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✈ ZANONIA 2023 (ガルモデル仕様替えオリジナル構造) Part-5

● 本機のラダーのリンケージはテグスワイヤーの両引きです。何故に片引きのピアノ線を使わないのかと言うとですなあ・・・重くなるから(笑)・・・。このテトラのフレキシブルロッド(商品名PAフレキ)の場合、画像左の様にアウターパイプと星形インナーパイプ、更にロッドアジャスターが溶接されたピアノ線ロッド付きでセットされています。何でまたこんなセットなのか、皆目見当がつかない人もいるんでしょうが、多分・・・ほぼ直線引きのリンケージで、軽くスムーズに動ける様にとの配慮かもしれませんなあ・・・。特に大型動力付き飛行機の為の・・・。グライダーならば、機首にモーター搭載のモグラ仕様ならばこのリンケージ構成が完璧とも言えるんですが、無動力仕様のグライダーには・・・特に本機の様に1メートル以上のロッド構成なら、テールヘビーに貢献してしまいますなあ・・・。
● よって、中画像みたいにビスを捻じ込んでアジャスターと連結させた方が軽量には成るんですが・・・。実はデメリットもあるんですなあ・・・。本機の様な団扇みたいなラダーに、片引きのピアノ線の芯無しフレキロッドだと、荷重に耐えられずにロッドが座屈する可能性も有るんですなあ・・・。よってもちッと小さめのラダーやエレベータの舵面位なら此のタイプでも大丈夫だとは思います。で!結論から言いますと、この星形インナーパイプを二本使って、其々そのパイプの中にテグスを通して両引きにした方が安全だとも言えるんです。両引きなので、舵面の風圧荷重も二本のワイヤーで役割分担・・・バックラッシュも無くニュートラルも確実に出せるので当工房のこのクラスの大型グライダーには必ず装備しています。
● 余談なんですが、このテトラのPAフレキのアウターパイプとインナーパイプの数が合いません・・・。圧倒的に黒いアウターパイプの本数が少ないんですよねえ・・・。工房倉庫の何処を探しても見当たらないので、冷静に成ってよくよく考えて・・・一つの可能性に辿り着きました。当工房のパンツのゴム掛けミランダにはⅠ型とⅡ型が存在し、更に翼型の違う4種類の機体が存在します。其の機体の主翼は胴体にパンツのゴムをたすき掛けにて固定する方法を採用しました。ゴム掛け固定って事は、胴体の主翼固定位置の前後に竹棒やらカーボンの棒材を差し込み固定するんですが、其の固定を胴体製作中にやるのか、フィルムを貼り込んでからやるのか・・・確実に固定するなら、胴体上部のプランク前に胴枠に接着してから上部のプランクをすれば、ゴムのテンションに負けて棒材が折れる悲劇には遭わなくなります。
● ところが、今度は被覆をする時に困るんですなあ・・・。特にフィルムの場合が・・・。で!本機ミランダはどう対処したのか・・・。先に胴体内部にこのフレキロッドのアウターパイプを接着固定し、フィルム貼り込み後に竹棒なりカーボンシャフトを通す構造にしたんです。よって、アウターパイプを大量に寸切りして機体に組み込んだのを忘れていました。ミランダはⅠ型とⅡ型更に翼型四種で合計八種類有るんですが、此れはお客さんの要望で翼型を選べる様にしたんですよねえ・・・。全部で40機位作ったかなあ・・・。だからアウターパイプの在庫が少なかったんですよねえ。此のアウターパイプを胴体内部に固定する時は、若干カーブさせて固定するとその中にシャフトを通す時、適度な挿入感があるので抜けてこなく成るんです。そういう小技も使ってましたねえ・・・。

● 胴体の主翼取り付け部分の部品加工です。形紙を作図して切り出し、バルサシートにトレースしてから切り出しました。胴体の主翼前縁部分が106mmありますので、直方の内部構造体の外面から左右振り分けで23mmです。厚さ23mmのバルサシートは特注するか自分で製材するかの話なので物理的に無理です。よって20mmと3mmの市販バルサを組み合わせて23mmシートを作りました。この部材は重心位置よりも機首側なので、ハード系の硬いバルサ(木型に用いるスーパーハードバルサ)を加工して作りました。
● スーパーハードバルサは市販の飛行機製作用バルサとは一線を画す素材なので、木村バルサ等に発注すると揃えてくれますがかなり高価です。多分・・・入手を躊躇うモデラーが殆どなので数が出ません。まあ・・・メーカーさんの開発部の木型製作等では重宝されますが、一般モデラーが購入したとしても、硬い材質故・・・糸鋸盤等の専門加工機が必要になります。厚みのある部材なので、削り出しに無用の箇所は肉抜きして代わりに鉛のミクロボール等を充填しても好いとは思いますよ。

