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✈ WILD BOAR ⅢB ワイルドボア (工房オリジナル機) Part-5

● VEGAの製作でも同じだったんですが、このフライングスタビの工作はある意味主翼よりも作るのが難しいんです。揚力尾翼の完全対称翼なんですが、部品が小さくその割にカンザシが太くて長い・・・。一応の形状は出来ましたが、此処から更に部品が付いて行きます。実は・・・ボアのⅡ型よりもノーズモーメントを85mm程短くして再設計。全長はⅡ型と同寸法。よって水平尾翼の面積を少し減らす事が出来ました。今回のシングルカンザシ構造によるフライングスタビ・・・OK模型のカーボンカンザシ10mmが発売されなかったら実現しなかったかも知れません・・・。トムさんに感謝ですな。

● スタビを挿入して360度全方向に荷重を加えたけど、ガタがほぼ有りませんでした。まあ・・・誰も真似はしないだろうとは思いますけど、何事も失敗しないと改良なんて出来ないんですよ。其れが航空工学の一部である構造の工学ですから・・・。本来なら外直径10mmのカーボンパイプが確実なら即本機に採用だったんですがねえ・・・。入手した二本のカーボンパイプ・・・一本は外直径9,7mmで挿入してもガタガタ・・・もう一本は10,5mmで基本的にアルミパイプに挿入不可・・・。で!外直径10mmの手持ちのアルミパイプを泣く泣く使っとるんですわ。せめて外直径9,9mmのカーボンパイプが在ればねえ・・・。

● 中々前に進まない製作記事・・・。今回、OK模型から仕入れたハード系のガチンコバルサ・・・そら!もう!~滅茶苦茶硬いバルサ使って治具を組む・・・。ベニヤよりも反りが少なくかなり正確な治具が作れる事が判明・・・。画像のリブ材、手前が2番リブ・・・2番と3番は3mmベニヤ、4番と5番は3mmのハードバルサ・・・此れは目から鱗ですなあ・・・。大きな声では言えないが、木村のハードバルサよりも木目の筋が良く、それでいて滅茶苦茶硬い・・・糸鋸盤を使った加工が大変楽なんですなあ・・・。
● 今後製作予定の邪悪なドラゴン(ワイバーン)にかなり沢山使いそうですな。ドラゴン族の中では最悪最恐であるワイバーンは、まあ・・・悪い意味でのアウトロウ、もしくは救い様のないローグってところかな。猪突猛進ワイルドボアよりももっと激しい・・・ただ食うだけの動物の本能剥き出して一目散に対象物に向って突進するイメージですな。まあ・・・そのデザインは普通のモデラーなら嫌悪感を含む吐き気でゲロゲロ状態・・・絶対スロープサイトでは見たくない一機に成ろうかと・・・。トムさんなら「そないな機体は、絶対スロープには持ち込むな!・・・。」って言うかもなあ。だが、しかし・・・作るのは勝手やろ?(笑)・・・。

● さて・・・分割翼に在りがちな構造の組み立てに移ります。丸い孔が普通の分割翼の構造・・・カンザシの通る孔はまさかの角孔・・・。素人丸出しの加工手順に見えるが、此れが中々の組み立て手順なんですなあ・・・。ネット上に数ある自作モデラー諸氏の分割翼のパイプ孔・・・皆さん丸穴です。プラマイ0コンマ1mmの狂いも無く正確に開ける技術・・・敬服致します。まあ・・・どうやって開けるかは個人の勝手・・・。その後の固定が完全なら手順は違うけど結果は同じです。胴体側のパイプ孔の処理・・・中々綺麗でしょ?・・・。要は仕上げを上手くやれば、ボロ隠しも完璧なんですなあ・・・。

● スタビライザーの駆動パイプの前後を補強します。形紙の段階で、パイプ孔の前後中心線に2×10mmの孔を開けるべく、最初から角孔を切り取ってあります。此処をトレースして切り抜けると画像の様な案配に・・・。此処にリブピッチに合わせた切り溝を入れて刺し込みスライドさせれば、立派な補強部材の取付が出来ます。後からリブピッチごとの補強材を一枚ずつ貼り込んでも結果は同じ・・・。今回はメインスパーと補強部分が交差するんで・・・この方法を使ったまで。

