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✈ VEGA-1A(工房オリジナル構造) Part-2

● 画像左側が初期型のヴェガ・・・山本オリジナル構造です。画像右側が当工房オリジナルの構造。初号機を山本オリジナル構造にしたのは、50年以上前に製作された構造は、作るモデラーの技量の差がハッキリと表面化してしまうので、まあ・・・所謂・・・胴体の左右のアールがズレて、胴体の中心線まで湾曲してしまう構造に成り易かったと言えます。キットを購入しても、図面通りの正確な組み立てが難し技量のビギナーモデラーには組めないという意味です。
● 胴体の左右のアールが違うって事は、胴体の中心軸も曲がった胴体って事だから、垂直尾翼も胴体の湾曲に沿って、左右どちらかにズレる事に成るので・・・飛行機が真っ直ぐ飛ばない原因にも成るんです。そのバラつく胴体を、ビギナーさんでもベテラン並みに正確に組めるようにしたのが、当工房の二重構造です。模型レベルでは異端な構造なので、複雑そうで受け入れ難い構造ではあるのですが、実機の世界では当り前の構造です。胴体の外側にビス止めのパネルを沢山作った場合、其のパネルを全て外すと、胴体の硬性が落ちて狂いが出るんですけど、その硬性を落とさない様に、内側にもパネルを付けてあるのが実機の構造体です。実機の金属製の胴枠は、全てチャンネル材で作られています。そのチャンネル胴枠を模型用にアレンジしたのが、当工房の二重構造です。

● フライングスタビライザーを組立てます。トレースしたのは初号機の形紙を使って作図しました。(S1)と(S2)のリブは3mmベニヤなので、二枚重ねて釘で留めて糸鋸加工しました。(S3)~(S7)までのリブは2mmバルサ・・・ボールペンでトレースして一枚ずつカッターナイフで切り抜きました。翼端側のウィングチップ材は、2mmバルサから形紙でトレースし、3枚重ねて接着し・・・一個分のパーツとしました。画像の切り出したパーツ類は全て二機分切り出して有ります。勘違いなさいませぬ様・・・。

● PVC樹脂のブロックを使ってクランクユニットのシャフトから、不用意にスタビライザーが抜けない様に・・・もしくはズレない様にシャフトを摘まむストッパー台座を作ります。今回使用したOK模型のカーボンシャフトに付属したアルミのソケットパイプなんですが、精度が良過ぎてガタが殆どありません。よって今回製作するシャフトを摘まんで抜け止めする様なストッパーのブロックは必要無いかもしれません。ですが、西の大国製のパイプならガタ出捲りなので・・・アンタレスのスタビライザーの駆動シャフトのソケットには、画像の様なストッパーを組み込みました。
● ヴェガ初号機のメインシャフトとサブシャフトは、二本とも西の大国製のブカブカ・ガタガタのカーボンシャフトとパイプなんです。よって飛行中・・・特にロール演技中、遠心力でフィレットとスタビライザーに隙間が少しずつ開く事が予想されました。左右の間隔がズレると何が起こるのか・・・。左右のスタビライザーのスパン方向がズレるので、重量バランスと空力バランスがズレる状況と成り、エルロントリムがズレるかも知れません。よってトムさんには、メインとサブの両シャフトにバスコークを盛り付けて、軽い抵抗を感じながら差し込める状態を造り、抜け止め処置をお願いしました。今回は抜ける事は無いかも知れませんが、初号機のカンザシ案を採用するであろう閲覧モデラーさんの保険として掲載しています。