● 此方は重心後部の部材です。後部カンザシの付近の胴体振り枠幅が其々13mmです。よって重心より後方なのでソフト系メディアムの素材を使いました。一番内側の部材は肉抜きを施し、まあ・・・気持ち程度の軽量化を図ってますが、殆どその効果は期待出来ません。むしろ、見た目のビジュアルを重視してる無駄とも言える加工でしょう。全てが内部に隠れるので、完成形からは見えなくなります。
● 此れがガルモデルのザノニアオリジナルキットならば・・・大変重要な部材と成ります。私の様な素人的ビジュアル重視の手抜き加工はしないで下さいね。本機の場合はあくまでも作り易くする為の私的改造だけですから・・・。ただ・・・何年も同じ機体を複製してると、最終的にはこういった私的改造でも、オリジナル仕様の機体完成形とは見劣りはしなくなります。むしろ、此方の方が基準が採り易いので組み立てが楽に成ります。

● 部材を組み込むと主翼の前縁付近で部材込み106mmとなります。この幅が後部の部材まで続くので部材外面は106mmのままに並行配置となります。要するに・・・なんでこういう私的改造を施したのかと言うと・・・主翼の分割カンザシと主翼側の取り付け面を直角にしたかったからです。ガルモデルの数あるスケール及びオリジナルデザインの機体キットにストレートテーパーの主翼が多かったのは、まあ・・・一条氏のモデラーに対する親切心でしょうな。
● 他メーカーのグラス完成スケール胴体の場合も、本機の様なフィレット付きが多かったでしょ?。此れは胴体取り付けのカンザシが正確に直角を出して取り付ける事を重視したからです。よってバルサのキットだって同じ事が言えるんですなあ・・・こうやって作ればグラスの綺麗な完成胴体と同じ外観にはできるんですから・・・。胴体からはみ出した部分は、思う存分逆アールで削り込めば良いんですよ。この部分を部品を組み込んでバルサプランクする方が難しいでしょうね。逆アールの削り出し?・・・彫刻刀があれば出来ますよ。小学校で版画板の削り出しに使ったアレです。
● 義務教育の9年間というのは、その時代において世の中の成り立ちと職種の基本を学びます。よって図工の時間に使う粘土は、焼き物職やら自動車航空機のモックアップ製作時にも使う材料・・・。真面目に楽しく使ってたら、将来の職業時に役立つかもしれません。其れと同じです。趣味の工作でも仕事の試作でも、この義務教育で学んだ初歩的な道具の使い方や其れから生み出される完成品の記憶は残ってる筈です。本機の様な機体加工にも躊躇なく使える技術です。

● 主翼のリブ材作図の前の一仕事・・・翼根側のフィレット部分の基準を作ります。此れが本機の主翼の翼型です。何ともぶ厚くて不細工な翼型に見えますが・・・、この翼型で今まで飛んでたんですよ。実機の五分の一のスケールサイズなので、実機ザノニアの最高速度、時速400キロを体感するには模型機ならば80キロ出ればスケールスピードによって実機みたいなスピードが体感できるんです。本機の速度記録会での最高スピードが時速82キロでしたので、まあ・・・ボーダーラインはクリアって所ですね。
● 実際の翼型は形紙の内側の実線ライン・・・。外側の翼型ラインは翼根側のダブルプランクシートのラインです。実機ザノニアのこの翼根側は複雑な翼型の集合体・・・。此れを簡素化するのにガルモデルの一条氏は、バルサシートの重ね張りで表現する手法を使いました。実際の所・・・この3mmバルサシートの重ね張りの効果で、分割する翼根側の強度は格段に上がってました。見た目は不細工な翼根側ですけどね、ちゃんと理由が有ったんですよねえ。

