✈ Wild-boar ⅡB (SSG) パッシング競技対応機 Part-2
 
● キャノピーの胴体への固定は基本的にビスかタッピングネジ・・・。どちらで留めるも、綺麗に処理すると見た目の問題ですが、お仲間さんが褒めてくれます。褒められたいからやってる感覚じゃ無いんですなあ・・・。スケール機とか・・・中翼機になると、フェアリングが大きく深いので、胴体に主翼を固定する際ガイドパイプを入れないと、取り付けビスがフェアリングの中で踊ってしまいます。フェアリングの中に密閉した壁を設けないと、孔から外れたビスはフェアリングの狭い所にハマり込んだら取れなくなってしまう事も有ります。其れが現地の飛行場で起きたら・・・工具の乏しい飛行場で、フェアリングを破ってビスを取り出して・・・セロテープで応急修理して大会に臨む羽目に・・・。最初からガイドパイプを入れておけば、そういう事態には成らないんです。

● 当工房みたいなピッタリのガイドパイプが無いから出来ない!って思う必要は無いですよ。ホームセンターならビニール素材の硬質のパイプが、メートル単位で売られてますし・・・、もっと色んなパイプを探すなら、ネット検索で配管素材の材料屋さんを探して出向いてみるとか・・・最初に小売りが出来るか聞いてみて、数本まとめ買い・・・もしくは定尺一本買いでも数万円の単位にはなりませんので、此処は大人のレベルで購入しましょう。

● この硬質ビニール素材のパイプなんですが、分割主翼のグライダーのカンザシ受けのパイプにも代用できます。ネット世代のモデラーさん達には受け入れ難い事実でしょうなあ・・・。そんなん主翼に埋め込んだら、主翼がバンザイする!って決めつけてるんだもんなァ・・・。主翼がバンザイするのはカンザシが弱いからであって、主翼に埋め込んだパイプが悪いんじゃ無いんですけどね・・・。むしろ、主翼にパイプを埋め込んだ時に、パイプの周囲を何の補強もせずに瞬間接着剤を垂らして固定なんかするから・・・荷重過多で主翼が折れるんですよねえ・・。所謂手抜き構造って奴なので、過失は手抜きのご本人って事に成ります。
  
● 画像は自作した昭和の名機であるオリンピックです。プロポメーカーのサンワ電器が、アメリカで販売しているオリンピックを逆輸入して、国内市場で多数販売していたので知ってるモデラーさんも多いかと・・・。バルサキットは原寸図面と小雑誌付きなんですが、原寸図面は全て横文字・・・そしてインチ表示・・・。よって部品の裁断は全てインチカットされています。平成に成ってからラジコンを始めたネット世代のモデラーさんは、図面がインチ表示なので絶対に組めない!って断言するんですがねえ・・・。ホントに無理なんでしょうかねえ・・・。因みにサンワ電器は、アメリカの社名がマイクロエレクトロニクスと言います。オリンピックの監修は、三和の長谷川氏ですよ。

● そんなん無視しちゃえば良いんですよ。日本国内はミリ表示でバルサキットは全てミリ単位で刻んであります。インチの原寸図面なら、金属定規の裏面に有るインチとミリの換算表を参考に、ミリ寸法で図面を引き直せば良いんですなあ・・・。至って単純でしょう?・・・。難しく難しく考える必要は無いですよ(笑)・・・。使用するカンザシと受けのパイプだって、代用品を探せば良いんですなあ・・・。焼の入った直径5mmのシャフトと、その金属パイプが入る肉厚が2mm近い硬質ビニールのパイプが有れば、立派に分割翼のカンザシとして機能します。

● オリンピックのメインスパーは、断面小口の寸法が(1/8×3/8インチ)です。此れを近似値のミリに換算すると、3×10mmのヒノキ棒で代用できます。内径5mmの硬質ビニールパイプの外径は約9,5mm・・・。パイプの内径を5,1mmの長ドリルで開け直せばカンザシ受けのパイプが出来ます。更にメインスパーの直下にパイプは納まる寸法・・・。メインスパーの厚み3mmを上下に跨ぐ様にバルサの補助スパーをエポキシで接着してやれば良いんですよねえ・・・。パイプがしっかりと固定されていれば、主翼のバンザイ現象はほぼ有り得ません。代用品でも上手に使えば、立派なラジコン機の部品に成ります。