● 主翼のセンター側(インナーウィング)の内部補強と各種部材の取付を行っています。カンザシと成るメインのアルミパイプ・サブカンザシと成るカーボンシャフトを其々確実に固定する為の接着固定を行いました。使ったのはクイックメンダー(5分硬化タイプ)5分で硬化が始まるので、とにかく塗り込む前の段取りを入念に行い作業開始です。要は丸いパイプ周りの角孔の隙間を埋めれば良いんです。塗り込んで30分も経てばパイプに付着した接着剤は、カッターナイフの刃先で難無く剥ぎ取れるので作業は楽です。更に2時間経過後は、粗めのサンドホルダーで削ると画像の様な見た目と成ります。確実に仕上げるなら、更に時間をおいてから細かな修正をすれば見た目はもっと良くなります。
● カンザシとは反対側・・・アウターウィングとのジョイント側の加工です。Ⅱ型のボアではジョイント部にバルサブロックを使いましたが、今回は2mmと3mmのハードバルサシートを複雑に組み合わせて組み込みました。3mmベニヤのジョイントを使う前提なので、部材を組み込む前に使用する3mmベニヤを挟んでから位置を決め、部材を固定しました。インナーウィングとアウターウィングの接合面とその周囲は大きな曲げ荷重が掛かるので・・・その周囲を強固に作り込む必要があります。言っときますが・・・此れはまだ内部補強の段階です。ジョイントが済んだら上下をプランクシートで覆います。

● 当工房では昔からこの画像の蛇腹のエアコン・ドレーンホースに着目し、機体を設計すれば組み込む前提で使用してきました。リブ材や補強部材を貫通させる場合、その接着に使ったのがグルーガン(別称=ホットメルトガン)です。OK模型ではEZ完成機の治具を大量組み立てる際・・・治具の内部補強材として使っていました。ガンの本体もその後に普及した玩具みたいな小さいタイプじゃなく、インパクトドライバーよりもガタイがデカい・・・更に溶剤の直径も10mm近く長さも30センチ位のサイズ・・・。まあ・・・当り前に使ってたから、何の抵抗も無く使えるんですけどね。
● このメルト溶剤の性質は、塗り込む際は半練り状態のアツアツ溶剤ですが、冷えるとガッツリ固まりその形状を維持します。よって、胴体内部固定のカンザシパイプの補填材として使ってきました。今でも主翼二分割大型グライダーの胴体側板を貫通するカンザシ用パイプの固定に使ってます。塗り込む際・・・OK模型のヒートガンを併用すると、細かい隙間まで溶剤を流し込めるので大変有効な手順だと思います。
● 本機ワイルドボアシリーズの製作記事を観て・・・その構造が聊か複雑で大袈裟に見えるとメールを貰った事が有ります。大袈裟なんじゃなくて、此れが本来の大型ラジコン機の内部構造なんです。実機のジェット戦闘機の内部構造・・・かなり複雑でしょう?。大袈裟に見えますか?・・・。搭載されている電子機器やらエンジンの作動に必要な機器全てなんですが、確実に胴体の内部構造体にボルトナットで固定されています。スポンジで包んで、箱状の空間に押し込んでる部品なんて一つも無いんです。言い換えると・・・確実にボルトで固定すると、そういった搭載機器も構造体の一部に成り・・・機体の硬性が向上するんです。
● 本機のボアシリーズは、そういった実機の構造を模型機用に使っているだけなんですよ。部材の材質も硬い物から柔らかいものまで適材適所で組み込んでます。だから少々の粗い飛行や着陸にも耐えられます。一つ耐えられないとしたら・・・ノーズゴリゴリブラシレス搭載といった無茶苦茶な改造をされた場合・・・機体全体の構成を勝手に崩して動力ユニットを搭載するんだから、全体のバランスが崩れるのは当たり前です。それで・・・もし・・・機体が墜落大破しようものなら、今度は作った側にクレームを入れて来る。身勝手甚だしいので、どんなに懇願されても次の機体を作って差し上げる事はありません。トムさんルートで元ファントムのパイロットに渡されたⅡ型Bタイプのボアさん・・・。何時、ご本人に渡されたのか・・・その後の消息は行方知れず・・・。まあ・・・ご本人からの受け取りの連絡も無いんで・・・。横方向で得体の知れない人物へ機体が移動すると、滅茶苦茶怖い・・・。何れ事故が起きた場合、本人から満足な慰謝料が取れない場合、今度はその機体を製作した側に請求書が回って来る・・・。そう言った怖さが延々と続くのですよ。まあ・・・現役なら幹部階級のパイロットさんと下から四番目階級の私ですから、文句を言える立場じゃないんですけどね。でも、現役状態なら・・・彼のファントムだけは整備するのはお断りですな。許されない事ですけど・・・。軍法会議か懲戒免職処分でしょうなあ・・・。

