VEGA-Ⅲ型 (No-14) 山本昇氏オリジナル設計機 Part-2
          
● Ⅲ型(No-14型)のアウトライン三面図が仕上がりました。此の機体もリブ間のピッチは60mm・・・。中々いい形してるでしょう?・・・。其れとですなあ・・・。突っ込まれる前に言っときますね。エレボン動翼を目ん玉二個分でよ~く見て下さいね。何となく違和感が有るでしょう・・・。法則に反する様な動翼の姿・・・。あれ?・・・翼根よりも翼端の方が動翼の幅が広いんじゃね?・・・。あ!バレたか・・・。でもですなあ・・・山本機がこうなってんだから、此れで良いんじゃね?・・・。捻じり下げたら良く利くぜえ・・・。

● 他にも有るぜい!確か縮尺五分の一って言ったよなあ・・・。2mmバルサのリブの筈じゃないかあ!。何で幅1mmで引いてんだよ!。広過ぎるだろ!。って聞こえて来そうですなあ・・・。でもね・・・此れで良いんだなあ・・・。当工房のオリジナル機を知ってりゃ納得ですぜい・・・。当工房のオリジナル機は、バルサとベニヤだけの飛行機ばかりじゃおまへんやろ?・・・。リブが5mmのスチレンで構成された飛行機も有る・・・。よって原寸大にする時に、どちらでも作れるでしょうが!。2mmバルサのリブの時は、左右振り分けで幅5mmのリブキャップを被せてるし、厚さ5mmのスチレンなら同じ幅のリブキャップを接着するし・・・。汎用性を向上させるなら、こういった裏技も使ったら良いんですよ。個人の楽しみだから・・・。
          
● (1)で記載した製作記事の三面図を観ながら、この画像を観て下さいね。図面上の搭載メカの位置・・・何か不思議に思いませんか?・・・。メカはキャノピー後部に全て収まり・・・専用ハッチで事足りてるのに、何でキャノピー本体には脱着可能な実線が示してあるのか・・・。此の疑問なんですが、記事の中に詳しい説明は無いんですが・・・、このキャノピーは羽目殺しにせよ!って記載してます・・・。このキャノピー直下にはメカが一切搭載されておりません・・・(爆笑・・・)。でもですなあ・・・記載されてないんですが、最初のテストの時は必要なんですよねえ・・・。何故かって?・・・。この三型の尾翼後部の下面にはバラスト室が設けてあるんですが・・・。

● 今の時代ならエレボン作動には電気ミキシングを使うので、駆動サーボは其々完全固定でも良いんですが・・・。このオリジナル機では、エルロン駆動のサーボがエレベータの動きも兼用します。よって50グラム近い重りが前後移動するって事なんですなあ・・・。動く範囲は然程大きく無いんですが・・・微妙にピッチング軸がシビアに成って来るんですよねえ・・・。飛ばし込んでると・・・。要するに・・・メカの移動が不可能に近いので、細かい重心調整が必要です。此れも個人の飛ばすクセによる調整が必要になるので、テスト初期の段階ではコクピット内にバラストを積んでピッチ軸の調整を行っていたと思われます。飛ばし込む内に調整が済んだので、強度確保の為にエポキシでガッチリと接着固定してあるのだそう・・・。

● 現在の所・・・本機のメカをどう搭載するか決めておりません。スライドリンクを作ってクラシカルな動きを再現させるか・・・。近代的な電気ミキシングにするか・・・。もしも後者ならば、リンケージの簡略化の目的でエレボンサーボは其々主翼に納める事になるんですが・・・。今度はリードハーネスが機体の中を長距離で這いずり回る事に成ります・・・。よってリンケージロッドの誤動作を防ぐならば、プッシュロッドはなるべく短い方が良いんですが、今度は重心が合わなくなります・・・。なるべく余計なバラストは積みたくないので、そうなるとコクピットにメカの中で最大のバラストに代用できる受信機用バッテリーの搭載を納める口実が出来るんですなあ(笑)・・・。よって充電する時は、キャノピーを外せるし・・・何故かコクピットの中身に拘りたい・・・。
          
● Ⅲ型の原寸図面を引いてます。一応アウトラインは引けたんですが・・・この機も例に漏れず・・・用紙に入り切れませんでした。此のままでは資料不足ですので、別紙に原寸大の主翼構造のみを書き記さなければなりませんなあ・・・。胴体の側面形は意外と単純ですし・・・胴体の最大幅は80mm近くありました。
          
● 主翼の後縁から大きく後方へ延びた特徴ある垂直尾翼ですなあ・・・。何でまた・・・此処まで延ばしたのか・・・。150mm以上有るんだが・・・。機体が小さく見えたから尾翼で大きく成る様に設計し直した!・・・って訳じゃ無い様だ・・・。テールモーメントの長い飛行機は、ヨー軸による直進性能が向上する・・・。低くて長い垂直尾翼は、高くて短い方よりも直進性が劣るので面積を増やした・・・と考える方が正しいかもしれませんな・・・。我が家の団扇よりも面積が大きいですよ。
          
● 鋭角デルタのⅢ型の原寸大主翼を作図しています・・・。さて!・・・後退角度が57度なので、対角が33度です。直径が200mmの分度器を以てして作図中なんですが・・・目盛り33度に印を付けてイザ!直線を引くぜい!・・・さてさて・・・正確な角度で鋭角デルタの直線が確実に引けるのか・・・。まあ・・・其れを検証する公式を義務教育中に習ってましたね(笑)・・・。
          
