ZANONIA 2023 (ガルモデル仕様替えオリジナル構造) Part-7

  
● 本機製作に当たって・・・主翼の組み立て台を新調しました。木枠二枚は使い回し・・・一枚は木枠毎新規で組立てました。複雑で大掛かりな治具を使いませんが、この台は他機種にも使えるので新しくした次第です。台のサイズは910×400mm・・・本機ザノニアの内翼のスパンは片翼440mm、外翼は1060mmです。あれ?可笑しいぞ?・・・寸法足らないじゃん!・・・ご指摘も有ろうかと(笑)・・・。本機の(25)番リブは、外翼の翼根から900mmの位置に取り付けます。よって組み立て上何の支障も出ません。更にお隣の(24)番リブは翼根から840mmの位置です。よって(25)番リブが組み立て台からはみ出していても・・・何の不具合も起きません。二枚のリブを合体させたのは別の目的なんですが、こういう場合にも応用が利くんです。

● 古い昭和のラジコン技術誌をお持ちのモデラーなら、紙面記事を多く書かれた(片岡正美)氏をご存知の筈・・・。厚さ30mm・・・910×1820mmの発泡スチロールの板から、直径1メートルの円形の板は採れないと普通の人なら考えますが、エレボン動翼分を後から足せば直径1メートルの円形の板は採れると説明しています。その記事を呼んだ私は成る程なあ~・・・って思いました。よって本機製作の組み立て台にも同じ発想が出来る訳ですよ。先人の知恵を上手く利用させてもらうと、こんな発想が出て来るんです。まだまだ、面白い工作物が沢山出て来ますよ。
 
● 何時に成ったら主翼の組み立て始まるんですかァ~?・・・。ってなモデラーからのメールが・・・。其れが国内からじゃ無いんですなあ・・・。メールの差出国はユーロ圏内。メールの内容を翻訳すれば、日本国内のお友達から譲って貰ったのが、一条氏ガルモデルのザノニアキット・・・バリバリの化石キットです。ところがバルサの材質劣化が激しく図面を元に自作する事にしたんだが・・・、自分の作風とキットの構造が合わないので、ネットで探し回ったらイタリアのモデラーから当工房のページを紹介されたんだそうで・・・。このモデラー氏のページを観たら、あれま・・・国は違えど同じ香ばしさのあるコンテンツの内容に当工房も感動・・・。それ以来のお付き合いで・・・。

● 年齢は私と同じ・・・元軍人さん。模型歴は私と同じ半世紀。更に年齢同じで、誕生日は同じ月で私の方が三日早い。中学時代にラジコンに目覚め・・・ラジコン技術誌は地元の模型屋さんで何時も観てたんだとか・・・。まあ、私と同じラジ馬鹿さんらしく、山本氏のベガ記事で頭を悩ませつつ大人に成り・・・其れでもラジコン続けたら、当工房を見つけたんだそうですなあ。私みたいな病的ラジ馬鹿は世間から阻害される異端児なんだろうかと本気で悩んだ時期もあるが・・・、彼の出現で同じ感性を持つ仲間が居たって事が解り、ある意味安堵感が芽生えました。

● ラジ馬鹿と言えば古巣のトムさんも同属種かも知れませんなあ・・・。半世紀前のOK模型は先代(故高松守氏)の時代・・・。当時のトムさんは中学生・・・。会社の当時のグライダーを自分で組んで、弁当片手に自転車に乗って生駒山に登り飛ばしてたってんだから・・・。やってる事俺と同じじゃん!・・・。模型屋の親父という後ろ盾があるのに、車で連れて行ってもらうんじゃなくて、自分の足で動く・・・ってところが共感もてるんですなあ・・・。昔からOK模型の製品は素晴らしかったですなあ・・・。当時はエンジン式ラジコンカーの時代・・・。色んなメーカーからラジコンカーが販売されてました。しかしながら、まあ・・・フリークレベルに特化したラジコンカーは、値段が高かったですもんねえ・・・。ラジコンカー二台分で新車の原チャリ一台が買えた時代・・・。

