VEGA-Ⅲ型 (No-14) 山本昇氏オリジナル設計機 Part-3

          
● Ⅲ型のリブを作図しています。本機の主翼のリブは全て厚さ2mmのバルサで構成されています。更にリブのピッチは全て60mmなので大変作図し易い部類に入ります。鋭角の三角形を60mm間隔で区切っているだけなので、主翼の中央線から見ればすべてが相似の台形です。ただ・・・鋭角デルタの形状ですので、主翼中央の翼弦は最大800mmも有ります。さてさて・・・蒸し返す様な・・・所謂嫌がらせみたいな博士さんからのメールのご紹介です。「何でそんなに文明の利器を嫌うんですかあ?・・・。わざわざアナログの手引きで作図だなんて、まるでCADが使えないからって暴露してるみたいじゃないですかあ( ´艸`)( ´艸`)( ´艸`)・・・。」・・・だそうです。

● う~む・・・。痛い所を・・・って一応白旗挙げる振りでもしときましょうかね!・・・。さて!博士の問いにお答えしましょう!。翼弦800mmの翼型を作図しました。其れを印刷してくれるプリンターは我が家にはありません・・・。全ての縮小された相似形の翼型をプリントアウトするには、越中ふんどしみたいなロール巻きの用紙が必要・・・そういうハイテクのFAXみたいなプリンターもありません。そんな面倒臭えハイテク機器揃えなくても・・・手引きのアナログ作図なら、目の前で全長800mmのリブの作図が簡単に出来るんじゃないでしょうかねえ・・・。CADは使えるけど・・・大型プリンターが無いからモノが手に入らないんですうううう!って類のモデラーさんも現実問題として居るんですなあ・・・。だからアナログ全開!でやっとる訳ですよ。CADを理解するには、まずアナログで作図出来なきゃ、プログラムも出来んでしょうが!。右へ何ぼ動きなさい!・・・今度は其処から上に何ぼ動きなさい!ってコンピ~たあに指示しないと動かんでしょう・・・。其れを中学三年の二次元方程式で数値を算出してやってんのと同じだしね。まずはアナログを極めてから、ハイテク機器を扱った方が・・・コンピ~たあ君も理解不能な指示を与えなくて済む(笑)・・・。その内・・・CADが悲鳴挙げんじゃねえか?・・・博士?・・・。
          
● 矢印表記が見えますか?・・・。此のラインも一応リブの作図ラインなんですが、此れは取り敢えず翼弦の十分割に必要なのでこの位置に描いてるだけなんですが・・・。何故に此の位置なんじゃろねエ・・・リブは全て等間隔なのに・・・。ハイ!左様で・・・。このリブ位置ってのは、胴体の側面図に描き入れる為の翼型が必要だからです。その後はこの翼型のアール面を利用して胴体の側面に簡素化された翼型のラインの棒材を貼り込む部材を作ります。

● このヴェガ三機種は主翼の一部が胴体と合体・・・もしくは全て合体・・・といった特殊な構造に成っています。よって既にプランクを終えた主翼を合体するも・・・プランク前の骨組み主翼を合体するも・・・この変則配置のリブの座標が必要に成って来ます。山本さんの組立説明記事の中に、その理由が有るんですなあ・・・。
          
● 全てのヴェガに共通しているのが、この部分のフィレットの工作手順・・・。胴体に密着させるフィレット先端まで延びた翼型を作図する為のベースに成るんですなあ・・・。二型機と三型機は既にプランクした主翼の上から、この延長されたリブを貼り込むのでそのアールのベース板が必要なんですよ。胴体の側面アールに直接貼り込む為の・・・。後から気づいてしまっても難しく成るんで・・・今の内に作図しとけば手間が省けるんで・・・。
          
● この10分割ラインを作図した補助リブを、胴体の中心ラインに移動させました。何故に?・・・。最初の位置だとその上の一番リブと作図ラインが被るからですよ・・・。被っちまったら翼型に切り抜けられんでしょ?・・・。よって干渉しない位置まで移動したって事ですよ。この三機種のヴェガは従来のラジコン飛行機みたいな胴体と主翼の分割方法ではありません・・・。よって左右一体型の主翼じゃ無いんで、中央翼のリブ型が要らないんですなあ(笑)・・・。作図する時の最初のラインだから書き入れたんですが、必要な翼型は矢印上のライン(一番リブ)からなので・・・。

● 不要だけど・・・せっかくの直線だし・・・。補助リブの座標を其のまま垂直移動させれば好いでしょ?・・・。此れもメールを貰ってたんで・・・近接したリブの作図中にラインが被るんですけど・・・その対処法を・・・。ってな類のメールが有ったから・・・。まあ・・・此れも一つの応用なので、近接したリブの場合は、個別に作図した方が良いでしょうなあ・・・。この補助リブみたいに・・・。
          