● 部品が無いから自作なんか出来ない!って決めつけるのは、昭和40年代の田舎町じゃ無いんだから・・・ネットを駆使すれば部品は意外と揃います。ホームページの説明だけじゃ解らない時は、メールすれば良いし・・・文章表現が無理なら電話して直接担当さんに話を聞けば良い・・・。私なんか上記の方法は当たり前にやってますけど・・・。本機のキャノピーのガイドパイプなら、(水道配管のビニールパイプ)で検索すれば、星の数ほどの業者がヒットします。其れが地元ならば直接出向いて正直に大人のレベルで付き合えば良いし・・・ちょこっとで良かとですよおおおおお!って、定尺購入を渋る行為は相手にされません。運良く短いサイズを無償で分けて貰っても、其れをネットの手口として拡散するのもマイナスな行為・・・。こういう業界は横の繋がりが広いですからね。卑しい行為は即!組合に通報・・・。二度と取り合ってもらえなく成ります。
  
● 翼型はオリジナルな10%半対称です。元々は翼型の本に掲載されている正式な翼型だったんですが、自分の技量に合わせた翼型を探していたら・・・一部改造しちゃえば良いじゃん!と結論が出て、現在の翼が誕生・・・。お仲間さんにも大好評!。適度に浮くし・・・適度に走る万能翼型だそうです(笑)・・・。ボア君Aタイプで使用した(E-205)程の浮きは無いんだけど、ボア君Aタイプよりも走るし、ダイナミックソアリングも出来る・・・って、其処までの強度は無いと思うんですがねえ・・・。まあ・・・自己責任なんで、適度にグルグルやってんでしょう(笑)・・・。

● 主翼の形状は前縁側のみ後退し、後縁側は直線です。片翼上反角が付きますので、組立ては一応四分割翼です。インナー側の主翼は左右で結合・・・翼下面で上反角は0度の設定です。上反角はアウター側の翼のみ・・・。捻じり下げもアウター翼のみ1,5度入れてあります。インナー側の翼には、メインスパー前方・・・前縁材との中間付近に、サブスパーを入れ構造強化を図りました。主翼の飛行中の捻じれやフラッター(翼の共鳴振動)は、主翼の構造上の弱さが主な原因です。本機の主翼はインナー側の翼を頑丈に作るので、アウター側の主翼は過度な頑丈さは必要ありません。構造を必要以上に強化しなくても良いんです。
  
● 加藤無線(MK)のF3Aバルサキットではお馴染みの、左右主翼の結合ブロック体です。このブロック体の角度加工は、専用の治具にブロックに切り出した後セットして、バルサの大割角材をシート状に加工する大型バンドソーで切り込みを入れます。バンドソーの幅は10センチ強・・・此れが身長よりも高いトラックレーンをグルグル廻ってます。そのバンドソーのギリまで指先を近づけるんだから、恐怖感は常にマックスですなあ(笑)・・・。ただ・・・安全対策もバッチリです。冶具が必要以上に進まない様に、歯の反対側にはストッパーをセットします。まあ・・・スマホ操作で好い加減な作業をしてると・・・親指の先は、真っ二つ・・・。バンドソーの鋸刃って、草刈機の鋸刃以上のサイズだから・・・指先の切れ具合は粗くてグロい・・・。まるでサメに噛まれて肉を引きちぎられた様相に似ていますなあ・・・。まあ・・・手術が終わるまでは、指が6本に増えた状態なので・・・。因みにパソコンのキーボードって、指が6本あった方が、操作はし易いんだそうですよ(笑)・・・。
  