● そんな時代に万人に向けたラジコンカーを販売してたのが、京商とOK模型・・・。当時の模型屋さんは、ラジコンカー入門だったらこの二つのメーカーを薦めてましたしねえ。この京商から発売されたのが09エンジン搭載のピーナッツバギー・・・。このクルマ、独特のベルト駆動でバック操作も可能だったんですが、走らせ続けるとミッション系のシャフトが荷重に負けて曲がってしまい・・・ベルト駆動が上手く働かず走行不能になってしまいましたなあ。一度曲がったシャフトを真っ直ぐ修正しても、また曲がるクセが付く・・・。其の内諦めて捨てたモデラーも多かったって聞きましたね。オプションとしての部品も用意されてたんだけど。単品の交換じゃなくて余計なユニット一式だったので、値段が高くて・・・子供のお小遣いじゃ買えなかったかなあ・・・。数か月待ちってレベルだし、小遣い貯めてが必要なんだが・・・毎月発売のラジコン技術誌は購読したいしねえ(当時¥280)・・・。当時の同年代なら、お小遣いは月に¥1000位かなあ・・・。

● 時期は一年ほど後に成ったんですが、同じ09エンジン搭載の京商と同じくバック走行が出来るラジコンカーが、OK模型から発売されました。此方の駆動形態はギヤ式・・・。ユニットとしての構造はよく似てたんだけど、とにかく堅牢で壊れない・・・。スピードビルトって商品名だったかなあ・・・。今思い返せば、OK模型の製品は万人向けの性能を有した総合的な路線でしたなあ・・・。遊ぶ楽しみってのが充実してましたなあ・・・。社内のスタッフ達も・・・其れを取り囲む周りの協力会社も・・・振り返ると、私にとっては良き師匠ばかりなり・・・。冥途の土産に持って行く記憶としては充分過ぎますなあ・・・。

● 前置きが長く成りましたが・・・、上記の部材もそういうOK模型の製品の流れを汲んでいるとも言えますなあ・・・。本機ザノニア製作には必要な治具として機能します。本来ならレーザー加工した方がもっと正確な治具には成るんですが・・・。画像観ただけで、此れがどんな形状に成るのか・・・そして、どんな治具なのか・・・。其れを一発で理解してるのは社長のトムさんくらいでしょうなあ・・・。現時点では・・・。
  
● 部材を切り出し調整中です。トムさんの会社から購入した今回の3mmベニヤは、流石!精度が良い良質の部類に入ります。半世紀以上昔から、ベニヤの部品を上手くバルサキットに組み込んできたメーカーなので、ダイカットしても綺麗に正確に・・・そしてダイカットの打ち抜く刃先にも多大なる負担を掛けない良質のベニヤです。糸鋸盤の回転数を落として切っても木口の綺麗な事・・・。サンドホルダーの当たりも良いので削り出しも楽でした。
  
● 部材の先端が不揃いなんですが、此の先端部分はあまり重要じゃないんです。むしろ凹んだ部材の収まる内側の寸法が不揃いだと、治具としての構造が成り立ちません。先端の不揃いは、構造体を組み上げると削り落としてしまうので、治具の精度にはほぼ影響が出ません。先端を黒く着色した部材は、黒い方が前縁側に成る事を示しています。今回の治具は、左右の主翼の組み立てに使うので、治具も左右対称に組立てます。其の為に・・・二枚のベニヤを切り出す前に裏面同士を重ねて釘で固定しました。模型業界のキット職人さんなら当り前の工作手順です。
  
● 当工房で一番平面精度の高い、鉄骨チャンネル材の上で、接着剤を入れながら組立ています。鉄骨定盤の上で組んでいる部材が、今回の治具では一番精度の必要な構造体なので、細かい調整を行いながらかなり慎重に組立てます。左右対称で部材の上部が傾斜していますね。此れが本機ザノニアには必要な治具なんです。大掛かりな治具を使わないのが、今回のコンセプト・・・。ひ弱な構造の治具では駄目なんですなあ・・・。もっともっと頑丈に成っていきますよ。
  