● 果たして・・・この短い目盛りの位置で鋭角デルタ翼の前縁を・・・其れも対角線引いてるのと同じだから1000mm近い先まで正確に引けるのか・・・。「定規が正確な直線なら可能!・・・。」って頭の良い博士なら言うだろうなあ・・・。でも・・・最初に記した33度の目盛りが僅かにズレると、約10倍の距離だから十数ミリズレる危険性も有るんですなあ・・・。だったらもちっと正確に・・・。義務教育中の九年間・・・真面目に勉強してて良かったなあ・・・ってつくづく思いますなあ(笑)・・・。
          
● 任意の角度で線を二本引いて・・・ってヤツやりませんでしたか?・・・。此の場合は33度に指定してますが・・・。右の目盛りが支点です。その左側130mmの位置にもう一つの目盛り・・・。此の位置の決定なんですが、300mmの定規で直線を引いたら・・・丁度この位置で方眼紙の1mmマスの交差した線上と重なってました。その位置が縦方向85mmです。仮に底辺から直角の線を上方に引けば、直角を含む三角形が出来ます。さて・・・此処からが本題・・・。
          
● 更に目盛りを延長します。最初の目盛りと等間隔の130mmの位置に再度目盛りを入れ・・・其処から垂直に線を引きます。最初の目盛りが垂直縦方向に85mmでしたので、今度はその倍170mmの位置に印を付けます・・・。此れと同じ動作を繰り返して行けば良いのです。そして全ての交点を定規で繋げば・・・検証込みでの直線引きの完了です。更に・・・もう一つ付け加えるならば・・・翼端リブ側の寸法も縮小図面から算出し、その交点と合致すればOK!・・・。もし合わなければ最初に記した33度の目盛り位置が僅かにズレているので、再度引き直し・・・。ただ・・・今回は翼端リブの寸法の交点が解っているので、修正は楽ですなあ・・・。だったら最初から翼端リブの寸法を拡大すれば良いやんか!って博士は天野ジャッキーなメールを送って来ますが・・・縮小図面の1mm未満の目盛りなんか、正確には測れません。0,5mmの目盛りの右側か・・・左側か・・・ってレベルでしか測れないんだから・・・。それじゃあ検証に成らんでしょうが!・・・。お前ら!島原弁ラジオ体操第一ば、やらせるバイ!。方言も解らんと正確な体操動作も出来んやろ!・・・。横着モンがあ!・・・。
          
● 任意の角度に交わる・・・二本の平行な線で形成される三角形は、全て相似形である!・・・ってヤツですな!・・・。此の応用なんですが、この作図では底辺側が主翼の中心線です。対角上の線は主翼の前縁・・・。よってこの中心線に平行な線を引くと、この大きな三角形は相似の台形をリブの枚数分形成していきます。飛行機のテーパー状の主翼は言わば三角形と同じです。前縁と後縁を翼端側に延ばして行くと・・・何れ交差します。この二本の線に交わる平行配置の何本もの線が翼リブ・・・。翼端を任意の位置で翼リブに合わせてぶった切れば、其処が翼端・・・。此の法則が外れていなければ、主翼の中心から翼端方向において形成される四角形は、全て相似の台形と成ります。・・・何を今さら・・・幼稚な事書いてんなあ・・・って博士の皆さんは陰口叩いとるんだろうが・・・こういった基本を義務教育で好い加減に聞いてるから、博士の作るセロテープグルグル巻きのスチレンEDF機は、真面に飛ばないんじゃないのかい?・・・。手投げ発進直後にとんぼ返りィ?・・・。主翼の基本的な重心設定が間違っとるがな・・・。実機の完全スケールだし・・・重心はメインストラットギヤの前に有る!って解ってるんだろうけど、実機のメインギヤってのは模型機では考えられない位、重心よりも後方に着いてるんだぜい・・・。そういう基本設定・・・もちっと知識として持った方が良いぜ?(爆笑)。
          
● 主翼の原寸大図面が完成しました。しかし・・・この原寸大のⅢ型の主翼・・・片方しか描けなかったんですなあ・・・。700×1000mmの用紙では、700mm方向でも1000mm方向でも左右一体の主翼は無理でした。この主翼の最大翼弦は800mm・・・。1000mm方向なら全長は余るんですが、今度は一体翼のスパンが足りません。本機の最大スパン(翼幅)が900mmだからです・・・。だったら1000mm方向なら左右一体にすれば良いじゃん!って言われてもなあ・・・奥行きが700mmしかない用紙にどうやったら翼弦800mmが描けるねん!・・・。

● こういった鋭角デルタ翼の機体ってのは、分割翼構造にしてしまうと極端な重量増加を招いてしまいます・・・。よって胴体との一体構造ってのが一番軽量化し易いんですなあ・・・経験上ですがねえ・・・。ですから!左右の翼が一体で描けると、大変理解し易く成るんですなあ・・・。何処をどう作ればもっと軽量化出来るぜい!ってなアイデアがどんどん沸いて来る・・・。昭和57年・・・三菱の小牧工場で観た・・・実寸大戦闘機の上面図を描けるプロッター・・・。エンジニアの担当さん達は、昇降可能な室内設定のスカイマスターに載って、図面の細かい調整を手元のキーボードで操作・・・。その十数年後・・・看板屋さんで観た製図台サイズのプロッター・・・昔は、軍事で扱われていた便利グッズは・・・その汎用性が認められれば、シャバにおいての超最新ハイテク商品と成って降臨して来ます・・・。私達が演習で使ってた日本中の基地と交信できる、二つ折りのトランシーバーは、液晶表示で胸ポケットに仕舞えるサイズ・・・。其れから25年後・・・任期終了丸5年で民間人に戻った私は、携帯電話って形で持ってましたねえ・・・。同じく二つ折り液晶のサイズ・・・。操作しながら手に馴染む感覚・・・そら!二十代の自衛官時代に使ったのと同サイズだし・・・。
          (Part-3に続く)