✈ NV-02 (Hex) 劇中架空戦闘機の模型化 Part-2

 
● 垂直尾翼の取り付け台を製作します。画像は主翼上面・・・取り付けのビスは主翼下面から差し込み、垂直尾翼を翼上面に圧着する形で取り付けます。架空戦闘機と言えども舞台はアメリカ本土・・・。戦闘機のデザイナーは、自国の近代戦闘機のフォルムを参考に、この機体をデザインしたと思います。成らばより良いリアルを求めて、近代ジェット戦闘機の諸元も利用した筈・・・。

● 双尾翼を有する米国海軍・空軍の近代ジェット戦闘機の垂直尾翼は二枚装備機が多数存在し・・・、これ等の機体は実戦の空中戦で使われる場合が多々あります。よってこの垂直尾翼の翼型は半対称が使われます。空中戦・・・もしくは敵の対空砲火で垂直尾翼を片方失っても、安定して飛行出来る様に成っています。ただ・・・左右とも機体の中心から外側にオフセットされていますので、ヨー軸のバランスが崩れない様に半対称翼型が使われています。

● 因みに(F-15=イーグル)を例に出すなら、米軍機の場合は実戦仕様の機体なので垂直尾翼は半対称翼型をツインで使い・・・自衛隊のイーグルは敵に襲われる事は訓練中は有りませんので、垂直尾翼を失う事は殆ど有り得ません。其処で完全対称翼型の垂直尾翼をツインで使っています。此れは日本国のお家事情も有るんですなあ・・・。完全対称翼なら左右何方にも使えるので、垂直尾翼先端の翼端灯のカラーキャップを取り換えるだけでどちらでも使える構造に成っています。在庫が減らせるし(笑)・・・。

● で!本機も米軍機に習ってフラットボトムの垂直尾翼を左右対称で装備してます。万が一にもレーシング機に襲われる事も無いでしょうし・・・そういった嫌がらせをする様なモデラーさんは、大多数の他のモデラーから嫌われますので、その内サイトに上がって来る事自体が無くなります。
 
● 垂直尾翼のベースを作ります。ベース板の厚みは、プランクシートと同じ1,5mmです。リブキャップを兼ねた幅広のプランクシートを貼り込んでいます。この上にもう一枚1,5mmのシートを被せて仮止めとし・・・ビス固定のブロック材(PVC樹脂)を接着、タップを切って翼の下面からビスで固定します。スチレン材が垂直に取り付けられていますが、此れが台座の中芯です。このスチレン材を囲む様に台座が組まれて行きます。
 
● 本機の垂直尾翼はフラットボトム型・・・。内側は平面です。しかし尾翼自体が翼型ですが薄い部類なので、ベースの台座は太らせています。米軍のジェット戦闘機の場合は、半対称翼型の垂直尾翼が画像の様に左右対称で取り付けられています。万が一・・・空中戦において、どちらかの垂直尾翼を失ったとしても安定して飛べる様に、外側を大きく湾曲させた垂直尾翼は、主翼翼端方向に大きく揚力が発生しますので、操縦系に違和感は有りますが水平姿勢を取り易く成っています。近代ジェット戦闘機は、こういう不慮の事態においても、機体の自律安定を保つ為に内蔵コンピュータが異常を検知すると、機体の安定を保ちパイロットの負担を軽減する為に、各動翼を再設定して安定して飛べるように補正機能が働くようです。
 
● 垂直尾翼の取り付け台座は、床ベースとトップでは此れだけ形状が違います。よって軽量化の為のプランク作業は、この前縁付近では大変難しく成ります。こういう場合は迷わずブロック材を貼り込んで、成形した方が楽です。床ベースは完全対称に近く・・・更に翼型に沿って凹んで仕上がってます。取り付け台はプランクすると、比較的軽量ですが、かなりガッチリとした構造ですので、間違っても床ベースを定盤の上で平面で組まない事です。主翼にビス止めすると隙間が開きますし・・・無理に締め込むと主翼が変形してしまいます。
 
● 画像で観れば解りますけど、台座の床ベースの真ん中付近に隙間が見えるでしょう?・・・。この隙間が主翼の上面のアールに沿っているんです。だから主翼の上に床ベースを載せて台座を組立てました。まあ・・・指し物大工さんがやってる現物合わせの要領です。
 