● 治具の天板を取り付けました。本機ザノニアはガル翼です。更に翼型はラムロット改・・・翼の下面はフラットボトムなので直線です。もう、お解りですかね?・・・。この治具は内翼と外翼の結合部を、左右の主翼の下半角を正確に出す為の治具なんです。天板の前後が治具の構造体から延びていますが、此処はクリップで挟む部分・・・。天板の上部が二か所ずつ抜いてありますが、この部分も特殊なクリップで主翼を固定する為の抜き孔です。治具はまだ完成ではありませんよ。此れではまだ主翼の構造体に負けてしまいます。トムさんならご存知の筈・・・。トムさんを知ってるモデラーさんなら、聞いてみると良いですね。治具に関しては妥協を許さないOK模型の社長さんですから・・・。
 
● 4mm厚のシナベニヤが有ったので、治具の底板として取り付けます。この前の段階では一応天板は貼り込んでますが、真ん中が切れてる状態です。スパン方向に捻ると簡単に曲げられます・・・。この捻じれを拘束しないと、拘束治具として機能しません。実機F-16ファイティングファルコンの胴体側面から主翼・水平尾翼と逆アール出延びる迫り出し部分・・・ブレンデッドウィングと言うんですが、内部構造は複合材料のキュービック・ハニカムと成っています。そのハニカム構造を逆アールに加工してあるんです。何でアンタが知ってるの?・・・昭和56年の秋の航空祭に、当時韓国に駐留していたアメリカ軍の基地から飛来して、我がAFR(機体修理分隊)の入る第三格納庫に入庫しましたので、まじかで観望する環境に有ったんですよ。

● このキュービック・ハニカム構造は、もしも・・・逆アール状に加工されたとして、加工した面を覆わなければ荷重が掛かると簡単に捻じれます。当時のF-4ファントムのスタビライザー(全可動の水平尾翼)の後半分は、テーパー状に加工されて特殊な接着剤を使ってアルミ板を貼り込んでありました。多分・・・F-16も同様の接着剤を使用して、逆アールに加工されたアルミ板を貼り込んでいたと思われます。要するに・・・大きなハッチ等があるにも関わらず、その構造を維持できたのはこのハニカム構造と其れを覆う外板としてのアルミ板にある訳ですよ。その構造を一部今回の治具に組み込むとすれば、この底板は必然的な部材と成ります。
 
● 使用例としては、画像の様に配置します。本機の主翼の各部材の角度は・・・まず、内翼の胴体側、主翼の下面で上反角9度が付いています。次に内翼と外翼の結合部・・・外翼の主翼上面で上反角2度を設定しました。エルロン付きの機体としては、運動性を邪魔しない自律安定を保った上反角設定です。テーパー翼なんですから、翼端方向に翼弦も翼厚も短く薄く成って行きます。よって外翼の下面にも上反角が付くんですが、内翼の上反角と合わせると、このザノニアの翼下面の角度設定は174度となりました。この拘束治具の外翼側の傾斜・・・6度に設定しました。其の傾きを其々のリブユニットにも設定して構造体にしてあります。
 
● エポキシ接着剤を使って床板を貼り込みます。このエポキシは2時間硬化タイプなので、本日の作業は一時中断となります。二時間硬化にはある一定の条件があるんです。ある程度の湿度が低く、高温状態なら額面通りに二時間で硬化が始まるんですが、当工房の工作室はエアコンをガンガン廻して室温24度で作業中・・・。更に茶の間件寝室のエアコンはぶっ壊れて動きません。寝室はこの工作室の空きスペースに毛布三枚重ねて敷布団とし・・・大の字で寝ています。よって、室温が高原のパラダイス並みに低いので、何時硬化するのか予測不能状態です。よって、本日の作業は終了・・・果報は寝て待つ事にしましょう。

● 本来なら重石代わりは飼い猫さんとお友達の野良さんに頼む所なんですが、二人して夜間のパトロールに出てしまい・・・居りません。よってバックナンバーのラジコン技術誌に代役をお願いしました。今年の夏は夜も熱帯夜・・・其れも異常な位に暑いですなあ・・・。よって、生ものの腐るのが異常なまでに早いです、そうそう・・・当工房は、私が70歳になるまでに九州電力とは縁を切るつもりです。高齢者の年金暮らしなのに自殺行為か?って思うでしょうなあ・・・。でもですなあ・・・電気料金はこれから先にはどんどん高騰する気配・・・。現在一人身の年金生活者は、手加減無しの電力料金請求に怯えてなるべくエアコン使わず、この猛暑を乗り切ろうとして失敗・・・熱中症で救急搬送が後を絶ちません。