● 外翼(アウターウィング)の治具を製作します。画像はリブ材を載せる台座の部材です。全てハードバルサなので、糸鋸盤から切り出しました。たとえ2mmバルサであっても、二枚重ねで4mmしか無いんですが、ガッチガチのハードバルサなら普通に糸鋸盤が使えるんです。定盤上にトレースした位置に部材を取り付けているんですが、このストリング材もハードバルサです。横に付いているペグもハードバルサ・・・、全てが取り外せる仕様にしました。
● この定盤にトレースしてある線は、リブ位置を決める為の本機の上面図です。何故取り外せる様にしたのかと言うと、翼型が変更に成っても組み立て治具は変更に成りますが、リブ位置(リブのピッチ)は変化しないからです。治具は翼型変更で新たに作りますが、このトレースした線上で治具を作れば同じものが組めるんです。よって、今回のリブ組み用の治具・・・今までとは構造が一部違うんですねえ・・・。

● 当工房のリブ組み治具の最新版を使うと、治具に固定した状態である程度の部品取り付けが可能に成り、治具から外してもその形状を強固に維持出来るんです。其処から更に部品を取り付けて行きますが、治具から外したリブ組み状のプランク前の主翼なんですが、既にフニャフニャと捻じれる様な構造では無いので、裸の状態でも部品取り付けが可能なんです。OK模型のフィルム張り完成機のバルサ機の場合も、此れと同様です。リブ組み状態で、保管しても経年変化での捻じれ等が起き難い構造で組み立てて有るんですなあ。自作モデラーさんの手抜き前提超軽量な主翼の構成では無いんです。

● 定盤から外した内翼(センターウィング)のリブ組み治具です。取り付けビスを外した状態なんですが、かなり頑丈です。この治具は・・・暫らく保管状態で眠る事に成りますが、専用の袋に乾燥剤と共に収納され、更に強固な段ボール製の治具箱に入れて、日陰で風通しの良い天井裏の収納スペースで次の出番を待つ事に成ります。当工房・・・大手のバルサキットメーカーみたいな、専用の大きな倉庫がありません。よって、この様な保管方法を使ってます。更に・・・定盤なんですが、枠から外せばタダの板・・・反りや曲がりが出やすい定盤なので、和式ダンスの着物を収納する底の浅い引き出しに和紙に包んで収納してます。多分・・・このボアさんⅢ型は、翼型違いで5~6機は作る予定・・・。スロープグライダーの常識を逸脱し捲る機体が出て来る事でしょうなあ・・・。山本昇さんのヴェガシリーズの真髄に触れると・・・新たなスタイルの機体が続々誕生する気配・・・。さて、何処まで作れるかなア・・・。生きてる間に・・・。

● 外翼(アウターウィング)の組み立て中です。世の中のジェダイマスターな自作モデラー諸氏の治具とは少し違いますね。多分・・・非難轟々でしょうなあ・・・。お仲間同士の密な掲示板やら飛行場での会話やら、ツッコミ所満載の治具ですからねえ・・・。前縁補助材とメインスパーの中間に補助スパーが入れて有るんですが、この位置までしか治具が無いんです。長年自作やってると・・・正確な組み立てを損なわない手抜き所が見えて来るんです。
● 本機の主翼は高テーパー比に属し、更に後退角の付いた形状です。よって失速を遅らせる為の捻り下げを付けなければなりません。リブ組み状態の主翼を両手で掴んで捻ると、メインスパー上を基準に主翼が捻じれる事が解ります。その度合いは、上下のメインスパーで約1mm程度のズレなんですけど・・・。この事から、捻り下げの専用治具を作る場合、後縁材とメインスパーまでの枠状の治具を作れば設定した捻り下げの治具を作る事が出来ます。
● ネット普及後の便乗組と言われるネット物知り博士諸氏の、見様見真似の捻り下げの治具・・・どう考えたらあんな複雑な治具に成るんだあ?って思うくらいの出来栄えでしたねえ・・・。基本が解ってない博士さん達だから、文明の利器であるレーザー加工機を扱えても・・・何かズレてる違和感・・・。メインスパーで捻じれるって事は、其処から前縁までの治具台は要らないんですよねえ・・・。画像はリブ組み治具ですが、前縁までの治具を作ると定盤からはみ出すので、サブスパーまでの治具に成ってます。旧型のⅡ型Bタイプのボアの主翼組み立て捻り下げの治具・・・今説明した通りの治具構成ですよ。
● 画像で観てもはみ出して無いじゃん!ってツッコミも有ろうかと・・・。此れはアウターウィング。翼弦長最大の5番リブは定盤内に収まってますが、センターウィング側の2番リブは余裕で定盤からはみ出る寸法です。ボアさんの主翼は5番リブで上反角が付くので、センターとアウターのリブ組みを別治具としました。今後作るであろう最悪最恐の動物的本能剥き出しのワイバーンでも、このテーパー比の主翼は使いますが、ワイバーンの主翼は翼根から上反角無しの一枚翼に成ります。その機体のリブ組みにも対応できる様に構成してあります。翼型は・・・多分・・・(RG-15)か(MH-32)辺りかなあ・・・。

