ANTARES Ⅰ型 (No-19) 山本昇氏オリジナル設定機 Part-18
  
● 当工房の型押し成型器(ひとり de ギュー)の暖房炉は、型枠挿入の最大寸法が決まっています。よって、そのサイズで型枠を作らなければ成りません。此れは二灯式電気ストーブを使うので、最大熱源到達範囲が250×420mmに対応出来るサイズで、この成型器は全体的なデザインが決まりました。これ以上のサイズには三灯式最大1200Wが必要でしょう・・・。当工房の場合は800W限定なので二灯式です。

● 今までに作った型枠が何か使えないかと調べてみたんですが・・・。ヴェガの枠は長さも幅も足りずにアウト!・・・。コメートは幅は充分なんですが、長さが足りません・・・。ロックウェルカナードの型枠は、長さは充分なんですが・・・今度は最大幅が狭い・・・。他にも有るんですが、此方は基本的に問題外・・・。結局の所・・・新しく作る事に成りました。一筋縄では行きませんなあ・・・アイエムの汎用キャノピーは・・・。
 
● 型枠の最大サイズが決まっていますので、まずは採寸から・・・。キャノピーの幅と高さを含む座標毎の寸法を計測しています。即席のケント紙のメジャーで周囲の長さを計測中・・・。工具の金属製メジャーの構造と似ていますが、金属製じゃこの曲面は曲がらんでしょうなあ・・・。だったら洋裁屋さんのメジャーで・・・って、腕が三本要るぞ!(笑)・・・。よってバルサ片をストッパーに細いケント紙の帯で作った次第・・・。
   
● 型紙に記した各種ラインの説明です。左からキャノピー木型の底面の最大寸法です。全ての基準は此処から始まります。次の矢印の位置が、キャノピーの幅と高さを計測した其々の座標の最大寸法です。三番目の画像は、本成型器の真骨頂・・・木型の底にシートを引っ張り込む為の寸法です。木型の胴回り寸法に周囲10mm10mmずつ足して採寸します。此れが型枠の内側寸法です。最後は型枠にシートを載せて、そのシートを固定する為の押さえの木枠です。
 
● 作図した形紙をど真ん中で真っ二つに・・・。型枠の部品を切り出すには半分で良いので、左側の形紙は座標を記したまま資料としてファイルします。一方右側の形紙は木部材にトレースする毎に切り抜いて行きますので、最終的には廃棄処分・・・。今回の押さえの部材なんですが、手前の部材は木目がキャノピーの長さの方向なので、此処まで履き込みが深いと折れる可能性も在ります。其処で二つに分けて木目の方向を変えて切り出します。
 
● 画像の材料取りに注目!・・・。細長い部材はなるべく木目に沿って材料取りすると、折れたり反ったりしません。まあ・・・こういう材料取りの為、切り出すのは至難の業・・・。糸鋸の刃が折れ易い材料取りとも言えますなあ・・・。オマケにこのファルカタの集成材・・・厚みが13mm有るんですけど、材質はラワンに酷似してますが、木目の繊維質はむしろバルサに近いです。よって、糸鋸加工するとヒゲが物凄く出ます。其のヒゲが粘っこくて鋸刃に絡むので、ちょこっと荷重が掛かると折れ易い・・・。このファルカタ集成材の糸鋸加工には、亀の様なノロい歩みと忍耐が必要ですなあ・・・。材料の周囲切りの全長は4メートル弱・・・。レーザー加工のキットに馴れてるネット物知り博士なモデラーさんには、タカが4メートル位で・・・なんて、馬鹿にされてます(笑)・・・。まあ・・・最高級の糸鋸盤を使っても、比較的安い糸鋸盤を使っても・・・使用する鋸刃は共通なので、高級品だから正確に簡単に切れま・・・・せん!と言えるのが糸鋸盤の隠れた性能です。扱う側の性格がモロに露見してしまいますので、まあ・・・熟練が必要な加工重機とも言えますなあ・・・。
  