● 形紙からゲージと成るベニヤリブを作図してみました。この1,5mmのシナベニヤの翼型リブが胴体側に固定されます。ガルモデルオリジナルのザノニアキットでは、この胴体側のフィレット形成を止め、分割主翼の翼根側に全てのフィレット形状を取り付けた為に、胴体側のカーブラインに合わせてかなり複雑に翼根側を削り込む必要が在りました。この加工が大変難しく・・・製作するモデラー諸氏の技量の差が出てしまう結果と成った訳ですが・・・。本機の場合は、この複雑なフィレットラインを胴体側に戻す事によって、主翼側の工作を単純化する事にしました。
● 当ホームページの色んな製作記事に書いていますが、一条氏のキット化する機体は殆どがセミスケール設定機です。作る側のモデラーの負担を軽減する目的で、一条氏のオリジナルな自由な考察で、構造を省略したりデフォルメしたりしています。其れが作る側の広範囲の技量に沿う結果となりました。ラジコン飛行機は飛ばしてナンボのカテゴリーです。実機の完全再現をめざしたキットでは、作るモデラーが苦労してしまいます。実機みたいな流れるラインの胴体から主翼に流れる綺麗なラインを形成させるなら・・・、簡単なお話、サーマル工房みたいにグラス胴体にすれば良いんですよ。
● グラス胴体のグライダーは、昭和40年代から既に存在していました。国内のグライダーキットにもこのグラス胴体は当り前に採用されていたんですが・・・。作るモデラー側がその時代に乗り切れていなかったんですなあ・・・。実際の所、オールバルサキットに比べてグラス胴体を採用したキットは完成形は良いんですが、作る側の技量には最高の技術が求められ・・・失敗すると修復するのが、またまた最高難度の技術が要求されるんですなあ・・・。要するに、グラスファイバーの取り扱いに馴れたモデラーにしか修復できないので、一部のモデラーにしか普及しませんでしたし、このキット価格ってのも市販のオールバルサキットの二倍以上の値段はする訳ですよ。だったら飛ばして楽しむオールバルサのセミスケール機の方に軍配は上がりましたしねえ。
● 本機の場合は一条氏のコンセプトを残しつつ、当工房オリジナルのテイストを加えて構造を変えただけの何でもない機体です。本機に限らず・・・先代モデラー諸氏の製作された名機の復刻をやっとる訳ですが、多分・・・後に続くコピー機が殆どいないってのが、この複雑構造に有るんだろう箇所が見つかれば、迷わず改変・・・。本機ザノニアのキット仕様替え当工房オリジナル構造ってのも、時代の流れに沿って進化したとも言える訳ですよ。ガルモデルのザノニアが初めて世の中に出現したした時代に・・・多くのモデラーさんの工作室に専門的な加工工具の類なんて存在しませんよ。糸鋸盤にしかり、こんぴ~たあ仕掛けの自動加工機なんて夢のまた夢の時代・・・。ラジコン黎明期に誕生したザノニアの復刻版、本機ザノニアの製作記事は、今の時代なら受け入れてもらえる筈です。何故なら・・・その製作記事に関する質問メールの多い事・・・(笑)・・・。観てるだけだったモデラーさんのやる気の一部が表面化すると・・・こうなります。
● 長く記事がストップしてしまいました。まあ・・・世の中、ラジコン飛行機に似せたドローン兵器が使用される度に、こういう個人のカスタム屋さんは謂れの無い誹謗中傷に晒されます。当工房のオリジナル機がどこぞの国のドローン兵器に似てるんだが・・・やら、そういう業者と付き合いが在るんじゃないかとか・・・まあお仲間掲示板で憶測で会話して、その結果当工房に正義感満々で意見書みたいなメールを送りつけて来る便乗組モデラーの残党諸氏・・・。君らの頭の中の考察の方がかなり危険じゃないのかな?・・・。勝手に某国の最悪のシナリオの予測を勝手に作り出し・・・起きてもいない仮想世界を元にその周辺を突き回る行勝手にお仲間さん同士で暴走して、そのストレス発散を正義の制裁として攻撃してくる君たちのおつむの中身がもっと怖い。地球が滅亡するだの・・・世界中が戦争で荒廃したら、その期に乗じて宇宙人が攻めてくるだの・・・何ちゅう訳の解らんメールの内容・・・一々返事するのが億劫になってきたので、そういう類にメールは全て跳ね返す設定を行いました。所謂・・・AIの活用です。お答えは私のAI、アバター君がお相手します。