● 本機は低翼設定機なので、低翼機ならではの構造物が必要に成るんですなあ・・・。スロープで手投げするのに、主翼の前後の胴体を両手持ちすれば良い!って言う人も居るんですが・・・、当工房のテストフライは大概一人ですので、両手持ちするって事は投げた後、一瞬ですが操作が不可能なんですなあ・・・。実は処女飛行においては此れが命取り・・・。機体をガッチリ利き腕で持って、力一杯ドスコイ投げ(機首を下向き30度に構えて渾身の力で投げる事・・・)出来れば初速が付くので、揚力が発生し機体は浮き易く成ります。空母の発艦だって、スチームやリニアカタパルトを使って加速するでしょう・・・。あれはですなあ・・・機体が離艦するまでの間に、主翼に浮かせるだけの揚力を発生させる為の機能なんですなあ・・・。小指を立てて、ヒラリと投げられたって、初速が無いんだもの・・・高翼面荷重機が浮く筈が無い!・・・。投げましょうか?って言って来るモデラーさんは選んだ方が良いですよ・・・。軽量ハンドランチしか飛ばした事の無い人だったら、セレブ投げ(小指を立ててヒラリと投げる事・・・)されて、機体は頭から斜面に刺さります・・・。
 
● インナーウィングを左右結合しました。多分・・・一度でも加藤無線(MK)のF3A機のバルサキットを作ったモデラーなら、自作機を作る時に、同じ形状の主翼ならこの後退角設定のブロックを使ったと思います。メインスパーを両側から厚みのあるバルサのブロックで挟むので、シンプルな部品ながらその強度の程は、かなりの荷重に耐えられます。言っときますが・・・此れはベニヤじゃ無くてムクのバルサですよ。

● さて・・・一号機のテストフライヤーさんから、量産機にはフラップを別口で着けた方が良いと提案されました。其れは大観峰特有の地形に有ります。展望所から50~70メートル先までは約45度の傾斜角・・・其れより前方は、垂直に切り立った断崖絶壁と成るのが、大観峰のスロープサイトです。飛行のメインは断崖の真上で行いますが、着陸は斜角45度の草原に降ろします。ところがこの草原・・・起伏が激しいので吹上風が一定していません。この緩い稜線に沿って長いアプローチで、着陸進入する大観峰のスタイルは、観てる見物人には恰好良く映りますが・・・操縦してるオペレータにはかなりの精神的集中力が必要なんです。

● 舶来のレーシング・グライダーには、当たり前の機能としてバタフライの設定が付き・・・瞬間的に使うと大減速が可能に成ります。大観峰初入山の初心者フライヤーさんに多いのですが、普段はグランドでスチレン素材のプチトレーナーや、EPP素材の自作ファンフライをヒラヒラ飛ばしてるのに、大観峰に盛って来るグライダーは、決まって舶来のフルスパン・レーシングです。何時もは2チャンネルでヒラヒラ飛ばしてるのに、大観峰ではいきなりの6チャンネル装備です。着陸に使うバタフライ機能なんぞ使った事もありません。そういう状態で入山して来て、斜面に飛行機を投げ込んで・・・この緩い斜面だけでビュンビュンやるもんだから、観てるクラブ員は気が気じゃないんですなあ・・・。

● 大御所さん達に注意されて、気持ちが動転・・・。格好良く着陸させないと馬鹿にされると思ったのか、着陸進入前からバタフライ全開!・・・急減速状態で稜線に近づき・・・稜線に乗った途端に風に煽られて、見物の観光客に向かって飛んで行きます。もうご本人は操縦できなくてフリーズ状態・・・。観光客側も一応逃げる素振りを見せたかと思ったら、コントロール不能の舶来レーシングは急降下で斜面に頭から刺さりました。どうも・・・お山の重鎮さんが、彼の指をエレベータダウン方向に押さえつけたみたい・・・。この重鎮さんは、彼に最初に注意した人・・・。弁償覚悟での危険回避・・・。案の定初心者さんは激怒したんですが、其れって逆切れの態度です。観光客の前で大勢に恥を掻かされたと訴えていましたが、バタフライの使い方も理解して無いのは初心者さんの方でしょうが!・・・。結局・・・大した傷も付いていないのに、10万円近くの弁償金を払ったみたいですなあ・・・。其れが恥を掻かされたって類の慰謝料が殆どなんでしょうけどね。大観峰を管理するクラブは老舗ですよ。ネット普及後にも関わらず、上記の類の勘違い初心者さんの暴挙に屈しません。