● 劇中戦闘機が所属する国際レガシー飛行隊は、地球防衛軍のトップガン集団です。その機体の垂直尾翼は主翼の上反角に合わせて内側に傾斜しています。この傾斜角なんですが・・・劇中戦闘機の動画を静止画として、角度を分度器で測って決めました。映画の公開は2016年でしたが、本機製作は2018年・・・。そして新たな記事を書いている2020年現在・・・新たなる本機の三型機を設定し直して新作を作る予定です。

● 今度はお仲間さんの野次とも取れる熱い要望に応えて、グランド用の動力搭載機に成る予定です。スクラムジェットも核融合型磁場発生エンジンも無いので、推進機能のみとは成りますが・・・さて!、ブラシレス・プッシャーにするか、DFユニットの搭載に成るか・・・。この機体のサイズなら、40mmDFユニットを4基搭載でも行けるんじゃないかと思案中・・・。40mmDFなら仮想スクラムエンジンと変わらないので、機体の形状が殆ど変化しません。お仲間さんの野次は、時に現実不可能・・・妄想の領域まで達する嫌いがあります(笑)・・・。彼らの野次は気心知れたお仲間さんなら励みにもなるので、此処は是非とも実現したい所存・・・。
 
● この戦闘機の目玉とも言える常温核融合による磁場発生装置は、言わば超小型の地球が引力をコントロールしながら上昇と降下を行う、エイリアンの技術を応用した新しい機能とも言えます。重力を操作する事により・・・機体の質量をゼロ設定に出来るので、地球の引力に引かれたり・・・反発したしたりと、重力をコントロールできる装置です。ですが・・・21世紀の初頭の現世界では、表向き・・・そういった技術はまだ存在していません。が!・・・未確認の噂レベルなら、(TR-3B)なる重力制御の飛行物体が既に製造されているという噂もありますので、こういった技術も秘密裏に開発されたのかもしれませんね。

● 本機はこの装置は有していませんが、形状は其れっぽい物を作りました。二型機に搭載して強風域のスロープサイトで何度となくテストしているんですが、ハッキリ言って空気抵抗気味の雰囲気・・・。デルタ翼なので機体が遠くに行ってしまうと、裏と表が解り難く成るんですが、この主張たっぷりの艤装のお陰で飛行姿勢がハッキリと認識できる点は評価すべきところです。ただ・・・この映画を何度も見返すと・・・更に改造したく成って来ますねえ・・・。この艤装部品もビス止め構造なので、もう少しスケールアップした部品に交換しても良いかなと思っています。
 
● 内部構造にスチレン材を使うのは、構造体自体が捻じれ難い利点と、比較的軽量ながら頑丈な構造物に出来るからです。此れが昭和40年代から50年代なら、こういうスチレンシートは専門業者の特販ルートでなければ購入不可能でした。ネットが普及してからですよ、スチレン材が個人でも購入可能に成ったのって・・・。昔のラジコン技術誌のマニアの作品コーナーに登場するなら、厚みのある発泡スチロールのブロックを、専門業者から分けて貰って其れを削ってバルサでプランクして・・・って感じの記事だったんですが、そもそも記事を観ている一般のモデラーが、おいそれと手に入れられる環境でも無いので・・・殆ど実現不可能だったんですけどね。

● じゃあ・・・何故、二十一世紀初頭の現在・・・此れほど材料が入手し易くなったのに、目立った自作モデラーしか見えて来ないんでしょうかねえ・・・。一つ言えるのは、昭和なら・・・キットを自分で作らないと飛ばせる段階へ移行出来なかった時代から、メカさえ積めば飛ばせる完成機の時代へ移行しちゃったから、新参モデラー自体に作れる人が居ない・・・ってのが真相じゃ無いんですかねえ・・・。ただ、自分のブログの閲覧数を上げてネット上で有名に成るには、やっぱり自作模型かバルサキットを作った方が良い!ってのは解ってるんでしょうけど・・・。作った事が無いので、最終手段!・・・。他人のページの画像の寄せ集めで、如何にも自分で作ってる様に演出するモデラーさんが増殖したのも、平成のラジコンブームでしたね。