● 私も一人身の年金生活者・・・。まだ、バイトで食い繋げる年齢なので70歳に成るまでに電力会社とは手を切って、自家発電システムを構築します。都合の好い事に、生前の親父が我が家のオール電化を目論んだので、我が家のサーキットブレーカーは300ボルト仕様です。よって基本料金だけでも馬鹿みたいに高いです。ならば!ソーラーパネルと風力発電を併用すれば・・・我が家の一人分の電力なんて簡単に作り出せるんですなあ。

● ソーラー発電に関しては工事費込み数百万円の屋根置き発電システムなんか愚の骨頂・・・。ペロブスカイトソーラー発電なら、窓ガラスにフィルム状も発電機を貼り込むだけで良いので、メンテナンスは大変楽でしょうね。風力発電機は縦に回す風車ではなく、横に回す小型の風車です。一基辺りの価格も十数万円なので、数か月ごとに数を増やしていけば充分間に合いますなあ。更に・・・全個体型リチウムイオン・バッテリーで蓄電容量は大幅アップ。とにかく私の寿命を逆算すれば後15年分の発電能力が有れば好いんですよ。

● そんなに上手く事が運ぶのか?って思うでしょう・・・。我が家の造りが其れを可能にしてるんですなあ・・・。我が家は海岸の一戸建て・・・窓ガラスは全てアルミサッシで東側、南側、西側に集中しています。ペロブスカイト発電機の特徴は、ネオンの灯りでも発電出来る事・・・よって昼間はもとより、夜も街灯の灯りで微弱ながら発電出来ます。風力発電に関しては、海沿いのブロック塀に数基の小型発電機を並べれば良いんですなあ・・・。海風が絶え間なく吹き捲るので、24時間発電してくれます。まあ・・・其れなりのメンテも必要なんですが、自分で何とか出来る範囲の装備で老後を乗り切れば好いんですよ。

● 大容量の温水器・・・冷蔵庫・・・冬場の暖房器具にエアコン・・・模型製作に必要な重機の電力と、全部一括するからブレーカーが落ちるんですなあ・・・。其々に分割して蓄電用バッテリーと起動用バッテリーに分ければ良いんですなあ・・・。模型飛行機もどんどん作りたい反面、この自家発電システム構築にも興味が湧いてなりません。まあ、我が町を巻き込む大災害が夏場やら冬場に発生して長期にわたる大停電が起きたとしても・・・我が家だけは蚊帳の外。その場に成ればそれ相応の妬みやら嫌がらせも起きるかもなあ・・・。まあ、地元の役所からシステム自体を没収されて、避難所で皆で使うからと取り上げられる可能性もあるなあ・・・。我が町の住人の悪い所・・・他人にやらせて結果だけ拝借する所が気に入らないんですなあ・・・。よって、なるべく世間にはバレない様に我が家エリア51地区で、密かに計画を実行するでしょうなあ。
 
● 治具台の前縁と後縁側に其々三角板を取り付けて反りと撓みを防止しました。治具というのは別名動かざる毎山の如し・・・ということわざがピタリと当てはまります。フニャフニャしてたら意味が無いんです。当工房の治具を少し変えて自分のページで紹介しているモデラーがいますが・・・構造自体が弱くては治具には成りません。治具の意味をもう一度詳しく理解してから製作して下さい。

● 単純に頭の良いモデラーさんは、一種類の機体製作にしか使えないのに大袈裟な治具を作っても無駄じゃないのか?って思うでしょうなあ・・・。ただ・・・もっと頭の良いモデラーなら、この頑丈な治具にアダプターを取り付けて嵩増ししたら別機種にも使えそうだなあ・・・って考えます。そう判断したのなら、其れが大正解ですよ。当工房のオリジナル機種であるアーリーバード165シリーズの原型となったオリジナル機は、このザノニアの上反角と下半角の設定を使ったスパン3200mmの大型機です。今回はザノニア製作の為に治具を新調しましたが、この治具にアダプターとしてのアーリーバード用治具を重ねたら・・・今度はアーリーバードの主翼が正確に結合出来ます。そういう新たなる付加機能も使える様にした単純な構造の治具です。