● 左右のリブ組み翼を治具から外すとこんな案配・・・。普通のリブ組み翼なんですが、一つ違うのは・・・便乗組の博士さんも自作モデラー諸氏も、はたまたカスタム業の職人さんも使わないだろう、ガチガチのオールハードバルサだけで構成されたリブ組み翼です。さぞかし重い翼なんだろうなあと思われがちですが、オールベニヤとヒノキの棒材で構成された主翼よりも遥かに軽量です。
● このハードバルサ材・・・今回大阪上京でOK模型から購入した物です。工場長に「木目が悪くて使い物に成らないシートで良いから分けてくれ。」って頼んだら、2mmと3mmのシートの束を持ってきて、「この中から必要枚数分のシートを自分で選べ。」と言われたので、一枚ずつ選んで抜き出しました。ガチガチで硬いハードバルサと言えども・・・レーザー加工機で裁断すると、長い棒材は抜き取った時点で反り返ります。よって、細切れ加工して組み込む部材にしか出来ないんですなあ。そういう材質のシートを上手く加工して製作しました。

● 主翼の後縁材が間隔を開けて二種類付いてますが、此れは主翼の後縁材とエルロンの前縁補助材と成ります。主翼に捻り下げを付けるという事は、エルロン付きならエルロン材にも捻り下げが必要に成るんです。画像の様な構造のキットは、エルロン付きの大型グライダーの高級キットに多く見られる構造です。翼長3メートル以上の主翼を組む場合、左右二分割の主翼で片翼でも1800mmを超えるなら、リブの枚数は35枚以上・・・。正確に組むには其れ専用の治具を自作せねば成りません。さらに捻り下げが必要な場合、エルロン部分も一体で組んだ方が正確精度は上がるんです。
● そうは言いながら・・・Ⅱ型のBタイプのボアさんのエルロンは、木村バルサのムクのエルロン材・・・。捻り下げ設定なんぞ付いていません。矛盾しとるやないかァ~!ってツッコまれるかと(笑)・・・。ムクのエルロン材・・・捻る為の秘策が有るんですなあ・・・。ヴェガフリークの私と同年代のモデラーなら、コンロで炙って捻るという荒業をやってもいないのに堂々と吹聴するんでしょうなあ・・・。実際やってみれば解るけど、正確に捻じれるのは木村バルサに依頼して特注材料のハードバルサのエルロンカットを100本購入して、コンロで炙れば一本ぐらいは成功するでしょうなあ・・・ってレベルのお話。其処まで実践してから吹聴して下さいナ・・・。ならば100発100中の画像の構造の方が、遥かに安価で確実だって事が解りますよ。
● だったらやってやろうじゃないか!と、憤慨するモデラーも居られるはず・・・。まあ、ムクのエルロン材・・・もっと簡単に捻る方法も有るんだが、画像の方が早くて確実なので私はやりませんが・・・この捻り方、スチロールコアの主翼にバルサプランクした場合、治具の不備が祟って片翼側が捻じれた場合の修理方法・・・。カスタム職のベタランさんがやっても成功率50%の丁半博打の結果です。その手順をムクのエルロン材に応用します。早い話しが・・・主翼の上下面に貫通するスパン方向の切り込みを数本入れて、隙間にエポキシ接着剤を塗り込んで、捻じれを修正しながら硬化させれば好いんです。これをムクのエルロン材に応用・・・。ただし、エルロン材が割れて裂ける可能性も在るので、カッターナイフは使わず糸鋸盤で切り込みを入れて、捻りながら瞬間接着剤を流し込む・・・。まあ・・・コツを掴むまでには数100本のムクのエルロン材を犠牲にするかなあ・・・。其れでも検証したいお金持ちのモデラーさんのみ実践して下さいね。私は呟いただけなので・・・責任は持ちません。(Partー6に続く)