Frosh-MT (半対称翼型の走るラダー機) 販売元(オーギセイルプレーン) Part-2
   
● 主翼の組み立てに移行します。本機の木部であるヒノキ材とバルサ材は、40年近くの保管にも関わらず、その状態は大変良かったので其のまま使いました。バルサのシートは長さに若干の余裕が設けてあったので、原図の通りに斜めにカットしてシートの小口を突き合わせて接着します。斜めに継ぐのは難しいのですが、スパン方向に対してのめげ強度が抜群に良くなるので、昔から使う継ぎ方です。昭和の偉人さんには何でもない継ぎ方なんですがねえ・・・。平成生まれのモデラーさんには、何のこっちゃ理解不能(笑)・・・。

● メインスパーであるヒノキ棒も斜めに継いでいますが、どうして斜めに継ぐんですか?・・・どうしてワザと難しくしてるんですか?・・・初心者との差別化ですか?・・・ってまあ・・・平成のモデラーさんって、何にも知らないんだなあ・・・。もしかして!お仲間掲示板の話のネタにする為に、ワザと初心者ぶってるのかなあ・・・って疑いたくなるんですが・・・。継ぎの接着面積は大きければ大きい程、曲げの強度は上がります。スパンが900mmの定尺シートで事足りる、レーザー加工のキットばかりを作っているので知らないのかもしれませんなあ・・・。お仲間掲示板で、ガルモデルの名機の話題で盛り上がってるようだけど・・・、登場する機体の名前から察すれば、全てが片翼1200mm以上の機種ばかり也・・・。ガルモデルのキットだって棒材もシートも継がないと組み立てられません。片翼が継ぎ目無しのシートや棒材だとでも思ってるんかなあ・・・。でもキットの箱は1メートル前後・・・。片翼1200mm以上の継ぎ目無しのシートや棒材は・・・物理的に入らない。彼らのお仲間掲示板って現物を知らないで会話してるんでしょうなあ(笑)・・・。不思議な人たちですなあ・・・。まあ・・・ガルモデルの機体名を挙げれば、初心者レベルはバレませんしねえ・・・。
   
● 肉厚3mm強のアルミの角パイプを治具に使っています。この角パイプの全長は2メートル・・・このパイプの両側に今度はアルミのアングル材を固定します。この際・・・アングル材の一辺を約4mm程角パイプの面から出して壁を作ります。この角パイプはほぼ直線・・・アングル材の方が精度は悪いんですが、角パイプに沿わせて圧着させればほぼ直線です。この縁にメインスパーの角棒をセットしてクリップで固定・・・接着完了まで数時間の放置プレイ・・・。接着剤には二時間硬化型のエポキシを使います。この作業法は私が自衛官時代の基地内ラジコンクラブの部室にて、上長が使っていたモノと同じ方法です。金属の棒材なんて・・・どうやって手に入れたんだろう・・・って不思議に思ってたんですが、何の事は無い・・・出所は私の所属した機体修理分隊(AFR)だったんですなあ・・・。当時の私はまだ入隊したばかり・・・まさか、自分の所属していた職場の材料だったなんて・・・。基地の外への持ち出しは不可能なんですが、基地内の娯楽クラブの部室だから可能なんですなあ・・・。

● 当時から立派な治具として機能していましたし・・・、部員なら誰でも使える様にと数本在庫してありました。上長が組んでいた機種はドイツのグラウプナー社のオルリスです。その名は当時のモデラーの多くが知っていました。高性能なV型尾翼のソアラーで、スパンは3600mm強のエルロン装備の機体でした。当時発売されて間もない瞬間接着剤(シアノン)は、現在のモノと容量は変わらず一本3000円・・・。かなり高価でしたよ・・・。促進剤が現在なら液体でスプレータイプですけど、当時はまだ粉末・・・。使い勝手はまだまだプロ仕様ってとこですかねえ・・・。市販のアロンアルファの方が、容量は少なかったけどまだ現実的なお手頃価格の時代でしたからねえ・・・。
   