● この初心者さん・・・自分たちの掲示板で、事実を歪曲してお山の重鎮さんを実名で糾弾!・・・慰謝料奪取の手口まで公開しちゃったから、普段は観てるだけだった閲覧者さん達から猛反撃を喰らいました。その数は千人近かったそうですよ。よって、後日・・・この重鎮さんに貰った慰謝料を全額返金・・・。まあ・・・抗議した閲覧者の中には、民事に強い弁護士さんも居たそうだから、多分・・・事実歪曲と慰謝料奪取の不当修得辺りで噛みついたんじゃないかなァ~って思います。当日の危険飛行の動画もサイトに有ったらしいですしね・・・。事実歪曲ってのは、そういう動かぬ証拠が無いから通用するんですがねえ・・・。其れが露見したら何れはバレる・・・。しかし・・・反撃千人ってのも凄いよなあ・・・。いきなりコメント欄が大盛況に成るんだもの・・・。プロバイダーが勘違いするでしょうなあ(笑)・・・。
  
● 昭和のエルロンは、バルサキット付属の部品を自分で加工して、こんな軸受けを作ってました。この軸受けにクランク曲げのエルロン作動ホーンを埋め込んで・・・。サーボは全て標準型のでぶサーボでしたので、主翼の中に左右振り分けの単独配置はまだ普及していません。誌上プロのモデラーさん位ですかねえ・・・メーカーに依頼して逆転サーボを入手・・・。正転サーボと逆転サーボを左右の主翼に搭載したハイカラ自作機を、ラジコン技術誌に毎年紹介してました・・・。観てる側にとっては、部品が特注だらけなんだもの…普及する訳無いじゃないですか(笑)・・・。
  
● この埋め込み式のエルロンホーンなんですが、軸受けがバルサ材の為・・・頻繁に動いて年季が入ると、何れ隙間が出来て動きが甘く成ります。軽く動くのは良いんですが、軸受けが摩耗するので動翼のニュートラルが定まらなく成るんです。その軸受けの摩耗を防ぐ為に、多くのモデラーさんが知恵を絞り・・・ある一つの防御策が生まれ普及しました。軸受けはエポキシでヒンジラインの後縁に接着するんですが、内部で回転するクランクシャフトまでエポキシが付着するとシャフトが動かなく成るんですよねえ・・・。其処で、油分を多く含んだハンドクリームを、シャフトに満遍なく塗り込んでから接着するんです。軸受けの溝の中にもエポキシを充填し、ガッチリと硬化したら・・・ホーンを勢いよく動かすと、パキッと音がしてシャフトが軽く廻る様に成るんですが、シャフトのガタも同時に消えるんですなあ・・・。

● お次はフラップホーンと差動の為のサーボのリンケージなんですが、サーボを翼積みにして翼内エルロンサーボみたいにプッシュプルのリンケージにすれば何の問題も起きません。一連の動きが回転軸を介して縦回転するだけですから・・・。ところが本機の場合・・・サーボを横積みすると、幅の狭いスリムな胴体に主翼のサーボが納まりきれなく成るんですなあ・・・。よって横積みは不可能・・・。画像の様に縦積みにすれば、胴体の嵩が高いので充分収まるんですが・・・、今度はサーボの出力軸がロータリーに成るので、左右のフラップホーンに其々アジャスターでリンケージすると差動が出てしまいます。直線運動では無く、一部回転運動が入るので差動が起きるんです。其処で!画像の様な間に入る縦回転の可動体が必要に成りました。此れなら動きはプッシュプルと同じ動きに成るので差動が出なくなりますし・・・。
  