● 此方は既に作図準備状態に入ったⅠ型(No-11)の座標です。勘違いしないで下さいね・・・此れって、まだ全てのリブの翼弦を10分割の座標で表記したに過ぎません。しかし・・・此れが出来ないと実際の翼型作図には移行出来ないんです。この各種翼弦線に直角に交わるラインをチマチマと入れるのが面倒臭いんですわねえ・・・。だから!アナログ作業が大好きいいいい!って類のお馬鹿さんしか出来ない作業なんです。取り敢えず・・・現在午前四時前・・・。そろそろ寝よか?・・・。おい!トンビの旦那!・・・。もう頭が働かんバイ!・・・。三機種の其々のリブ作図準備・・・全て終わったし・・・。会社勤めなら絶対出来ませんな!・・・。まあ、其れが嫌で・・・このあまり儲からない仕事を選んだ訳ですがねえ・・・。其れでもある意味充実しとるんですわ!ああ(=_=)・・・。
          
● 本日・・・快晴です!。朝10時に目が覚めました!。何ちゅう生活リズム・・・絶対に身体に良い筈は無いですな。どうでしょうか?・・・博士!CADも・・・拡大コピー機も・・・比例コンパスも使わない超アナログの翼型作図・・・出来ちゃいましたよ?・・・。結局の所・・・作る技術が無いから知識で勝負!って類の博士達なんだから、自分で実際に検証してみれば良い訳ですよ。CADを使えば・・・だの、拡大コピー機を使えば・・・だのと口で何ぼ吠えたって、君たちは実際にCADを使ってモノの数分でいとも簡単にリブが作図出来るって思っとるのかねえ!・・・。可能だって言うんだったら、世の中のほぼ全員のモデラーがCADを購入して自作飛行機を作ってるって事に成る・・・。しかし!実際は・・・まあ・・・世の中のモデラー諸氏のブログを観る限り、手書きでサクサクと楽しそうに自分のレベルでやってるのを知らんのか?・・・。
                 
● せっかく山本さんがこういうヒントを掲載してくれてるんだから・・・面倒臭がらずに試してみれば良いんじゃね?・・・。比例コンパスを使うにも上下の針先の比率を決めるには、実際に何度も寸法を測って支点を決めなきゃ成らんのだが・・・。この作図表から言えるのは、最低でも隣り合わせの翼型の最大厚が解らなかったら支点の調整なんて出来ないって事ですよ。でも一度調整が済んだら・・・後はサクサク・・・楽しく作図が出来るんですなあ・・・。
          
● で!その最大翼厚を実測してて気が着いた・・・。正に目からウロコの状態・・・。この翼厚表記ってのは、そのリブの最大翼弦長の一番広い部分で、何%の厚みが有りますよ!ってのを表記しています。だから0,0X数値で表記されます。0,08ならば8%って意味です。しかしながら・・・絶対に勘違いしては成らないのが、別の位置ではこの8%は使えないんですよ。よって折り込み図面のエップラー374の翼型の全長を、まずは10分割して其々の位置の翼の厚みを計測します。前縁側はアールが強いので、更に4分割して其々の%を計測・・・。

● すると何が見えて来るのか・・・って言うと、この(E-374)の10分割された其々の位置の翼の厚みが解ります。ただし・・・この厚みってのは単純に10分割しただけなので、正確に作図するんだったら・・・翼の中に表記してある基準線の上下其々の比率を求めて%が解れば・・・小数点100の位の数値なんて、1mm方眼紙のマス目では書き込み不可!・・・。よってマス目の右寄りか…左寄りか・・・で0コンマ何ミリは目見当(笑)・・・。其れでもちゃんと作図が可能なんですなあ・・・。よってこの各位置の%の数値が出てるんだから、各リブの最大翼弦長に代入すれば・・・其々の場所の厚みは計測可能に成るんですなあ・・・ね?アナログ全開でしょう?・・・。でも出来ない事は無いぜ!・・・のレベルなんですなあ・・・。折り込みの翼型は印刷の不備で少々歪んでますけど、基準線の上下の寸法は其のままなんで・・・普通に測っても不具合はありません。
          
● 比例コンパスの使い方を教えて下さい!。・・・って中学生からメールが来ました。類は類を呼ぶんでしょうか・・・。私がこの機体に出会ったのもこの時代・・・。持ってるのは授業で使う普通のコンパスとデバイダーのみ・・・。自分の住んでた田舎町の文房具屋さんで聞いてみたけど・・・入手不可って言われました😢・・・。