● 左の二枚の画像・・・何で同じ画像を二枚並べてんの?って思われても仕方が無いのだが・・・。一番左の画像が前縁からメインスパーまでのプランクシート・・・右隣の画像が後縁側のプランクシート・・・。本機の後縁側のプランクシートは今のレーザー加工のバルサキットでも、あまりお目に掛かれない位の幅の広い後縁側プランク材なんですなあ・・・。図面には点線表記で翼端エルロンが描かれているので、この幅の広いプランクシートの意味はエルロンとして分割できるようにする為の加工なんですなあ・・・。ところが本機のカンザシって片翼7度も付けて有るので、当時の時代背景なら当然ラダー仕様の設定・・・。本機の全体フォルムから、スピードがかなり出せる翼型ながら、上反角はラダー仕様並みの角度なので、走るラダー機の設定です。よって走るんだもの・・・無理な加工を施してエルロンを装備しなくても、ラダーとエレベータの複合的な操縦でバレルロール位のアクロなら出来ますしね。JRGA既定のラダークラスのパッシング競技なら善戦する事は確定でしょうなあ・・・。
   
● 別組み治具なんか使って組み立てるバルサキットは古い!って何処かのブログのネット物知り博士さんが言ってたんだが・・・。治具無しで正確に組めるサイズの飛行機じゃ無いんですなあ・・・。治具が無くても正確に組めるって言ってんのは、動力機みたいに分厚い翼構成の場合でしょ?・・・。最大翼厚が10%に満たない主翼・・・其れも片翼が1300mmを超える主翼の場合は、治具が無いと正確に組むのは至難の業・・・。主翼が捻じれたらフィルムで修正すれば良い!ってのが、ネット物知り博士の管理人さんの言い分・・・。まあ!・・・応急処置なら其れでも良いんだが、其れが夏場だろうが冬場だろうが、無理やりフィルムの張力で修正した主翼ってのは、飛行中の負荷で元の状態に戻ってしまうんだなあ・・・。夏場なんか最悪だぜい?・・・飛行中にトリムが変化するんだもの・・・。機体が失速して機首が天を仰いだら、さて!・・・どちらの方向に機首を向けるのか・・・。其れが、自分に向かった場合・・・お仲間さんと夫々の愛機が駐機する斜面を、追い風に乗って駆け上がって来るんだぜい?・・・。さあ!この場合の対処法は?・・・。お仲間さんに「退けええええ!。」なんて言うのかな?・・・。そんな事態に成ったらフルダウン!・・・愛機は自爆させるのが最善の対処法ですよ。昭和の大御所なら、最終的には其れを選ぶでしょうなあ・・・。
   
● 主翼の翼型がフラットボトム(翼の下面が直線)なら、限りなく平面に近い定盤の上で組み御立てれば良いんですがねえ・・・。半対称やら完全対称って翼型の場合、その湾曲度合いに合わせて治具を作らないと、正確な翼の組み立ては不可能に近いです。まあ・・・ベテラン諸氏なら、バルサの棒材をカイモノにしてって簡素化するのを画像やイラストで紹介するもんで・・・初心者さんが勘違い(笑)・・・。そういう簡素化を紹介する場合は、限りなく平面に近い定盤の上で組む!・・・の一言を加えるべきでしょうなあ・・・。そんなん!常識じゃん!って思った貴方・・・、此れを判ってないネット物知り博士が沢山居たのが平成のラジコンブームなんですよねえ・・・。よって!このベニヤ製のブラケットには、微妙に角度が付いてたりするんですなあ・・・。
   
● 主翼を組み立てる上で一番重要な場所ってのが、どんな翼にも在りまして・・・。主翼に捻り下げを付けるも付けない場合も、メインスパーから後縁までの調整が完璧ならある程度の調整は完了したとも言えます。何故なら主翼のリブ型は相似形だからですよ・・・。翼端まで相似形の翼型で構成されるんだもの、治具台と成るアルミのアングル材は直線で固定するのが普通です。画像左から三枚目はリブの先端に前縁補助材を貼り込んでいる所ですが、この部分は直線で貼り込めれば良いので治具台から外して作業しています。リブ組みの主翼を組んだ事のあるモデラーなら誰でもご存じの筈・・・。リブ組みの下面をプランクしただけの状態なら、その主翼は捻じれ捲るでしょう?・・・。其れが普通なんですなあ・・・。よって正確なリブ組みを効率よく行うなら、メインスパーと後縁までを正確に組めば良いんですよねえ・・・。何も翼全体を拘束する治具を組まなくても・・・。まあ・・・色んな形状の翼が混在するなら、其れに見合う治具も必要なんですが・・・其れはまた別の機種の組み立てでご紹介・・・。
   