● インナー側の主翼を更に補強して行きます。メインスパー同様にサブスパーにもスパー材とリブ間を塞ぐ補強板を取り付けます。この構造は独立したDボックス構造に成りますので、上面プランクを貼り込むと・・・ハニカム構造に匹敵するほどの、主翼の構成が増します。本格的なハチの巣みたいな六角形のハニカム構造は、ファントムの下半角スタビライザーの後縁側半分の面積に使われています。実機の場合・・・カラー写真で見れば、前縁側はステンレスの金属色・・・後縁側は白いウレタン塗装なので境界が解りますよ。アウターウィングとの結合面のリブは上反角の半分の角度で傾斜しています。短いベニヤのカンザシ板で結合しますので、その周囲をプランク前に補強しておきます。
  
● アウターウィングとインナーウィングの結合カンザシには、二本の短いピアノ線を埋め込んで補強しています。カンザシを入れずにリブの側面同士をベタ付けで接着しても良いんですけど、半練りのエポキシなので硬化中にズレてしまうと厄介ですし・・・。入れるとズレ難い・・・工作上の利便性を優先したまで・・・。結合面はリブ間を狭くしました。本機の主翼はインナー側も抜き面の在るプランク状況ですが、この結合面のリブは上反角設定なので、内側に傾斜しています。この傾斜に合わせてプランクシートを貼ると、プランクシートの接合面の木口は湾曲します。よって、貼り込む前にマチ針で固定して、リブ面に沿ってサンディングしておきましょう・・・。後でプランクする時に合わせ面が綺麗に仕上がります。
 
● アウター側の主翼のリブ組治具を組立てています。主翼の形状を正確に組むには、ちょっとやそっとじゃ変形しない強固な治具を組むことが必要です。この治具の特徴は、主翼下面のプランクシートとリブ組みを同時に・・・尚且つ正確に行う為の強固な治具です。アウター側の翼根リブと翼端リブの下面の形状に合わせて堅木を切り出し・・・此れに沿う形でアルミのアングル材をビス止めしています。

● 堅木の切り出しには糸鋸盤を使うんですが・・・、一台¥3000位で購入出来るプラスチックボディの玩具みたいな糸鋸盤じゃ無理かなァ・・・。ホームセンターで購入出来る,定価が二万円台の糸鋸盤で充分なんですよねえ・・・。その位の価格から本格的な糸鋸盤と言えますけどね。ラワンや松の角材が普通に切れる位のモーターのパワーなら、画像の堅木(ファルカタ集成材)は、苦も無く加工が可能です。

● 何故に翼型に沿って加工するのか・・・単純に考えれば、アルミアングルが翼型に沿って傾いた状態で固定出来るからですよ。事務用クリップで挟んで固定する時に、リブ組の材料は常に翼型に密着し、隙間無くアングル材に接しているので、クリップで挟んでも材料自体には余計な荷重が掛からないからです。捻じり下げを付けない主翼なら、この治具を使ってプランクシートの貼り込みまで出来ますしね・・・。
  
● 此方は捻じり下げ用の治具です。この主翼の構造体・・・リブ材の翼型が、極めて正確な相似形の均等座標で切り出されていれば、捻じり下げの治具台ってのは、こんなにシンプルなんです。メインスパーから後縁の先端、もしくはヒンジラインまでを拘束する治具を作れば良いんです。無理矢理複雑に考えなくても・・・一生懸命他人の考察をネットで調べて、自分の考察としてブログに記載してる人っていますよね?(笑)・・・。かなり専門的な事を書いてるんですが、例題として自分の組立て中のバルサキットを掲載するんですが・・・あれ?、専門的な記述の内容と、製作中のバルサキットの組立状況が何処となくズレてるぞ!って気づいた人は、コメントなんかしませんしね。大概・・・コメントしてる人って、その記述の内容を完璧に理解していませんので、頓珍漢なコメントしか出来て無かったりします(笑)・・・。お互いが他人の考察の鵜呑み組なので、どんどん間違った方向へ進むんですが、其れを観た他のビギナーさん達が、その記述を正しいと認識してしまいます。誰も否定しないので、その間違った知識のまま、初心者さんがベテラン仕様の飛行機を持って飛行場に現れる・・・。その後の展開は・・・怖くて書けません・・・。