● ただし!・・・今のままではまだ・・・OK模型のトムさんは首を縦には振らんでしょうなあ・・・。治具の基本は三点拘束と言われるお約束が有るんですなあ・・・。どんな構造物を治具に固定して組立てる場合でも、二点拘束では役不足・・・必ず何処かの部材が歪むので正確には組立てられんのですよ。実機の場合の治具も同じです。三点以上を拘束するのが基本です。昭和に存在した老舗のラジコン飛行機キットを製造したメーカーさんは、胴体の中にその治具と成る三点拘束の機能を組み込みました。平成のラジブームに成って、この基本である三点拘束を無視した俄かメーカーが沢山出来ました・・・。安くて目を引く機体に多くのモデラーが飛びつきましたが、その仕上がりは皆さんバラバラ・・・。よってある人にとっては素晴らしく良く飛ぶんですが、ある人にとっては全く飛ばない飛行物体にしか成りませんでした。

● この三点拘束治具を確実に活かしたバルサキットが、OK模型のQB(クイックビルト)シリーズなんですなあ・・・。自衛官時代の基地内ラジコンクラブで、隊員50名近くの誰もが、このクイックビルトの機体を持っていました。上官が部下にこの三点拘束の基本を教えて組み立てるので飛ばない飛行機には成りませんでした。自衛隊の戦闘機にはどんなに機体がバラバラに成っても、絶対に狂わず残る三つのホイスト部品が組み込まれています。このホイスト(ネジ山の孔)に治具を取り付けて、機体を元の姿に戻していくんです。其の簡素化された機能がOK模型のクイックビルト機には組み込まれていたんですなあ・・・。まあ・・・その機能に気づいていたのは、極少数のラジ馬鹿モデラーのみだったのかもしれませんなあ・・・。

● 上記の治具はまだ二点拘束なんですなあ・・・。此れでは社長のトムさんは納得しないでしょうなあ・・・。三点拘束にする為のもう一工夫・・・組み込まねばなりません・・・。其の為には床板を頑強に貼り込んで、治具自体の強化を図らなければ成りませんでした。三点目の拘束には、治具自体の頑強さが絶対条件なんですなあ・・・。まあ・・・今さらって言うのもなんですが、当工房のカスタムグライダーには、このホイスト構造が胴体と主翼には最初から組み込んであるんです。よって機体が壊れた時にお客さんからの修理の依頼があれば、このホイスト機能に専用治具を取りつければ正確に元の姿に戻す事が可能です。実機の板金屋だったので・・・そういう機能も当り前の事だったんですよねえ・・・。
  
● 本機治具の三番目の拘束部品を作ります。PVC樹脂の角棒を35mmの長さで切断します。中央の孔はタップを切って3mmビスを捻じ込みます。傾斜の付いた部品は、斜角6度に設定しました。今回の長ビスはナベ頭(ユニバーサルヘッド)の3×50mmです。このヘッド面を下にして更に5mm嵩上げします。木部の嵩上げ部材とPVCのブロックは接着してあります。このブロックにはねじ山を切ったので、捻じ込んだビスは回らないと抜けて来れません。更に嵩上げした部品がストッパーに成るので、ビスが抜ける事もありません。
  
● 傾斜させた部品は、拘束治具の傾斜した面に垂直に成る様にする為です。この部品は治具に接着はめ殺しでは無く・・・ベース板には接着しますが、治具床板にはビスで固定します。何故半固定にしたのか・・・このベース板はサイズが規格品として作りました。今後何十枚も増えるでしょう。場合によっては上反角無し・・・もしくは上反角付きの主翼の結合の際、アダプターを取り付けるので、ビスは短くしないと取り回しが難しくなります。其の為のビスによる固定です。
  
