定というのは、翼型の中にある基準線に上反角が無いという意味です。よって本機の場合は、基準線には上反角が僅かながらも付いているので、ゼロ設定の主翼よりもロール軸の自律安定は良く成ります。よって操縦感覚は上反角付きの機体と変わりません。むしろ運動性能の妨げに成らない微弱な上反角なので、エルロン機の入門用とは言えませんが・・・次のステップに上がる為の高等練習機って所ですかねえ・・・。

● まあ・・・自衛隊機で言うなら初等練習機がT-3のレシプロ機・・・T-33Aが中等ジェット練習機・・・T-2・T-4がカテゴリー違いの高等ジェット練習機でしょうから、まあ・・・本機の飛行感覚ならアクロバット系の中等練習機って所ですかなあ・・・。またもや操縦技術が乏しいラジコン初心者さんが欲しがるフォルムですもんねえ・・・。スロープには軽量のハンドランチラダー機と本機を持ち込み、自分の荷物の傍に本機を置いて軽量ラダー機だけを終日飛ばす・・・。誰もズブのド素人とは思わないので馬鹿にされる事も無い・・・。そういう点では充分活躍するかもしれないが、ベテランフライヤーさんと対等に会話していると・・・いつの間にか自分もベテランフライヤーに成れた気持ちに成ってしまうんですなあ・・・。其れが事故の元なんですよねえ・・・。スピードモードに滞空モードにアクロバットモード・・・こんぴ~たあ付きプロポに設定を見様見真似でプログラム・・・。周りのヤジに耐えかねて・・・機体をやおらぶん投げて操縦不能・・・。斜面の奥を迷走してる内はまだ良いんだが、風に押し戻されて機首が追い風に乗って自分の方を向いちゃったら、もうパニック状態・・・。誰もズブの初心者なんて思って無いしねえ・・・。おおおお!高等アクロでもやるんだろうとしか思って無いので、誰もその先の危険予知が出来ていません。こりゃ!やばいかも・・・って感じた時はもう遅い!・・・見物人の誰かは犠牲に成るかもなあ・・・。本機はそういうレベルの飛行物体です。操縦しないと凶器に成ります・・・。初心者さんは絶対に手を出しませぬ様に・・・。
  
● 後縁材の貼り込み中です・・・。最大翼厚8%で24mmしかないのに、プランク後の構造体の頑丈な事・・・。まだまだ頑丈に成りますが、現時点でも主翼を意図的に捻ろうとしても、ちょこっと握力に力を込めないと捻じれてくれないので、フィルムを貼り込んだら更に丈夫に成るでしょうなあ・・・。実際には7,8%位の翼型なので、強風時は走り捲るでしょう・・・。本機はヴェガⅠ型よりはおとなしい飛行性能でしょうけど、ヒラヒラ系の軽量HLGでは無いですなあ・・・。サイズ的にはよく似てますけどね。OK模型のディバインよりも走るでしょうなあ・・・。2メートルクラスのカテゴリーと弱風時のスピード記録会では多分好結果でしょう・・・。KGCのスピード記録会は、まず高度を十分確保する所から始まるので、弱風状態でもフラップダウンで高度を獲得し、さあ!ドグファイト!・・・急降下で加速してパイロン通過!・・・弱風時のレーシングさん達は、まず高翼面荷重なので上昇させんのが難しい・・・。そら!アンタレスの独壇場ですな!・・・。レーシングにも勝てる条件のバルサ機が、どんどん出来上がって行きますぜい!。レーシングだったら上位入賞は確定!って思い込んでるスロープ初心者のモデラー諸氏・・・。其の神話が崩れるのも、もう時間の問題・・・。飛行技術が乏しくてもレーシングなら・・・って、RCAWのDVD・V0l-2・平尾台スロープ大会を観て下さいね。必ずレーシングは最強なのか?・・・バルサ機を襲って自爆墜落するレーシングの末路・・・見ものですなあ(笑)・・・。勝ったのは当工房のミランダ初期型です。バルサ機でも勝てる時は勝つ!・・・。下手に襲ったら返り討ちに遭うくらいの頑丈な後部胴体ですもんねえ・・・。(Part-10に続く)