● ・・・何とか収まりましたなあ・・・。一時はどうなるかと思ったんですが、当工房の現在の暖房炉で使える最大サイズに成りましたなあ・・・。しかしながら、この汎用キャノピーが使えるとなると、今後作れる機種がどんどん増えるんですなあ・・・。知ってる人は知ってる事実・・・知らない人は何にも知らない事実・・・国内の色んなメーカーさんは、組合毎の横のつながりがとても密です。そりゃもう!三密以上の密と言っても過言では無いですなあ・・・。自前でキャノピー成型の為の一式道具を持たずとも、メーカー毎のオリジナルな機種が造れるのは、こんなカラクリが在りまして・・・。

● 自前で木型を作って、真空成型の重機を持ったメーカーに量産発注する事も有り!・・・汎用キャノピーに合わせて機体フォルムを設計し、キットに入れて販売も有り・・・。結局、このキャノピー成型は特殊なので、言い換えればアクセサリーパーツの扱いに成ります。よってラジコン全般に共通しているアクセサリーパーツであるラダーホーンや、プッシュロッド同様に、パーツメーカーのタグを付けなければ、其れはもう自社製品の一部と成ります。モデラー諸氏が模型屋さんに出向いてキットやらアクセサリーを購入するのと同様な事が、メーカー同士・・・業界の中でも行われています。ですから・・・昭和のラジコン黎明期から令和の現在まで、各国産のメーカーから販売されているグライダーに限らず模型全般に言える事は、キャノピー一つ取っても・・・何処かのメーカーのキャノピーと共通してる場合が多いです。よって、汎用キャノピーの木型を自作出来たら・・・昭和の同意クラスの諸元の機体の中には、この汎用キャノピーを使ってデザインされた機種も混じっているんですなあ・・・。

● この汎用キャノピーの優れている点は、何処でカットしても其れなりの機種に合う様に設計されてます。嵩を下げようが・・・寸法を詰めようが・・・機首先端だけでも水平切りで仕上げる機種(ヴェガ等)もあれば・・・角度切りするキャノピー(フロッシュ等)もある・・・。どちらにも対応できる様に作られています。令和の現在は、自前で法則に沿った木型を作れば、単品の成型のみを実費で行ってくれる工房も増えて来てる様子・・・。汎用可能な木型を一個持ってれば・・・自作機種の何十機位なら対応可能化も知れませんなあ・・・。無償で成形してくれるお仲間さんを持ってる事を、自分の立場の向上に使っていると・・・其の内反旗を翻される可能性もあります。此処は自分で最大限何とか努力して自作を敢行!・・・必ず暗礁に乗り上げて堂々巡りの事例も出て来ます。そういう時の頼みの綱として、大事にお付き合いをしましょうね。「俺が頼めば何でもホイホイ作ってくれる・・・。」なんて神様みたいな人は居ませんよ(笑)・・・。
  
● 各種型枠の部材を採った右半分の形紙をセロテープで合体しています。資料として残す左半分の形紙とも合体・・・。キャノピー成型用のシートを採寸する為です。真空成型用のシートの採寸の形状とは違うのも特徴ですな。こういう複雑加工が面倒臭くて・・・真空成型の型枠と同じ形状で真ん中バキッと割れますに挑戦されたモデラー氏・・・。何度やっても出来ないので、当工房の型押し成型器は欠陥品とお仲間掲示板でぶ~垂れたみたいですが・・・。手抜きで作るから失敗するんですなあ・・・。結局の所、何でこういう形状なのかを理解して無いので失敗します。何で洋式トイレの便座に似ているのか・・・其れを理解すれば解りますよ(笑)・・・。私の最大にデブっていた頃は130キロ超級・・・。トイレで便座に座ったらバキッと音がして、便座が縦に割れました。発想は此処に有ったんですなあ・・・。臭い話ですけど・・・。
  