● 新たに書き直したザノニア2005の原寸図を元に、翼型の再設定とリブ組み治具の作図中です。本機ザノニア2023の主翼は、後期型のザノニアと共通設定なので、今回リブ組み治具を製作する事にしました。一条氏オリジナルのザノニアの原寸図をお持ちのモデラーさんなら、このザノニアの特徴ある主翼の図面に違和感を持たれた筈・・・。何じゃ?このリブ配置?・・・何か解らんけど・・・まあ!ええか!。図面がこうなっとるんやから、其のまま組立てよか!・・・てな具合。本機ザノニアの一条オリジナルのキットを組む為の原寸図には、捻り下げ設定の記述が無かったでしょ?・・・。実は私もその事に違和感を感じていたんですなあ・・・。片翼1500mmもある主翼のテーパー比率は翼端の翼弦103mmに対して翼根側は277mmもあるのに、何で捻り下げ付けんのやろ・・・。そういう設定の記述が無い・・・。
● リブ型を並べて少々弄ってある一条氏のオリジナルであると記載したと思います・・・。実はこの主翼のリブ配置が捻り下げ設定を必要としない構成なんですなあ・・・。あくまでもセミスケール設定の機体なので、実機のディティールを優先せずに、正確に組立てれば必ず好く飛ぶ機体になるので、違和感捨てて其のまま組めば良いんですなあ・・・。ただ、何でそんな設定なんだろう・・・玄人モデラーなら誰しもが其の違和感に疑問を持った筈・・・。まあ・・・もちっと待ってくださいナ!リブを作図すると其の違和感が高性能を約束する安堵感に変化していきますから・・・。

● 画像一番下の翼型に、何やら数値が書き込んでありますが・・・。よく・・・モデラーさんの製作記事に登場する「本機の主翼の翼型は、最大翼厚何パーセントです」って記載してあるでしょう?・・・。この最大翼厚って意味は、画像の翼型の一番高い膨らみって事なんですよ。この一番高い座標が翼弦に対して何パーセントの厚みを持ってますって事なんですなあ・・・。だから、エンジン搭載のスケール機の場合やF3Aスタント機の場合は、最大翼厚15%だの16%なのに対して、無動力のスロープスタント機の場合は最大翼厚9%だの10%だのって記載に成るんです。翼型には完全対称やら半対称やらフラットボトム(翼下面が平ら)等がありますが、最大翼厚は其々存在しています。
● 過去に貰ったメールの中に、翼弦を最大翼厚の数値で掛けたんだけど翼型になりません。長方形の形状しか出来ないと思うんですけど・・・。って変てこりんな文面でしたなあ・・・。翼型のカーブを形成するには座標を沢山作ってその数値を求めなければなりません。このメールの主さん・・・最大翼厚一か所の数値だけで、翼型が作図出来るって思い込んでいたらしい・・・。まあ、初心者さんってこういうレベルなんですなあ・・・。多分中学三年辺りの数学の授業で、連立方程式で数値を求めてX座標とY座標を使って交点を書き記し・・・グラフ用紙に放物線を書いた記憶があるんだが・・・。その授業中は寝てたんかな?・・・。その授業の応用なんですよ。
● 相似形のリブを作図する場合、本機ザノニアの翼型の場合・・・まずは翼弦の10分割を行います。其れを元に座標を求める訳ですが、この座標毎の数値で得られるその地点の翼厚は翼弦に比例するので、結果的に全ての翼型が相似形となります。前縁側のカーブがきつい所は一区間を更に四分割して、座標を作り数値を求めます。山本昇氏のヴェガの製作記事に記載してある比例コンパスを使った翼型の作成記事なんですが、全ての翼型が相似形に成ってる筈・・・。本機の翼型作成の手法は、比例コンパスをもっとアナログにするとこうなりますよ!の説明に過ぎません・・・。

● 左はガルモデルのザノニアの原図です。セピア色に変色してしまって、ちょこっと乱暴に扱うとパリッと破れそうです。よって図面を引き直し新調しています。右の図面はザノニアの翼リブを作図中です。この二枚の図面をよく見て下さいね・・・。メインスパーに対してリブは直角に交わっています。ところがですなあ・・・このガルモデルのキットに付属しているリブ型なんですが、普通のキットとはちょこっと違うんですよ。

● 画像左側は(W1)のリブ型です。矢印位置が最大翼厚になってます。矢印の先端がメインスパーの位置・・・胴体中心軸に直角になる配置です。実はガルモデルのザノニアも同じ配置なんですが・・・。右側の画像・・・矢印の先端(W15)のリブ型の最大翼厚の位置が前縁側にズレています。なんでこうなっているのか?・・・此れがガルモデルのザノニアの高性能たる所以なんですなあ・・・