● 中央の画像・・・。治具台が捻じり下げ設定なので、リブ組の主翼が何処となく歪に見えてるでしょ?・・・。此れってデジカメのデフォルメ画像じゃ無いんですなあ・・・。翼端側の前縁側が下がって見えるので、歪んだ様に見えてるだけです。さて・・・捻じり下がった主翼のリブ組み・・・何処で捻じれてると思いますか?。捻じれる箇所は、上下のメインスパーです。リブ間の補助板を取り付けても、捻じれるのはメインスパーです。蓋の無い弁当箱を両手で持って捻じったら、意外と簡単に箱が捻じれるでしょう?・・・。あれと同じなんですよねえ・・・。この主翼の構造の場合、前縁とメインスパーを両手で持っても捻じり難いんですが、メインスパーと後縁材側の翼根リブと翼端リブを両手で捻じると、いとも簡単に捻じれます。だから・・・その構造に沿って治具を組めば良いんですよ。後縁側を捻じり上げるから、前縁側がメインスパーを支点に捻じり下がると覚えて下さいね。主翼の捻じり下げとは、この事を指しています・・・。よって弁当箱の蓋を被せる様に、プランクシートを貼り込むと・・・弁当箱もプランク後の主翼も、両手で持って捻じると捻じり難い・・・。

● 主翼に捻じり下げを付けたらどうなるのか・・・。ネット掲示板の初心者グループの間では、翼端失速が無くなるって信じてるモデラーさんが沢山居るんですが・・・。捻じり下げを付けたら翼根よりも翼端側の方の迎角が減るんです。よって、翼根側が失速する迎角に達しても、翼端側はまだ失速の迎角に達していないので翼面には気流が残ってます。よって!エルロンがまだ辛うじて利いてくれるんですなあ・・・。結論として捻じり下げを付けるとどうなるのか・・・。翼端失速を遅らせる事が出来る・・・が正解です。此れが信じられない人は・・・もう間違った知識のままで良いですよ。ご自分の飛行機の操縦には全く影響が在りませんから・・・。F3A競技をやってる人と・・・無動力グライダーでスロープスタントやってる人にしか感じられない程度の挙動ですので・・・。因みに捻じり下げ設定の必要な形状の主翼に、捻じり下げを付けなかった場合はどうなるのか・・・。翼の中央部が失速臨界に達したら、同時に翼端側も失速するので、エルロンが全く利きません・・・。よって着陸アプローチ中なら、エルロンが利かないんだもの・・・当て舵打っても反応しませんので、傾いた側の翼端から墜落します。其れがグランドループで終わるのか・・・側転状態で落ちるのかによって、機体の壊れ方が大きく変わります。合掌!・・・。
  
● 加藤無線(MK)のF3Aのバルサキットには、主翼と水平尾翼の翼端バルサブロックには、幅が2mm程度の深い溝が彫って有りましたね・・・。この溝の中にはキット付属の薄いベニヤ板を差し込み接着する様に指示されていました。此れはバルサの翼端が、加工中・・・もしくは飛行後の直陸時において翼端を擦っても、翼端材が大きく壊れるのを防ぐ目的が有ります。本機の場合も同じ様なベニヤ板を貼り込み補強した状態で、削りを入れて仕上げて行きます。このベニヤ補強を行うと、翼端の最先端までが丈夫に成るんですよ。細かくフィルムを貼ると目立たないんですけどね、飛行場の古株さんはとにかくケチを付けたがるんですがねえ・・・。こっそりと翼端の先を触って確かめたりしてるんですよ。何としてもケチ点けたいから(笑)・・・。
  
● アウターウィングも翼端のブロック材が付く段階まで来ると、完成間近ですね。当工房に肯定的なモデラーさん達からは、メールで良く言われる事があるんですけど・・・、原寸図面通りに飛行機を組立てられるなんて凄いんだそうです・・・。果たしてそうなんでしょうかねえ・・・。じゃあ!メーカーの開発部なんて、もっと凄い事やってるんだけど、何故にメーカーの製品の悪口叩くモデラーが居るんでしょうねえ・・・。でも大多数のユーザーさん達は、メーカーさんには肯定的なんですけどね。むしろ感謝してますし・・・。