● つなぎ合わせた形紙でペット樹脂のシートに油性マジックでトレースしています。このペット樹脂のシートの両面には保護フィルムが貼ってありますので、マジックインキはこの保護フィルムにトレースされます。此れを曲面ハサミで切り抜きます。寸法は型枠の押さえの棒材の外ズラです。押さえの棒材を留めているビスは片側12本ずつ・・・。此れをケチって本数を減らすと、型枠を割って木型の底に引っ張り込む際・・・熱で緩んだシートが延びてしまい・・・シートが木型に馴染みません。此処が空気を抜く真空成型とは違う点です。ただし、掃除機等の煩い騒音が出ないので、隣の部屋で就寝している奥様お子様を起こす様な事態には成りません。
 
● 真空成型の場合は平面のシートを木型全体を覆える位の面積に成るまで弛ませないと、吸引しても木型の床面のエッジが出ません。しかし・・・熱源とシートの厚みを間違えると、シート自体が白く濁ったり泡を吹いて孔が開く場合もあります。其処が素人さんと業者さんの力量の違いです。飛行機を自作したら最後に木型を簡単に作ってホイホイ作業すればええわ!って軽く考えると必ず返り討ちに遭います。

● シートの厚みはどの位にするか・・・熱源は何ワットにするか・・・どの位熱に晒すか・・・この三つの段取りだけでも初心者さんの脳内の成功シュミレーション通りには事が運びません。上記の段取りを過去に質問されたんですが、一発で出来ない成型なら発表するな!って怒られてしまいました(笑)・・・。誰でも簡単に作れるんなら、専門業者さんは不要です。ネット上の有名な(kinnsann)は、専門誌で取り上げられる位有名人なんですが、彼だって不遇の時代が有るんですよ。一発で確実にキャノピーぼっこ~ん!が出来た訳ではありません・・・。何度も失敗したキャノピーの残骸が、画像に映らない倉庫の片隅で山積みに成ってる筈・・・。其れが普通ですので勘違いされません様に・・・。尚、今回使用するペット樹脂シートの厚みは1,2mm・・・。シートの定尺分一枚から入手できるネットショップで購入しました。因みにヴェガに使用したのは0,8mmです。

● このペット樹脂のシートの定尺は600×900mm・・・。平成18年に購入したので、現在は脱プラの時代・・・値段は上がってるでしょうね。購入先は(はざい屋)です。アクリル板やら塩ビ板なんかも単品買いが出来るでしょう。当工房は各厚み20枚買いしたので、まだまだ在庫が残ってます。もう死ぬまで購入する事はありませんなあ・・・。ペット樹脂は塩ビ板と違いポリカーボネイトなので透明シートしかありません。ですが、どんな塗料にも侵されないといった特長もあります。よって裏側から塗装が出来るんです。透明で複雑な形状のラジコンカーのボデイも、裏側から色付けしますよね?・・・。ラジコンカーボデイの複雑な凹凸も忠実に再現出来る位に柔軟なので、熱源は塩ビ板ほど必要としません。よって型押し成型にはうってつけの素材とも言えます。上記画像の定規の上部分のみ確実に成型出来れば、後は型枠を割って木型の側面に沿う様に引き延ばし・・・最後に木型の底の内側にシートを引っ張り込む作業手順です。簡単そうに見えて其れなりのコツが要りますが・・・欠陥品では有りませんよ。現にキャノピーが造れてますから・・・。でも、何回かは私でも失敗しますよ。業者さんだって試し打ちのシート分の請求もされますから・・・。

● 尚・・・本格的な業者さん(OK模型の場合でも・・・)、成型する定尺シートで採れる分のキャノピー分。シート自体が畳サイズより大きいので、多分・・・其処から出来るキャノピー個数は、全長500mmの木型(スパン3メートルのFOXクラス)で6~7個位でしょうなあ・・・。此れを全て買取りするので、まあ・・・十数万円位の工賃って所でしょうかねえ・・・。其のくらいの腹積もりでないと、業者さん自体に大きな負担を強いる事に成ります。ただし・・・その仕上がりは、ちょっとやそっとではボコボコと凹まない厚みのあるトランスパレント・ブルー辺りの半分透けてる本格的なキャノピーが手に入りますよ。お仲間数人で割り勘すれば良いんじゃないでしょうか。汎用キャノピーの形状なら、化けるグライダー機種はかなりの数は有りますし・・・。ただし、条件が一つ・・・。木型はスーパーハードバルサを使って作る事・・・。業者さんの真空成型器は、有名な(kinnsann)の自作成型器よりも強烈な吸引なので、削り易く柔らかいバルサ(ハード寄りのメディアム)で作っても木型が縮んだり、破損したりします。木型を貼り合わせで作る時は必ず二液混合練り練りのエポキシ溶剤を使って下さい。スーパーハードバルサで木型を作った場合、細かい磨きは業者さんが行う場合も有りますので、ポリ樹脂等の塗布は要らないかも知れませんね。後は依頼する業者さんと、よく相談して発注を掛けて下さい。
  