● アンタレスに組み込んだストッパーの台座なんですが・・・シャフトが4mmに対して挿入するパイプの外直径が6,2mmでした。パイプの肉厚は約1mm有り・・・パイプの内径は4,2mm程なので、シャフトは楽々スライド出来ますし回ります。よって、ブロック内部には1mm程の段差を造れたので・・・ブロック内部に段差を付けてパイプを固定しました。今回使用したOK模型のシャフトとパイプなんですが、肉厚が0,4mm弱しかありません。よってブロック内部の穴の段差も0,3mm程度しか無いので、穴開け加工には大変シビアな精度が必要に成ります。よって今回はブロック台座には、5mmのシャフトのみ貫通する孔だけを開け・・・、その後方に3mmベニヤを穴加工して貼り付けました。このベニヤにはアルミパイプがしっかりとハマる孔を開け、PVCブロックと接着しました。ベニヤのワッシャーとブロックは画像の様な配置で、ブロックとベニヤワッシャーの隙間に接着剤を流し込んで接着しました。

● 初号機のスタビライザー組み立てで使ったリブ組み治具が再度活躍してます。まずは(S1)と(S2)のリブをセットして、前後二つのパイプの位置を正確に決め接着します。此の際・・・クランク板もセットした状態で行います。次にメインスパーと成る3×3mmのヒノキ棒もセットした状態で、木工ボンドをリブのスパー溝に塗り込みながら組み込んでいきます。前縁はスロット加工した5×5mmのバルサ・・・後縁は3×10mmのバルサシートを貼り込んでいます。接着剤が硬化したら治具から外して、前縁と後縁を正規の形状まで削る作業を行います。
● 実は・・・このスタビライザー・・・此処からまだまだ部品が付いて行きます。今回の(VEGA-1A型)では、垂直尾翼のフィレットを省略しました。よって、フィレットの代わりとなる部品をスタビライザー側に装着しないと、垂直尾翼側面からニョキリとはみ出た軸受けスリーブを隠す事が出来ないんです。よって、もう少しこのスタビがらみの記事が続く事に成ります。更に今回はトムさんの要望で、ラダーを取り付ける事に成りました。トムさんはエイトポイントロールを綺麗に演技したいから・・・って言ってましたが、ご要望の装備を全て組み込んだら・・・まあ、強風域のサイト条件ならフラットスピンやらフィギュア・エム辺りまで視野に入れてる感じですかねえ。フィギュア・エムとは速度を付けての垂直上昇からラダーを使って反転急降下・・・水平飛行に戻ってから再び垂直上昇・・・そしてラダーで反転・・・そして垂直降下し水平姿勢に戻る・・・最近はF3A曲技でも見かけなくなりましたが、昭和の大会では必須演目の一つでしたね。解り易く言えば、シングルローターのエンジンヘリで連続してストールターンを行うと言った方が解り易いかな?・・・。

● スタビライザー側に取り付ける部材を作ります。此れが軸受けを隠す為の部材です。OK模型から購入した3mmバルサを3枚重ねて9mmとして使います。世界的にバルサ材不足なので、OK模型も入手には苦労しているみたいですなあ・・・。一番の原因を作った西の大国の見境の無い爆買い・・・此れからまだ数年掛けて大きく育つであろうバルサの原木も購入して伐採させる・・・って、もう本末転倒ですがな。そのツケは・・・その他の国の模型業界が煽りを喰らうハメに成ってるし・・・。でも・・・半分は棄ててるって話し・・・。何に使うの?こんなに大量に・・・って、風力発電のローターの中芯に・・・って、フカフカのソフトバルサも使ってるって話し・・・。強度も無いから、直ぐ折れるんだとか・・・。運んでる時に既に折れるローターも有るんだそう・・・無茶苦茶ですなあ。

● 軸受けパネルのパイプに振れない様に取り付けないとスムーズにスタビライザーが動きません。部材の穴は直径11mmで開けてあります。この軸受けのパイプは直径が9,5mmなので、約0,7mmが許容できる隙間と成ります。そこで・・・まずは軸受けパイプに当たらない様、隙間が均等に成る工夫を行います。単純に軸受けパイプと同じ直径のパイプを11mmに成るまでセロテープを巻いて太らせます。此れを部材に入れて、更にシャフトを通してスタビ側のパイプに差し込んで部材をスタビに接着・・・。これで駆動軸のクリアランスは取れました。実に簡単!・・・此れって、主翼固定の軸孔にも使ってる手順・・・。深く考えずに応用すれば良いんです。