● リブ間の上下のメインスパーに跨ぐ補助スパーを取り付けます。品番の刻印がスタンプされてるので、キットに付属した抜いては成らない大事な部品です。現在のレーザーキットではあまりお目に掛からない部品ですけどね。当時はダイカットは有っても、レーザー加工品はまだ模型業界には進出していませんでした。だから・・・この面倒臭い部品をルンルン気分で熟せるモデラーじゃないと、本機の組み立ては無理かなあ・・・。完全に組み上がるとこのクラスでは最強の主翼に成るんですけどねえ・・・。シャーレー工法で作られた大型スケールのグライダーが有るでしょう?・・・飛行中に主翼が上下にウェーブみたいにしなる主翼・・・。でも捻じれないでしょう・・・。捻じれないけど良くしなる主翼は折れないんですなあ・・・。本機の主翼はしなると当時は評判でした。しなるだけで折れないんだもの・・・そら!組みたいですわねえ(笑)・・・。
   
● 何ですか?此れ・・・。現在のラダー仕様のグライダーの後縁材って、薄い三角材を貼りますが・・・、当時は画像の様にリブの先端を尖らせて、上下にプランクシートを貼り込むキットが圧倒的に多かったです。では何故にメーカー毎に仕様が違ったのか・・・。まあ!言い換えると、木村バルサや加藤無線(MK)みたいな高度な加工技術を持った職人さんが、大企業や個人運営のプライベートワークスに至るまで居なかったって事情も有るんですなあ・・・。部品が精密に成れば成る程・・・其れを加工する重機の専門工具も必要な訳でして、其処までしなくても横のつながり・・・組合内部のメーカー同士ならば精密部品の調達なんか朝飯前ってのが、昭和のメーカーの内部事情なんですなあ・・・。

● メーカー毎のラジコン飛行機のキットを見て、不思議な共通点を見つけたモデラーさんってのは色んなメーカーの飛行機キットを組んだ経験のある人です。グロー20クラス・40クラス・60クラス・・・そして無動力のグライダーに至るまで、Vカット前縁のエルロン材やら後縁材みたいな特殊三角材は、業者間取引の安い量産品を使った方がキットの量産は容易かったとも言えるんですなあ・・・。木村バルサの三角材のラインナップ・・・実に多様でしょ?・・・。幅の違う後縁材やら前縁Vカットのエルロン材等・・・加工するには、桁外れの度胸と加工技術が無いと作れませんしねえ・・・。鋸刃を定盤から数十ミリ出して、数度傾けて三角材を切り出しますが、後縁側の先端は僅か1mm・・・。指先数ミリの所を鋸刃が通過する恐怖・・・飛行機はベテラン並みに自作できる人だから、こういう複雑部品を加工する腕もピカイチだとは限らないんですなあ・・・。まあ!其れが出来たモデラーってのがラトルスネイクの大植君だったりするんだが・・・。こういう人って業界でも少ないですよ。殆どいないって言っても良いんじゃないかなあ・・・。

● 個人でレーザー加工機を購入したモデラーさんが、ブームに乗じて俄かメーカーを立ち上げたって・・・このムクのエルロン材やら後縁材は作れません。よって!加工してくれる専門業種を探すんですが、その加工費との折り合いが付かずに諦めてしまう・・・。まあ・・・其れだけ加工は難しいって事ですよ。だったら本機の様な構造にするのが一番なんですが、此れは此れで・・・俄かメーカーのモデラーさん自身が、自信を持って太鼓判を推せる位のキット内容に出来なければ、説明書なんか書けませんし・・・。自分で実践して数を熟せば、自ずと画像の様な専門的なサンドホルダーが作れるんですよねえ・・・。まあ・・・短時間で誰でも簡単に出来ます!って工具でも無いんですが、時間を掛けてじっくり加工する箇所の一つでは在りますなあ・・・。後縁の先端は0,3mm程度まで削るんですけど・・・。
   