● ・・・やっぱりなあ・・・。此れも想定の範囲・・・。型枠の破損とシートの白濁状態・・・。何でこんな事が起こるのか・・・。型枠は強度不足、シートは加熱不足・・・。このシートの加熱不足に関しては、色々とお叱りも有ろうかと思いますが・・・。白く濁るんなら加熱し過ぎじゃねえか!・・・返す言葉もありませんなあ・・・おっしゃる通りです・・・。要するに、熱源が全体に同じ加熱量を照射していないので、部分的に熱量が集中してしまい濁ります。此れが進むと今度は泡を吹いて孔が開きます。ヴェガの時はすんなり成功したのは、木型がアンタレスよりも小さく・・・熱源が比較的全体に同量で照射出来たからでしょう・・・。このアンタレスの木型のサイズでは、二灯式の蛍光管では役不足って事ですなあ・・・。さて・・・どうするべか・・・。という訳で、以前より準備していた真空成型器の本格的な自作に着手しましょう。
  
● 画像に見えるは形状違いの蛍光管・・・。最近の電気ストーブは遠赤外線式が多いんですが、この耐熱ガラス管の内部にはニクロムのコイルが入っています。何故ガラス管で包んでるのか・・・。そらねえ・・・加熱コイル式の五徳を使ってケトルでお湯を沸かしていた時代を覚えているモデラーさんは、多分私と同世代・・・。此の裸のコイルは裸であるが故、空気中で長期間使うとコイルが酸化して錆びたり黒ずんだりします。其れが断線を含む故障に繋がります。よって耐熱の管に封入する事でコイルの寿命を長持ちさせたのが、現在の電気ストーブです。

● 真空成型を行う場合・・・シートを全体的に同じ柔らかさに成る様に、熱源を照射せねばなりません。よってこの電気コイル式のシート加熱器が重宝されました。ところが、サイズがコイル式五徳の直径に限定されているので、その範囲を超える場合はこの五徳でも役不足になります。ラトルスネイクのピーナッツ大戦スケール機のキャノピーやカウリングは、このコイル式五徳でシートを加熱していました。其のキャノピーとカウリングは五徳のサイズ内の有るので成型が出来たんです。このアンタレスのキャノピーの場合・・・この五徳では全体的にシートを加熱させる事が出来ません。よって、画像の様な棒状のコイルを組み合わせてシート加熱器を作る事にしました。
  
● このコイルは二本一組で600ワット・・・此れが三セット直列で1800ワット・・・。マタタビ電器店の倉庫で見つけたもの・・・。ネコバス社長に頼んで貰ってきました。取り敢えずこのコイルで試作機を作ります。サイズは緑色のゴム板のサイズです。ネタ元は何ぞや?・・・。電気こたつの加熱コイルですがね(笑)・・・。電気ストーブの三灯式でも1200ワットが大半なので、このコイルは電気馬鹿食いでしょうなあ・・・。何時もと違って提案をしたらすんなりと在庫品を提供したので、ちょこっと気味が悪かったんですが、ネコバス社長は他にも転用できる装置なら、積極的に協力してくれるタイプなので、その先のビジョンが見えたのかもしれません。