● 綺麗にシャフトの孔の芯出しが出来てます。滅茶苦茶単純な調整手順です。軸受けパイプは外ズラが長さ10mm有るんですが、この軸受けパネルは穴だらけなので、外側に1mmバルサを貼り込む予定・・・。それで、垂直尾翼のプランク面とツライチに成ります。よって、パイプの長さは9mmに減りますが、スタビ側も9mmの深さが有るので、1mmの空間を設けても、隙間は1mm位で調整できます。まあ、其の為のストッパー機能なんです。

● この小さいブラケットは、リンケージのアウターパイプを固定する為の部品です。PVC樹脂の角材を削って作りました。此れを胴体後部・・・クランク板の駆動アームとアジャスターで連結します。ブラケットの真ん中の2mmのビスは、多分・・・トムさんの指でもこの空間には入りません。よって、もし・・・ブラケットが外れて隙間に落ちる前にロングノーズ・プライヤー(所謂ラジオペンチの事)で摘まんで、引っ張り出す為の小技ですよ。何度も苦汁を舐めましたしねえ・・・其れはトムさんでも起こり得る事態・・・。多分、メールでボヤくでしょう。

● フライングスタビの取り付けは画像の様な案配・・・。作業の工程を少し語るとすれば、胴体は下部のみプランク済みです。さて・・・垂直尾翼は何時組み上がるのか・・・。其れにはまず・・・ラダーリンケージの部品とエレベーターリンケージの部品を先入れしないと、後からは入れられないんですよねえ・・・。そして、胴体上部のプランクです。この胴体上部のプランクの上に、あの複雑な垂直尾翼の部材が載っていくんです・・・。垂直尾翼の骨組み完成と同時にスタビクランクの挿入と軸受けパネルの接着・・・。そして垂直尾翼の全面プランクと成ります。ラダーの部材を組めば胴体は完了って所ですなあ・・・。
● 本来は、既に主翼のリブ組み風景も載せたい所なんですが、ぶっ飛んだホームページの修復も同時にやってますしねえ。もちっと待って下さいね。本日!トムさんからメールが来ました。山本さんのご子息から、動画サイトのヴェガ記事にコメントが有ったそうなので、観てみました。山本昇氏は2003年に他界されたとの事。ヴェガ製作の元は、テレビでコンコルドを観た後、何かのインスピレーションを受けて・・・アイデアが降臨されたようですなあ・・・。息子さんに製作中のヴェガを自慢されていたとの事・・・。良いお父さん振りじゃないですか。まるで私の親父みたい・・・プラモの戦車を組んでは、私に自慢してましたねえ・・・昔の本格的な戦車のキットって、キャタピラの部品一つ一つをピン打ちする内容・・・。親父の遺品であるタイガー戦車は、今でも仏壇の中に鎮座してますなあ(笑)・・・。

● エレベータとラダーのリンケージパイプを先入れします。エレベータはなるべく直線配置となる様に配置するんですが、今回はトムさんの要望でラダーを可動させるので、画像の様な配置となりました。当工房の飛行機は、ラダーに限って言えば・・・テグスワイヤーが基本仕様と成っています。パイプの外直径は2,2mmと細く、機体構造で必要ならば・・・パイプの外側を1mmバルサで包んで角材とし、ストリング材みたいに胴枠の一部にはめ込む裏技も使います。主にEDFの場合・・・実機同様に胴枠の空いたスペースしか配管出来ませんので、まあ・・・其れと同じ扱いって事で・・・。