● この最大翼厚のズレは翼端側(W26)リブで最大15mmも前縁側にズレているんです。この状況って図面の書き間違いとか不良品のキットとかでは無いんです・・・。この歪な形状の翼型なんですが、(BENEDEK 12355B)に一番近い形状です。本来なら最大翼厚の頂点にメインスパーを配置するのがセオリーなんですが、本機ザノニアの場合は位置がズレとるんですよ。ZANONIA2005を製作した当時・・・何でこんなにズレてるのか意味が解らなかったんですが、図面の何処を探しても捻り下げ設定の記述が無いので、一つの結論に達しました。
● もしかすると・・・本機の主翼は弱性の前進翼設定なのでは?・・・ならば、翼端失速は発生し難い前進翼なので、捻り下げ設定が要らないのでは・・・。実際に飛ばしてみた感想は、その失速特性の良さが証明された結果になりました。失速特性が良いというのは、失速した姿勢を保ちつつ・・・素直に機首が下がる状態の事を指します。失速特性が悪い場合は、どの方向へ頭を下げるか解らない状態の事を指します。要するに失速後の機体の姿勢が解らないので、恐怖感が増してしまうんです。場合によっては、行っては成らぬ方向に機首が向いてしまったら、その回復処置が出来ない場合は・・・急降下で自爆させる事も必要に成るんですよ。
● じゃあ・・・何で、そんな面倒臭い工作方法なんでしょうなあ・・・。このザノニアの発売当初から、玄人モデラー氏なら自前の組立治具を使うでしょうし・・・其処までの正確性は必要としなかった一般のモデラー諸氏が、原寸図面の上で組める様に敢えてメインスパーにリブは直角配置!・・・としたのかも知れませんね。左右分割の主翼なんだから、基準となるメインスパーとカンザシ用のパイプが平行なら正確に組み込めたと言えます。あくまでも作り易さを優先した設計なんでしょうね。

● 画像は(アレキサンダー・シュライハーK8=FLAIR製)を組んだ時の主翼の画像です。メインスパーの位置は、主翼の最大翼厚上に配置されています。本機の前縁は胴体の中心線に直角なんですよ。よってテーパー翼なので、当然ながらメインスパー位置は前進翼設定・・・。1対2,5近いテーパー比率なのに・・・捻り下げ設定が指定されていません。いっそアレク君13タイプみたいに、主翼の前縁も前進角設定にすれば解り易いとも思うんですが、アレク君の場合複座設定なので、後部シートに載る教官様の視界を大きく確保する為でしょうなあ・・・。多分・・・教官の座っとる位置辺りが、重心位置なんじゃないかなあ・・・とは思うんですがねえ・・・。因みにアレク君13タイプとは(AS-K13)の事ですよ。
● こういう機体構造ならザノニアもASK8みたいな構造にすれば良かったのに・・・。って記事を観てる平成便乗組のネット博士なら、言いかねないかも知れませんなあ・・・。ただですなあ・・・このアレク君のキットの製作記事見たら・・・その言葉・・・撤回したくなるでしょうなあ・・・金属製の板カンザシにせよ、焼きの入ったシャフト状の丸棒にせよ・・・胴体の中心軸に直角に交わらんと正確な二分割主翼は組立てられんのですよ。

● このアレク君の主翼は、左右の一番リブ同士を板カンザシ入れて結合させなければなりません。よって板カンザシを挿入する角パイプは、必ず一番リブに直角に取り付ける必要が有るんですが・・・、本機のメインスパーは前進角設定・・・。メインスパー自体が一番リブに直角配置じゃ無いんだもの、基準が大変採り難いんですなあ・・・。メインスパーと板カンザシ挿入の角パイプ・・・微妙にズレとるでしょう?・・・。よって原寸大の図面上だけでは正確に組むのは至難の業・・・。自前の治具を作る羽目に成ったんですなあ・・・。よって、ガルモデルのザノニアの場合・・・そういった基準取りが曖昧に成るような構造は敢えて使わず、メインスパーと分割カンザシは、胴体に直角に交わらせる設定にしたのでしょう。これなら基準は取り易い!・・・。主翼に埋め込むカンザシの受けパイプは、メインスパーに対して平行に配置するだけなので調整は楽に成りますしね。