● スチロールの板から主翼のコアを切り出すニクロム線のカッターは、モデラーなら是非自作して持っておきたい装置ですが、此のネコバス社長・・・木枠を組んでニクロム線を20mm間隔で数十本テンション掛けて配置・・・。電化製品を保護するクッション材の各種形状発泡スチロールをこの装置に通して裁断・・・。ゴミ袋に塊を入れると容積ばっかり食ってしまい、沢山入らないので細切れにする為に自作・・・。ネコバスさんのお母さん(御年90歳)でも扱える加熱裁断機を作ってしまいました。要するに・・・このシート加熱器も同様です。ラジコングライダーのキャノピー成型だけには使わせないでしょうなあ・・・。今回は1800ワットまでですが、OK模型の本社開発部に置いてあった本格的な真空成型器の、シート加熱器はタタミ半畳分位のサイズで、蛍光管の長いのが10本以上並んでいました。何千ワット?・・・500×700mm位の塩ビのシートが、この加熱器を照射すると・・・ゴム風船を膨らませる位の範囲で、四角いシート一杯に弛みます・・・。この弛んだシートの表面積が木型に反転で貼りつきます。中の空気を吸引すると、シートは木型に密着します。後は高圧ポンプで水を吹き付けてシートを冷却・・・。まあ・・・自宅工作室では無理な装置ではありますなあ・・・。

● ネット上にこのバキューム成型の自作記事が沢山有るんですが、皆さん完璧な成形品しか紹介しません・・・。そんな一発で出来る訳は無いんですがねえ(笑)・・・。皆さん一様に吸引装置は紹介しますが、その加熱装置に関しては専門メーカーほどの確たる資料と、効率よい加熱器のデータが無いので四苦八苦のご様子・・・。画像に見えてるのは殆どありませんなあ・・・。多分・・・本格的な加熱器は一般住宅の100ボルトブレーカーじゃ無理かも知れませんなあ・・・。当工房は温水器300リッタータンク型を有しているのでブレーカーは200ボルトです。まあ・・・家中の家電のコンセントを抜けば、このOK模型のバキューム成型器が使えるかも知れません。四国のフライトホビーは箱持ち(工場有り)のメーカーさん・・・。レーザー加工機も有するので当然電源は200ボルト以上でしょうなあ・・・。だから使える高電圧のシート加熱器です。見事なまでのキャノピー成型ですなあ・・・。動画で見ると、その安定感が違いますなあ・・・。まあ・・・到達するはフライトホビーと同レベル・・・。其の試作は1800ワットで留めておきましょう。フライトホビーに匹敵する加熱器は、マタタビ電器店のアヘン窟みたいな裏倉庫に置いて・・・。まずは試作機を作りましょう。

● 当工房のアンタレスは、残す作業はコクピットの枠組みとキャノピー成型のみ・・・。機体製作記事はフィルムの被覆とリンケージへと続きます。その間の同時進行としてこの真空成型のシート加熱器の製作が行われます。よってアンタレスの一連の組み立てが済んだら次回作の(萱場式A3-1)の製作記事に移行します。此の機体にも嵩の高いキャノピーが必要です。サイズ的には型押し成型器が使えますが、真空成型器ほど簡単には出来ませんので・・・この試作のシート加熱器の完成を急ぎたい所・・・。多分、何時もの構造により専門的な入手困難部品を使わず、ホームセンターとモノタロウで揃う部品で作っていきます。乞うご期待・・・。
  
● この胴体の角に関して・・・山本さんの製作記事中には角は残せ!とか丸く削れとかの指示がありません。印刷写真を観ても・・・完全に丸くなってはいないが、角も無いといった仕上がりなので、今回は完全に角を落とす選択で作っていきます。まだ本機の胴体の被覆を紙張りにするか・・・絹張にするか・・・マイクログラス?フィルム?・・・選択肢は色々と有るんですが、どの方法を使うか思案中・・・。今年のラインナップにはアトラスコメットの低翼機バージョンも含まれていますので、其方でグラス塗布も良いかなあ・・・とは、まだ詳細は決まっていません。真空成型器との同時進行なので、此処にリンクを貼っておきます。