● 山本オリジナルヴェガとは垂直尾翼の構造自体が大きく変更されました。此れもトムさんの要望・・・。「フィルムのしわ取り・・・苦労すんねんでええええ・・・。」だそうです(笑)・・・。実は・・・今回、垂直尾翼のプランクをしながら更に閃いてしまったので、次の1B型ヴェガで採用する予定・・・。其れにはトムさんのテスト中の新しいカンザシが出来上がらん事には図面も進みません。私としては・・・今回のカーボンカンザシセットよりも気に成るカンザシ・・・。1B型ヴェガと織姫さんの彼氏(Altair)に採用する予定。

● 段々とカタチに成って来ましたね。まだ、もう少し作業が進んでからバラす予定でしたが・・・。この当工房オリジナル構造のヴェガなんですが、かなり特殊な作業手順となってます。言い換えると、胴体が完全に組み上がってから主翼の製作に移行しても何の支障も出ないんです。山本オリジナルヴェガの場合は、胴体と一体化するセンターウィングを組み込まないと、胴体のプランクが不可能だったんですが、本機の場合・・・その山本機の工作手順の複雑さを簡素化出来る構造に成ります。もし・・・この新構造のヴェガがキットに成った場合・・・多分、モデラー自身も新しい扉を開く事が出来るでしょう。従来のバルサキットではあり得ない工作手順だと自負してるんですけどね。

● メカ搭載部分のハッチを作ります。初号機のヴェガでも苦労したこのメカ部分のハッチ・・・作り方は前回と同じ・・・。ただですなあ・・・前回と同じシビアな造りですので、作るには相当の美的センスが要求されます。本機の胴体側面図を観て下さい。このハッチ部分の微妙なカーブ度合い・・・。面倒臭いからって直線で造ったら、仕上がりのフォルムが大部変わって見えるかもしれませんなあ・・・。
● 知ってるモデラーは、是が非でもこのハッチ部分の上部アールは確実に表現するでしょう。でも、知らないモデラーなら面倒臭い緩いカーブなんて省略するかナ?・・・。知ってるモデラーが何で拘るのか・・・。此れって力学上の問題だから、何かの項でも記載したんですけど、飛行機の揚力って何も主翼だけに発生してるんじゃなくて、その機体全体に発生しています。其れが横方向にも下方向にも発生するんです。胴体だけの揚力なんて微々たるモンなんですが、其処が違うだけでエレベータの反応が変化するんですよ。今のトムさんにはその微小なる変化も解るんですなあ・・・。よって、作る側も・・・トムさんの指摘に遭遇しない様に、初号機と同じカーブ度合いにしました。

● 当工房で使ってる自作のテンプレートと成るスリットゲージです。胴体側に合わせて転写すると、画像の様なラインが画けます。このスリットゲージは市販されていないので、自分で作るしか無いんですが、その時代背景は大変古く・・・。当時の航空自衛隊の板金整備の職人ならば、薄いアルミ板を加工して作ってたりしましたなあ。適度なアルミ板が見つからない時は、紙のマスキング粘着テープ(養生テープ)を少しずつ重ねて、鉛筆でトレース後に崩れない様に剥がして、今度はアルミ板に貼り付けて其れをバンドソーで切り抜いていましたねえ・・・。其れを応用したまで。

● ただ、此れだけのアールの表現をする為の・・・複雑な構造なんです。ただ、其れだけなんですが・・・神の指先を持ったトムさんにしてみれば、多分クレームの対象になるかなあ。メーカーの開発部時代・・・「あ!トムさんが来た!・・・。」って気配で解る位、緊張してた時代もあるかなア(笑)・・・。平成時代終わりのラジコン飛行機含む無人機の航空法改正・・・廃業する模型業界も多い中、根強く生き残ってる大事なメーカーですし、トムさん自身も二十一世紀後半の50年の行く末を模索してるだろうし、光明射すまで残りの人生手伝うのも私の使命の一部ですしね。何でそんな考えなのかって?・・・。次に輪廻転生した未來の時代に、進化したラジコン模型が存在しなかったら面白くないでしょう。(Part-3に続く)