● そこで!中学生でも解る様にご説明・・・。現在の上下の針先は(1対2)の状態です。丸いつまみを緩めると、このつまみは前後移動します。此れで支点が変わります。この比例コンパスは支点を調整する事で、上下の針先の比率が変化します。手前の針先を10mm・・・奥の針先が20mmに成る様に、摘まみ部分をスライドさせて設定します。

● 画像は・・・製作記事に記された翼型を二倍に拡大したものです。比例コンパスで拡大しました。翼の長さも・・・翼の厚みも・・・全て二倍・・・なんですが、此処ではあまり関係無いんですが・・・。飛行機を二倍に拡大するって事は、主翼の面積は単純に二倍には成らないんですよ・・・。機体を二倍に拡大する!の定義は、同じ形状に拡大するって事なので・・・。主翼の面積は4倍に増えるんですなあ・・・。よってこの拡大翼型も・・・内面積は4倍です。此の拡大は・・・此処では終わらないんですなあ・・・。この手持ちの比例コンパスは万能的に拡大が出来ないんですなあ・・・サイズが小さいので・・・。よって限界まで拡大したら、今度は数値代入で翼型の作図を行います。
          
● 比例コンパスで更に二倍に拡大・・・。翼弦長は540mmに成りました。此処まで拡大すると、このコンパスでは限界ですな!。しかしながら・・・此処まで拡大すると、数値計測が大変やり易く成ります。一々定規で測って電卓叩いて・・・には成るんですが、此処で各位置の%が解れば、どんな翼弦長でもこの山本オリジナルの最大翼厚8%の翼型は作図可能に成るんですなあ・・・。だから少々面倒臭くチマチマとした作業ですけど・・・やる価値はあるんですなあ・・・。
 
● 1対2に設定した比例コンパスの使い方です。支点から短い方で寸法を測ると・・・その反対側は二倍に拡大された寸法で表記されます。一々・・・コンパスをひっくり返す動作が必要ですけどね・・・。此れが面倒臭え・・・って言われたらなあ・・・。もう対処のしようが有りませんなあ・・・。でも、このコンパスってアイデアグッズのレベルじゃ無いんですよ。正式な製図道具ですから・・・。
          
● カッコで示してるのが翼弦方向の基準線の其々上下に交差する翼型のアウトラインを計測した数値(%)です。此の位置の翼厚を示しています。ただし!・・・この数値(%)は、この山本オリジナルの翼型にしか使えません。その代りに・・・翼弦が延びようが縮もうが・・・同じ様に十分割して翼弦長にこの数値をかけ合わせれば、座標の数値が得られる事に成ります。だからテーパー翼のリブ型が全部作図出来るって事ですよ。ね?・・・簡単でしょ?・・・。最初は面倒臭いけどねえ・・・。
          
● この山本オリジナル翼の特徴である簡素化数値(笑)・・・。翼下面の数値(12,6mm)から後縁までは直線です。よってこの翼型に限って此処から先の数値(%)がありません・・・。まあ・・・無いと言うより直線だから要らねえ・・・ってところかな!。翼型って面白いでしょう?・・・。F-117ナイトホークってステルス機なんですが、この機体の翼型が・・・。完全対称の変形クサビ型翼・・・。平たく言うとですねえ・・・アール面を全く持たない直線と角で構成された翼断面って事ですよ・・・。此れでも効率は悪いんだけど、音速の数倍で飛行したら、充分揚力が発生するんですなあ・・・。

● でも何でこんな効率の悪そうな翼型を使ってんの?って話なんだが・・・。当時は最新鋭の偵察機だったんだけど・・・。当時から・・・今でも知らない人は知らないんだけど・・・。ステルス機は見えない戦闘機って事で、透明だって勘違いをして納得してるお馬鹿さんが、実際にラジコンモデラーの中にも当時は少なからず居たんですよねえ(笑)・・・。肉眼では見えるんだけど、レーダーには映らない・・・って表現するんだけど・・・。いや!レーダーにも取り敢えず表記はされるんだが、レーダーが何処の国の何という飛行機か判断できないから(アンノウン)しか表示できません。よって管制官は、レーダー自体が判断できない物体だから、ご本人も敵なのか味方なのかが解らない・・・って事に成るんだなあ・・・。レーダー管制ってやつは、このレーダーの出してる波長に反射する波形をレーダーが判断して、何処の国の何ていう飛行物体って表示をするんだが、このステルス機の翼型・・・波長を乱反射するモンだから、レーダー自身が判断できません。其れを狙って開発された肉眼だとハッキリ姿の見えるステルス機です(笑)・・・。爆音はするんだけどなあ…機影が見えないんだなあ・・・。ってのを巧みに利用するのが偵察機の任務・・・。夜にしか飛ばないから隠密行動・・・。音がするからバレバレなんだが、レーダーに映った時はもう遅い!・・・。敵陣深く侵入されて、あたふたしてる間に全て情報丸裸ァ~・・・がステルス機の最大なる作戦行動とも言えるんですなあ・・・。
          