● さて・・・カンザシ受けのパイプの孔を設定しなければ成りません・・・。アレク君みたいにストレートのテーパー翼なら、上反角設定分のみなんで、パイプの入る孔加工は然程難しくは無いんですが・・・。このガル翼の場合は、内翼(センターウィング)の上反角が強過ぎて・・・ストレートの丸棒を使うとなると・・・こういった極端な配置しか出来んのですよ。使ったシャフトは焼き入りスライドベアリングのシャフト8mmです。パイプは肉厚1mmのアルミパイプ、内部を特殊ドリルで加工して内径8,05mmとしてありますので、ガタの類は粗皆無です。ところがですなあ・・・片翼100mm程度しか挿入出来んのですよ。
●後期のザノニアのキットには、片翼95mm程度のカンザシながら、直径10mmのシャフトに対して受けのパイプは肉厚0,3mmの真鍮パイプとしてあったんですが、其れでも画像みたいな極端な孔位置だったんですよねえ・・・。よって、キット付属の図面を鵜呑みにして組立続けると、途中で首を捻る結果となり、最後はぶん投げる図式が待っとりました・・・。このザノニア・・・ガルモデルの前期型・後期型のキットを含めて、製作した自作機合わせると・・・通算14機目が本機(ZANONIA=2023)です。現在はまだ設計の段階・・・細かい部材をどう組み込むかの思案中・・・。材料刻んで部品作っての現在なので、完成は今年中って所ですかねえ・・・。既製品の真空成型器も購入予定なので、今以上に作る模型のクオリティが爆上げするかも知れません。

● ザノニア2023に使ったこの一見不格好な翼型(BENEDEKー12355B・ベネデック)なんですが、色々と調べてたら意外とポピュラーな翼型だった事が判明・・・。上記画像の上側の翼型・・・エアロフォイルの(BENEDEK 6740E・8457E)辺りと座標が酷似しています。どんな飛行機に使うのか?・・・超軽量のハンドランチグライダーなんかでよく見る翼型ですなあ・・・。私が中学時代だから、昭和40年代後期の頃、当時のラジコン技術誌の製作記事として、ガルモデルの一条氏が背負う形のモーターグライダーの組み立て説明をされていました。その機体の主翼の構造が正にこのジェデルスキー翼なんですよ。まあ・・・ベネデック翼の上面座標を使って、ジョージ・ジェデルスキー氏が実用化したんで、一般的にはそう呼ばれているみたいですなあ・・・。
● じゃあ・・・下の翼型はと言うと、ロガロタイプのハンググライダーで多用されている当り前の翼型だったんですなあ・・・。ハンググライダーの操縦形態は、パイロット自身の体重による重心移動なんですが、操縦の仕方によっては機敏に反応する機体レスポンスながら、風速状態が弱い時はのたあ~って感じの亀さん飛行も出来るし・・・。まあ、そういうパイロットの操縦に反応し易い高性能な翼型って事でしょうねえ・・・。じゃあ、何で本機ザノニアに使ったの?って事なんですが、上記画像でも説明した翼厚を確保してカンザシ受けパイプを取り付け易くするのが目的だったんでしょうなあ・・・。キットのプロフィールにはラムロット改と記載してあるんですが、ラムロットの座標を本機の一番リブの翼弦で作図してみたら・・・あれま!・・・最大翼厚はベネデックよりも低い事が判明。此れではセンターウィング9度の受けパイプは、配置不可能だったんですなあ・・・。よってベネデック 12355Bの翼型を参考に、ラムロットと合体させた一条氏のオリジナル翼型として生まれ変わった・・・のかも知れませんなあ・・・。
● 実際に当時のキットを組み立てたモデラー諸氏が、ガルモデルのザノニアは高性能だって太鼓判押してますしねえ・・・。作図して見慣れて来ると、見慣れなかった翼型の歪さが・・・今は当り前の何でもない普通の形状に見えて来ます。フラットボトムの翼型なんだから、上面のアール度合いが色んな翼型に変化してるって事は、やっぱり高性能だって証明されてる様なもの・・・。作図してて思ったんですが、この翼型の最大翼厚は12%弱・・・。無動力のグライダーに使うって事は、スピードよりも浮き重視・・・。ショックコード用のフックも表記されてたから、グランドサーマル飛行でも高性能さが充分約束されていたんでしょうなあ・・・。(Part-6に続く)