● 本機の主翼にはエルロンは装備されていませんが、スポイラーはグランドの指定点着陸競技においても、スロープにおける安全な着陸進入においても有効なので、是非とも装着したい所・・・。昭和の構造ならスポイラー可動のサーボは、胴体内部に固定してテグスワイヤーによるリンケージが普通でした。そして現在は、マイクロサーボの出現により、本機の薄い主翼にも完全内蔵可能になりました。今回はこのマイクロサーボを左右の主翼に其々単独で搭載し作動させます。
   
● 今回のサーボの取り付け位置と可動するスポイラーの幅が20mmしかありませんので、スポイラーを上げてのサーボの搭載が不可能です。当工房のオリジナル機のオベロンⅡ型に搭載したスポイラーは、幅が30mm有ったのでスポイラー板を上げればサーボの搭載が出来たんですが、本機の場合は其れが難しい・・・。よって、主翼下面にハッチを儲けてそのハッチにサーボを固定する事で問題を解決・・・。此れでサーボ本体をはめ殺しにする必要が無くなりました。セロテープぐるぐる巻きメカ搭載の平成のモデラーさんと、一緒くたにされたくないですもんね(笑)・・・。彼らのファンフライって、飛行中にサーボが外れようが・・・リポバッテリーが電源コードだけでぶら下がろうが、お構いなしの飛行を当たり前にやってましたが・・・。昭和のラジコン黎明期のモデラーさんは、飛行機よりもラジメカが遥かに高価だったので・・・大事に扱う心構えが身に染みてますからねえ・・・。今の時代・・・何故か飛行機の方が高価に成ってしまった逆転現象が起きてるんだが・・・。彼らの価値の度合いってどういう案配なんだろうか・・・謎って言えば謎ですなあ・・・。
   
● サーマル工房の製品にも主翼の下面からサーボを搭載する機種は過去に販売されていましたが・・・。リンケージも直接スポイラー板とロッドとホーンで結合するリンケージでしたね。しかし・・・本機の場合は、そういった複雑な微調整の必要なリンケージは使いません。スポイラー板の作動手順はオーソドックスなテグスワイヤーのリンケージとほぼ同じです。ただ一つ違うのは・・・スポイラー板とサーボが連結されていない点・・・。不慮の事故で主翼が大きく破損しても、サーボには何の影響も出ないところですなあ・・・。
   
● JRのマイクロサーボは、出力軸のギザ山が、標準サーボと直径が同じです。よって、標準サーボのアームの長いサーボホーンが取り付け可能なんですなあ・・・。サーボの回転方向は、主翼のスパン方向に平行に作動します。よって内部からスポイラー板を上方に押し上げる動きをします。スポイラー板の前縁はメインスパーにテープヒンジで固定されるので、前縁を支点に持ち上がりますが、裏面のフックと主翼に固定したゴムの張力で常にテンションが掛かってます。スポイラー板を閉める時は、サーボホーンを逆転させればゴムの収縮力でスポイラー板は勝手に下りて来ます。本機はアクロバット飛行の出来る半対称翼型ですけど、其れを好まないモデラー向きの機体です。このリンケージは背面飛行には不向きなんですなあ・・・。ただし普通に実機らしくスピードに乗った飛ばし方をする分には何の支障も出ませんしねえ・・・。まあ・・・本機の構造からして、アクロバット向きではありませんし・・・。多分・・・三浦半島城ケ島の海岸スロープ競技用に開発されたグライダーでしょうから、荷重を思いっきり掛けるような飛行は避けた方が良いでしょうなあ・・・。実機の(LS-1)にも似てますしねえ・・・。実機らしく優雅に飛ばす方が良いかも・・・。

● 過去・・・航空自衛隊・山口県の防府南基地教育隊の時代に、北基地からえい航索で上昇した実機の(LS-1)が、教育隊近くの標高の低い山の斜面を利用してパッシング飛行を始まました。其れを基地の芝生の上に寝そべってずっと眺めていたんですけどねえ・・・。休日に成ると時々飛んでるので仲間は外出して街の中で遊ぶんですけど・・・。私は基地の中で山肌を飛行する実機のグライダーを見るのが好きでしたねえ・・・。
   