● そういう事やってるモデラーさん・・・バレないとでも思ってるんでしょうかねえ・・・。隣の芝生が青く見える程、ネット上を閲覧しないのが、好い加減な事をやるブログの管理人さんの見本ですよ(笑)・・・。コメントしないけど、観てるだけえ~のモデラーさん程、彼らの嘘を見抜いています。自作モデラーってエコーのタバコを吸ってる人が多いのかな?・・・。って具合に不審に思えるほど、多くのモデラーの製作記事に登場してたみたいですなあ(笑)・・・。
 
● この浮上用磁場発生機能のユニットは、メインスキッドも兼ねてる訳で・・・無いと恰好が着きません。よって主張過ぎる位のサイズなんですけど、飛行中は然程気に成りません。そよ風程度の微風状態では絶対飛びません。鉄のフライパンを投げても・・・畳を投げてもバンバン浮いて来るような、強烈な吹上風の斜角のスロープじゃないと・・・。ただ・・・此れがグランドで飛ばす動力機となると話は別です。この主張強過ぎる固定ユニットは、メインギヤの役目も果たしますので頑丈な方が良いんですなあ。メインストラットギヤのみ引込式にすれば・・・大気圏を飛び出して、宇宙空間は飛行しませんしね。
 
● 最早・・・当工房の無動力グライダーの領域から外れた形態に成って来たぞォ~・・・。此のまま飛行中に人型機動ユニットに変身するのを期待するガンプラマニアの雰囲気ですなあ・・・。現にこの記事を掲載当時(2018年)には、ガンプラのモデラ―やらモケジョの姉ちゃん達から、此れって飛行中に変形出来るのか?って類のメールが多数・・・。出来る訳無いだろう!って返信メールしてた時期が在りましたっけ・・・。令和の模型事情・・・空中変形は主翼をたたむトムキャット(F-14)の機能が関の山・・・。ネット世代の空想大好きモデラー達は諦めるとして・・・モケジョの姉ちゃん達はもちっとマシかと思っていたんだが、同じ穴のムジナだったか・・・と肩を落とす有様ですなあ(笑)・・・。
 
● 本機にも採用したリブ組み構造のフルプランクの動翼・・・。この動翼はインナーウィングのエレボン動翼です。強風域専用の機体なので、通常はエレベータとして機能させ・・・着陸時の減速用スピードブレーキとして、アウター側の全翼エルロンと併用し、バタフライブレーキとして機能します。スロープの稜線に沿って上昇しながら着地させる当工房の主の着陸進入・・・。機体フォルムからして戦闘モードに入ったら減速させるのは至難の業・・・。バタフライも必要だと装着し、実際に装備して実感してしまいました。機体重量は01型の1,5倍・・・。重い機体はスピードも出るんですよ。
 
● 今回の機体には成形キャノピーは有りません。まあ・・・その後の機体では、劇中同様にパイロットが搭乗するキャノピー仕様に変更する事も考えてはいますけど・・・。この劇中のハイブリット戦闘機には、人工知能搭載のドローン機も混じってるという設定です。現にそういう台詞も出て来ます。ドローン機には操縦席が無く・・・代わりに自動操縦装置が積み込まれています。成らば透明のキャノピーは、今の所必要無いので省略しました。そう解釈するのは私の勝手でしょ?・・・。偵察用のプレデターにもキャノピーなんて付いていませんしね。
 
● 本機の飛行制御に必要なサーボの搭載状況です。内側二つがインナー側のエレボン動翼用です。外側の二つがアウター側の全翼エルロン用となります。全てのリンケージがガイドパイプを介したテグスワイヤーによる両引きのリンケージなので、動翼の遊び(ガタ)が殆どありません。いや!本機に限って言えば・・・このリンケージのガタは最大の命取りに成るんです。飛行のスピードが、異次元の領域ですので・・・。初心者のモデラーさんから、何度も作ってくれってメールが来ましたが・・・その殆どがグランド仕様機・・・。ブラシレス搭載でプッシャーに・・・とか、DF搭載機に・・・とか、設計のコンセプトを正しく理解されてないと実感しましたので、モデラー限定で無動力スロープを希望した上級者モデラーのみにセミオーダーさせてもらいました。
 