● さて・・・翼弦長に数値(%)を掛け合わせてっと!・・・、電卓叩く音もリズミカル♫♫~・・・。サクサクと座標を記して、雲形定規でラインを繋ぐと・・・ハイ!翼型の誕生です(笑)・・・。いやあ・・・翼端リブの薄い事・・・。最大翼厚が11mmしかないです。で!・・・この一番厚い所で、寸法カット・・・。後縁側から80mmがエレボン動翼となります。翼弦長126mmしかないのに・・・。

● この鋭角デルタ翼なんですが、相似形の均等座標でエレボン動翼を作ると、翼端側の幅が徐々に狭くなるテーパーエルロンに成るんですが・・・、此れがフラットエルロン、もしくは幅が僅かに違うだけの逆テーパーエルロンを選択した場合・・・ヒンジのカットラインは翼端まで同じ厚みに成るので、リブ組構造にする場合・・・ある意味作り易く成るんです。主翼のリブは本来よりも機首側に向かって、少しずつ短くカットする事になるんで翼型の厚い部分をカットする事に成ります・・・。よってヒンジラインが翼端まで同じ厚みに成るんで、動翼側が作り易く成ります。見栄えの点からならテーパー型の方に軍配が挙がりますが・・・キット入門者にテーパーエルロンの工作は難しいので、この様な構造に成っているのでしょう。イマイチ解らない人は、自分で作図するか・・・ヴェガ人的発想でモノを考えてみて下さいね(笑)・・・。新しい模型世界への入り口です。臆せず開いて下さいね。貴方の自作飛行機のレベルがワンランク上がります。飛行場で大御所さんが絶対に興味を惹く工作ですから・・・。
          
● ヴェガのⅡ型機同様に、何処かのリブ同士が被って(翼型のアールが交差する事)、形紙が作れなく成るんじゃないか・・・って心配したんですが、今回はギリギリで一番リブが引けました・・・。ただ・・・追加した胴体側のライン取りの為の補助リブの厚みが60mmを越えたので、Ⅱ型同様に別紙での作図となりました。多分・・・山本さんも気が気じゃなかったでしょうなあ・・・。比例コンパスで作図出来ても・・・ラインが交差したら意味が無いですしねえ・・・。この翼型作成の目的は、比例コンパスさえ使いこなせれば、翼図面を作成して一機分の翼型の作図が可能に成るからです・・・。
          
● 何とかギリギリで作図出来てますねえ・・・。ところがですなあ・・・此れ現在幅が2mmしか無い様に見えるんですが、実際には5mmの空間と同じなんですなあ・・・。キットに不慣れな初心者さんと、ブログをお持ちのネット物知り博士さんが勘違いするんですが・・・翼型の本に載ってる其々の翼型ってのは、貼り込むプランクシートの厚み分込みの寸法ですので、翼型の見本表の見方を勘違いしない様にして下さいね。

● 博士のブログの製作記事を観ていて不思議だなあ・・・って思ったのは、CADで綺麗に作図したのに・・・切り出した翼型の上下に其のまま2mmのプランクシートを貼っちゃいました・・・。此れではもう完成した翼は、本来の高性能な筈の翼型とは言えなく成るんですなあ・・・。よってこの山本オリジナルの最大翼厚8%の半対称翼型の場合は、翼の上下を其々1,5mmずつ小さくカットしなければ・・・本来の山本オリジナルの高性能な翼型とは言えません。くれぐれもお間違い無き様に・・・。
          
● 画像に見える近接した上下のライン・・・。基準線の下側のみのラインの左側がメインスパーを取り付ける位置に成ります。この翼型を作図するに当たり・・・この位置から後縁側(画像左方向)までは直線と成ります。よって!この位置に其々数値を代入して翼厚の数値を求めて、最初にラインを引いてしまいます。こうする事により・・・徐々に長さと厚みを増す翼型同士の被りが何処で始まるのか最初に知る事が出来ました。問題だったのは一番リブと二番リブの隙間がどうなるのか・・・。2mm以上の空間が有れば作図可能だって解ったのは、この直線の作図をしてラインを引いた後でした。要するにこの時点で本来の一番リブは作図可能だと解ってました。しかし・・・此方が勝手に追加した補助リブが、本来の取り付け位置から下げて記載したのに・・・結局別紙に移動と成ってしまったのは誤算でしたね・・・。反省!・・・。(Part-4に続く)