● 本機オリジナルのラダーは全面プランク構造だったんですが、今回はリブ間にトラス構造のみを加えたスケルトンとしました。聊か構造が過剰気味ですけどね・・・此処から削り倒すと丁度良い案配に成ります。当時のバルサキットには、まだスロットインという構造上の組み立て方式の概念が無い時代なので、部品は全て突き合わせが普通でした。よって瞬間接着剤のみでチャッ!チャッ!っと組み立てるなんて、誰もやりませんでした。当時の接着剤の王道は、木工白ボンドとエポキシ接着剤・・・モデラーによっては透明な半練りのセメダインなんかも使ってましたなあ・・・。空野彦吉さんなんかもセメダイン派なんですよ?・・・。今は私もセメダインは多用するんですが、其れも晩年の空野さんから理由を聞いて、セメダインの有効性を自認したからなんですなあ・・・。使い方も適材適所なら、かなり優秀な接着剤の部類に入ります。バルサの胴枠にバルサのプランクシートなんか最適ですなあ。
   
● 本機のラダーのリンケージは両引きのテグスワイヤーです。其の為にはグラス胴体に穴を開けなければ成りません。ロッド関係にフレキシブルロッドを使う場合は、胴体内部はある程度は直線配置に成る様に設定した方が、ロッドがスムーズに動きます。今回はテグスなので余り不具合は出ないんですが、テグス自体もビニールコートはしてありますが、内部は鋼線ですので、配置も直線の方が良いですよ。角を付けるような配線の場合・・・鋼線に荷重が掛かるので切断しないとも限りませんしねえ・・・。

● 組ヤスリの丸タイプ(外径3mm)で少しずつ削って・・・画像の角度まで傾斜して長孔を加工します。この孔の中に更にアイエム製のノイズレスパイプを挿入してガイドパイプとします。まあ・・・此処まで手の込んだ工作をグラス胴体に施すのは無駄だ!って意見も有ろうかと思いますが・・・、まあ、其処は私の経験値ですなあ・・・。今回はグラス胴体ですけど、普段はバルサ胴体ですので、ガイドの類は色々と使ってますよ。自作のみならず・・・バルサキットのグレードアップを行うモデラーならば、この胴体側面からのロッドの出口に関しては、メーカーサイドからも専用のはめ込み型のガイドパーツが販売されています。
   
● このノイズレスパイプって代物・・・接着剤がかなり限定されるんですなあ・・・。バルサの胴体の場合は、荷重が加わるとバルサの皮一枚分諸共くっ付けたまま外れます。かなり相性も好さそうなんですが・・・此処に湿気が溜まった状態なら、瞬間接着剤の泣き所である水分を含むと脆くなる短所が露見するんですなあ・・・。よって一番確実なのはグルーガンによる樹脂棒の溶着です。ところがこの溶剤は胴体内部の充填には適してるんですが、何処から充填するの?ってレベルの作業なので、今回は使えないんですなあ・・・。だからエポキシ接着剤・・・パイプの表面をサンドペーパーで荒らしてから長孔に挿入・・・硬化したら余分な部分を削って仕上げます。
   
● 本機の胴体に搭載するラジメカの状況です。標準サーボにマッチ箱サイズの受信機とニッカドバッテリー(単三型乾電池×4)です。この装備で約250グラム・・・。スポイラーには画像のマイクロサーボをチョイス・・・。平成生まれの若きモデラーの多くが勘違いするんですがね?・・・。昭和の遺物であるグラス製の胴体って奴は、平成のグラス胴体みたいに胴体の前後でガラスクロスの積層数を変えたりしていません。よって、一グラムでも軽量化!と称して、マイクロサーボオンリーを搭載しても重心が合いません。結局、機首先端に鉛のバラストをシコタマ搭載する羽目に成るんですなあ・・・。ならば・・・ひと昔に立ち返って、画像の装備をすれば良いんですなあ・・・。何処のネット物知り博士が言い出したのか解りませんが、標準サーボは初心者用・・・。72メガヘルツはトイラジ専用・・・。そんな事言ってるから、ネタ機で落札した昭和の名機に返り討ちに遭うんですなあ(笑)・・・。
   