● 実機のスケールモデルを作る上で既に実現している機構も有れば・・・そうで無い機構も有る。その一つが油圧駆動の動翼作動システムです。嘗て・・・昭和の終わりに加藤無線(MK)の昌弘社長が本気で開発を考えていた、F3A機に搭載出来る各動翼作動の油圧システム・・・。将来出現するであろう超小型の非力なトルクのサーボでも、オイルの圧送ポンプを介せば10数倍のトルクに変換できるので、大型機でも安全に飛ばせる・・・って本気で研究し語っていました。その昌弘社長も既に引退・・・。昌弘社長以外に、そんな突拍子みたいな考察するメーカーがまだ現れない事に、若干ではあるが模型業界衰退を予感しているんだが・・・。

● 画像は本機のアウター側全翼エルロンの駆動ホーンです。駆動シャフトの上下にホーンを付けて、テグスワイヤーで両引きさせるリンケージです。半対称翼型の為・・・シャフトの上下のズレを、ホーンの高さで補正しています。基本的にサーボ側とホーン側の作動角度は同じ距離にしなければ成りません。アドバースヨーに対するエルロンの上下の作動角は、プロポ側の電気プログラムで行います。
 
● 無尾翼の最大の難点・・・飛行中に機体が遠くに離れてしまうと、裏か表か判断が出来なく成ります。其処で垂直尾翼をレッド・・・主翼下部の大型ベントラルフィンをブルーのフィルムで其々貼り込みました。しかし・・この貼り分けは操縦する側の最低限の安全処置です。ただ・・・ただ・・・飛行を観てるだけェ・・・のギャラリーにも楽しめるカラーデザインも欲しい所です。そこでストライプカラーの貼り分けが出来る形紙を作りました。この形紙はストライプの位置決めを行う事も出来ますし、貼り込むシールの裁断も出来ます。
 
● 昭和の団塊世代が実践していた、最もアナログなシールの切り出し方法です。此れもネット世代のハイテク博士達からは散々馬鹿にされましたなあ(笑)・・・。「そんな面倒臭い事しなくても、もっと簡単に出来ますよ!・・・。」って、見下す様なメールを送って来た博士も居たっけなあ・・・。ハイテク博士が自分のブログで紹介してたハイテク機器を使えば、まあすごく簡単に好きな形状のシールが出来るのは解ってるんですがねえ・・・。其れを博士並みにやる為には、博士と同等の設備投資が必要な訳で・・・。商売するんなら其れも有効!・・・なんだが、個人の趣味の範囲で持つ設備としては、聊か大袈裟な気もする訳で・・・。何十万もするハイテク機器を、閲覧してるモデラー全員が購入できる訳無いでしょうが!・・・。

● ブログの主さん!・・・運営の仕方を間違えてると思うんですけどねえ・・・。自慢のハイテク機器を見せびらかし当工房よりも高等技術で模型製作!・・・なんてやっても、誰も真似出来なきゃただの自慢にしか成りません。だったらランクを落とせば良い訳で・・・。此れなら設備投資はボールペンとカッターナイフのみで済みますし・・・。
 
● 貼り込むシールの上に形紙を固定してボールペンでトレース・・・。形紙の両面を使えば、同寸法・・・同形状のデザインが出来上がります。カッターナイフを使って切り抜くんですが、切り抜いたら要らない部分を全て取り去ります。貼り込む形状は裏紙に残すのが基本です。このデザインシールを覆う様に、紙のマスキングテープを貼り込みます。
 
● 裏紙からマスキングテープ側に切り抜いたシールを固定したまま剥がして、貼り込む位置へ転写します。マスキングテープを一枚ずつ剥がしながら、指先の腹でシールを抑えながら空気を抜きつつ貼り込みます。此れが団塊世代昭和40年代のシール加工と転写の手順です。模型飛行機レベルなら、面倒臭い工程だけど簡単でしょう?・・・。同じ要領でロゴデザインもストライプもシールで刻んで貼り込めますよ。詳しい手順は此方から・・・。デザイン機能はお使いのパソコンの基本アプリに装備されているモノを利用しましょう。多分・・・デスクトップ型なら小型のプリンター位・・・持ってる人は多いと思いますけど・・・。無ければ文房具屋さんに出向いて、プラスチックのテンプレート(一枚¥1000くらい)を購入し、ロゴをデザインした用紙を持ってコンビニへ・・・。コンビニの大型コピー機で欲しいサイズまで拡大・・・。この紙を厚紙に貼って切り抜けば・・・欲しい形紙は作れます。(Part-3に続く)