● 治具の床板側から、座標を採って孔を開け皿を取りました。取り付けには2,6×12mmのタッピングビスを使いました。よってベース側は1,5mmの下孔を開けて捻じ込んであります。治具の床板が平面に成る様に皿頭(ディッシュヘッド)を使いましたが、捻じ込んだ先の内部部品が重要なので、同種同サイズのビスであればナベ頭のビスでも良いと思いますよ。何で皿ビス使ったのかって?・・・ネットユーザーにはへそ曲がりの人も居るからですよ(笑)・・・。「治具の床下の出っ張りが、違和感だらけで生理的に不愉快です。気に入りません!皿ビスにしてスッキリ平面にして下さい!・・・。」ってな類のメールも過去に来た事があるもんで・・・(爆笑)・・・。

● この類のメールの主さん達は、ビスには何故ナベ頭と皿頭が存在するのか事情を判ってないのかも知れませんなあ・・・。今回使用した床板はシナベニヤの4mmなんですが、もし別の材質・・・1mmのアルミ板とかだったら、2,6mmの皿頭のタッピングビスは使えないんです。皿の深さが1mmを越えるとアルミ板に同じ角度の傾斜の皿を取ると、孔のサイズがビスの直径を越えて大きくなってしまうからですよ。此れに皿ビスを締め込んでも、アルミのお皿の縁部分の僅かな面でしか固定しないので、結果的に強度は無いに等しい。よって厚さ1mmのアルミ板の場合は、ナベ頭のビスの方が正しい使い方と成るんです。

● 因みに・・・プラスヘッドのドライバー(ネジ回し)にも大きく分けて二種類の先端が存在します。先端が潰れて丸く成ってるのがフィリップス型・・・先が尖ってるのをリード型と言います。よってネジ側にも大きく分けて二種類のプラスヘッドが在りますので、使い分けが必要に成ります。因みに荷重の掛かる部品の取り付けにはフィリップスヘッドのネジ頭・・・精密部品のたくさん詰まったボックスパネルはリード型と覚えれば良いでしょうね。例えば航空機の場合・・・機体外側のアクセスパネルの場合は、直径の大きいビスやボルトが多いのでフィリップス型の皿頭が多く、コクピットの操作パネル等の通称インパネ関係ビス自体が細くて頭が小さいのでリード型のドライバーを使います。

● どんなに安いドライバーセットにも、この二種類の先端を有するドライバー(ネジ回しセット)が入っています。ビスの先端を上から覗いて・・・中心に平面らしき空間が見えたらフィリップス型のドライバー・・・先端に平面らしき空間が見えないネジはリード型・・・ドライバー(ネジ回し)は使い分けましょう。因みに・・・フィリップスのネジ頭のビスにリード型ドライバーを差し込んで廻そうとしても、確実に荷重を掛けての締め込みと緩めは出来ませんリード型のネジ頭にフィリップス型を差し込んでも、頭が滑って何れネジ溝が摩耗して緩める事も閉める事も出来なくなります。手回しよりも最近はインパクトドライバーを使う場合が多いので、ネジの種類に合わせてドライバー側の先端を変えないと・・・ねじ山が壊れて作業性が悪く成ります。

● 更に最悪の状態・・・ねじ山が摩耗して緩められない場合はどうするのか?・・・。ボルトクラスの直径が大きいネジ頭の場合は、ビスの中心に直径よりも小さいドリルで孔を開けて逆ネジ仕様のタップでねじ山を切る要領で荷重を掛けて外します。さあ・・・此れが航空機の場合はどうするのか。オマケに皿頭の場合・・・検査隊の新人整備士さんのインパクトドライバーの使い方が下手くそなので、数十本もねじ山潰して修理隊の私の部署にビス抜き要請してきます。幾つか外す方法は有るんですが、究極のビス抜き手順がビスの先端にドリルで孔を開けて、超硬派の四角錘の先端ビットを叩き込んで専用十字ドライバーで廻す方法があります。多かったのが主翼の下面パネル・・・。翼内の燃料タンクに孔を開けない様に特に慎重に・・・ビット叩き込んで下から主翼を持ち上げる・・・ジャッキで持ち上げてる機械のメーターが振れる位の持ち上げ力ならビスは回りますよ(笑)・・・。当工房の主はこの修理隊の機体修理分隊(AFR)の所属でした。定年まで勤め上げる場合、リタイヤする時は総入れ歯に成る可能性も在る・・・。歯がガタガタなんだも・・・。(Part-8に続く)