● 機首側なのでやりたい放題・・・。なるべく重心合わせの為の鉛のバラストは減らしたい・・・。更に、搭載メカの保護もしっかりと行いたい・・・。其れが昭和のモデラー諸氏のラジメカに対する扱いの基本です。バッテリーの保護無し裸搭載?・・・サーボは幅広のセロテープで目張り固定?・・・バカじゃねえのか?・・・。何時からそんなのが当たり前に成っちまったのか・・・。ブログの管理人ってのはその時代の神的存在に奉られる場合もあるんだが、時として信者に成ってしまう初心者の入門者には、其れが当たり前になってしまうんです。其れが暴走するとケロシン燃料のジェットエンジン搭載機の各種駆動サーボまでセロテープの目張りで・・・が横行してしまうんですなあ・・・。ブログの神的教祖の手抜き工作が、その後の規制の要因に成ることも有る・・・。保険会社が空物ラジコンから撤退しようかと、一時本気で協議された事も有るそうな・・・。
   
● 3mmのベニヤから切り出した胴枠を胴体に固定します。確実に固定する接着剤として何が良いのか・・・。出来立てホヤホヤのグラス胴体ならばエポキシでも良いんですけどね・・・。経年変化で劣化の始まった昭和の遺物にはあまりヨロシク無い状況だったりするんですなあ・・・。そういう場合は迷わずグルーガンの出番・・・。溶剤を隙間に充填して盛り付けるのが一番確実だったりするんですなあ・・・。

● 機体の表皮はクリーム色の艶在りウレタン仕上げだったんですが、長年の保管で黄ばんでます・・・。ウレタン塗装でも保管の状態が悪いとこうなります。よって一度表皮を剥がして再塗装するつもり・・・。夜峰山仕様ならウレタン鏡面仕上げ・・・平尾台仕様ならラッカー仕上げかなあ(お地蔵さんが一杯隠れてるから・・・。)・・・。多分、画像みたいなグラスの合わせ目の露出なんか、発売当初には無かった筈・・・。その後の経年変化でグラス胴体が縮んだんでしょうなあ・・・。其の歪みの一つが垂直尾翼の傾斜に有るんですなあ。昭和の名機を値踏みしながら落札したネット物知り博士の皆さん!・・・お仲間掲示板で品評してお褒め言葉を沢山貰ったら、迷わず質流れ街道に戻した方が良いですなあ・・・。レーザー加工のバルサキットに手慣れたモデラーでも手こずる部類の本機です。同種の機体の組み立ては難しいでしょうなあ・・・。メーカーの悪口をお仲間掲示板で吠え捲る結果が見え見えですなあ・・・。
   
● フィルム貼り込み前の下準備です。貼り込むのはオラカバドライ・・・。このフィルムはカバーリングは優れているんですが、直角に近い角が有り・・・尚且つその面積のの幅が狭い場合、中々素直に張り付いてくれません。よってフィルムの粘着物質と相性の良いクリアラッカーを塗り込みます。画像では主翼の後縁の先端とか、フィルムを引き延ばしながら貼り込む翼端のアール面が該当します。クリアラッカーは刷毛塗れる程度までシンナーで希釈しても良いんですが、本機の場合はベビーパウダーを添加したクリアラッカーを塗り込んで、と面の皮膜を作ります。クリアラッカーとベビーパウダーは異質の物質なので、長時間放置するとパウダーが沈殿します。使うたびに撹拌が必要ですが、混ざり合うと再び滑らかなクリーム状の溶液に戻ります。
  
● 再三に渡って記載しているんですが、主翼がテーパー翼の場合・・・尚且つフィルムの定尺である2メートルで一機分4面の被覆分が採れないサイズの場合は、キチンと形紙を作ってから作業しましょう。フィルムの幅は定尺600mmなのでどんなに採寸しても、本機の場合は一本のフィルムで片翼分上下二面しかフィルムが採れません。其れでも残る面積を増やした方がその他の面にも貼れるサイズが確保出来ます。画像では形紙の両面を使って採寸しています。本機の様な緩いテーパー比の主翼には大きな影響は出ませんが、テーパー比率が(1対3)とか(1対4)に成ると・・・採寸してから慌てる結果となります。左翼の被覆には使えるけど・・・右翼の被覆には使えないじゃん!って結末に成る事も・・・。
(Part-3に続く)