● 私の場合は・・・趣味として始めたラジコン模型を、その後仕事にしたんですが・・・。経歴の中に実機の板金職と家具の製造職・看板職・松下電器の白物家電の試作屋職・・・そして関西二大ラジコンメーカーでの勤務・・・此れがその後のカスタム屋稼業に大いに役立ってます。金属加工・木工加工・複合材料の加工等、その組立の為の各種重機の操作まで・・・扱った専門加工重機の数は、はっきりとは数えきれません。そういったハイカラな重機が無くても模型が作れてる訳ですから、本職を持って趣味でラジコン模型を自作してるモデラーの方が、まだまだ未知の能力を秘めてる訳で・・・。たぶん、まだそういう状況に出くわしてないだけで、その内運命的な出会いは、必ずやって来ます。私の能力だけが特殊なんじゃ無くて・・・羨ましがるモデラー全員にも均等に、その時はやって来ます。其れに向かって突き進む努力をしてれば、後は実践あるのみ・・・。技術が身に着けば自ずと知識は後から着いて来ます。何事も継続する事が大事なんですよ。知識は神的レベルに持ってるのに、其れを作り出す技術が無いって人は、困ったちゃんですけどね・・・。
  
● 主翼の全ての結合が終わりました。フラップのホーンも着け終わりました・・・。本機の様な主翼の形状では、振り分けエルロンサーボの延長コードの後入れは至難の業に成ってしまうので、先に入れて固定してからプランクシートを貼りました。問題は数年後なんですなあ・・・。誰かに譲渡する場合、このリードハーネスは必ず新品に交換してから渡すのが礼儀です。その位の事はしてあげないと、貰った方は面倒臭くて飛ばさなく成りますしね。

● ネットのオークションサイトのトラブルは色々と有るんですが、中古の模型飛行機をオークションに出す場合、自分のラジメカは全部外しても・・・この延長コードは新品に交換してから質流ししましょうね。エルロンサーボも付いてるからって・・・競り勝って高額購入したのに、通電してもサーボが動かない場合は、大概の原因はサーボ本体では無く、内蔵された延長コードの劣化による断線です。多分・・・質流しの主さんは、その事を知っていた筈です。サーボも付けて挙げたんだから、購入者が何とかするやろ!って軽い気持ちで出品した筈・・・。実は此れが大トラブルの始まりになる場合が多いです。

● 多分・・・ネット普及後にラジコンを始めたモデラーさんは、ラジメカの耐久性がどの位なのかの基準値が無いので知りません。昭和のモデラーさんは、サーボモーターの耐久性がどの位なのかを知ってますので、サーボが動かない場合の最初の原因は、コネクタの接点不良を疑い・・・次がリードハーネスの断線を疑います。最終的な原因のサーボ本体の基盤不良の選択肢は、最後に位置しています。其れだけ信頼性が高いんですよねえ・・・。よって手持ちのリードハーネスに繋ぎ直したら、サーボは普通に動くとしたら、残りは内蔵の延長コードしか原因が無い訳ですから・・・。出品者がどうして質流ししたのか購入者は察する訳ですなあ・・・。フィルムを貼った・・・主翼も結合された状態の内部から、延長コードを引き抜いて交換する作業は、殆どのモデラーが面倒臭いと嫌がります。諦めて再度質流しもしたく成るでしょうし・・・。

● フィルム貼り完成機を製造した中華の職人さんが、リードハーネスが楽に交換出来る構造にしていれば・・・この飛行機は質流しには成っていなかったでしょうね。本機の延長コードの通り道を組立ての際観た人は多いと思いますが、ほぼ直線に成る様に各リブに楕円の孔を開けてます。画像に見える延長コードのコネクタの先に、新品のコネクタを差し込んだら繋ぎ目をセロテープで巻いて抜け止めとして、エルロンサーボ室側から引き抜いていくと・・・延長コードの交換は可能です。最初から交換し易くする為の処置は、自分で行う為なんですよねえ・・・。今の時代はゼット型コネクタなので、色んなメーカーのラジメカと互換性が利きますしね。質流しの際は新品の延長コードに交換してから出品しましょう。(Part-3に続く