※ 真空成型器試作Ⅱ型の製作記事・・・此方から。
  
● 全体的に角を落とすとメリハリが消えて、何処となく中途半端に見えますけど被覆の段階と実際に飛ばす時の着陸時にその効果がハッキリと出て来ます。私の場合はスロープ飛行限定機が多いので、デザイン限定以外の時は角は落すのが普通です。まあ・・・着陸時にどういう場所に降ろすのかにも寄りますが、角を優先するデザインに機体の場合は着陸場所もキチンと限定する必要があります。だからと言ってお仲間さんに着陸するから其処退け!なんて言えませんしねえ(笑)・・・。飛ばす前に誰の迷惑にも成らない場所を見つけて、少々の斜面下りも必要でしょうなあ・・・。角を丸くすると何かに当たって凹むというリスクが減るので使ってるんですけどね。猫の額ほどのエリアにピンポイントで確実に降ろせるという自信が本人には有っても、何時ものお仲間さんが貴方を信頼していなかったら・・・そんな場所には降ろさない方が良いでしょうなあ・・・。愛機を持ってこっそり移動している素振りを見せたら・・・貴方は信用されていません。回収が面倒臭くても離れた場所に降ろす方が良いかも知れませんなあ・・・。バカにされるから・・・を優先しないで、安全を優先しましょう。
  
● フライングスタビライザーのフィレットは少し大きめに切り出して取り付けてありました。逆アール等の超ハイカラ仕上げなんかに削りを入れると、今度は被覆段階でかなり苦労します。よって斜めに削る平面の仕上げのみとして、ヴェガ同様に下地の塗装処理を施してからホワイト色での塗装で仕上げるつもりです。殆ど目立ちませんしねえ・・・。こんな細かい所を揚げ足取ってるモデラーが居るとするならば・・・、彼も同様、自分では処理が出来ません。「ちゃんとフィルムを貼り込まなきゃ、皆に馬鹿にされますよおおおお!・・・。」なんて言ってるのを聞いた事はありませんか?・・・。出来ないから馬鹿にしてるだけで、多分・・・ご本人にも出来ません・・・。フィルムの端を覆う様に下地の塗料を盛り付けてから研磨して、色付けすれば良いんですよ。飛行には何ら支障をきたしませんので・・・。オラカバフィルムもソラーフィルムもホワイト色はオフホワイトになります。純白よりも少し暗いホワイトがオフホワイト色です。塗料もどちらかと言うとオフホワイトが多いので、色違いがハッキリ判って見栄えが悪いって事には成りません。なにしろ塗り込む所は範囲が狭いので、むしろ映えてくれた方が良いんです。こういう小技が使える様になると貴方はもう・・・どっぷり系のラジコン馬鹿ですよ。人間の目ん玉は好い加減なので、ぐちゃぐちゃとクレーム付ける輩は無視して良いですよ。ケチを付けるのは・・・自分よりも作るのが上手いって自覚した証拠ですから・・・。

● 上記の記載から既に4か月余り・・・。数十年に及ぶ生活の乱れを含む不摂生により(胆道結石)を患い、半月に及ぶ入院と手術で人生をもう一度見つめ直す事に・・・。ただ、人生に期限を切られる様な状況でも無く、生活習慣病のレベルに留まれたので、今後はそのリズムを崩さず生活していく事に成りました。この胆道結石という疾患・・・平たく言えば胆のうから延びる胆管にカルシウム主成分の石が溜まり、胆汁の流れを悪くする事で起こる疾患です。みぞおちの強烈な痛みで冷汗が出てしまうほど・・・折しもコロナ全盛の時代なので、いきなり病院に駆け込む事もためらう状況の中、たまたま近所に食材の配達に来た地元スーパーの配達車両のご主人に助けを求め、町の大病院まで送ってもらえました。

● 受付で状況を説明出来る状態に無かった私に対して、まずは急患扱いで診察してくれた先生を元とする看護師スタッフの皆さんにお礼を言いたいですなあ。診察結果は緊急入院。痛み止めの錠剤を飲んでも症状が治まらないので、CTスキャンを撮ってみたら・・・胆道に石が在るとの事。この痛みはその胆管からでは無いとの事。尿道結石の場合は尿管からの痛みなんだそうだが、胆管の場合は痛みが無いので発見が遅れると致命的な結果に成るのだそう・・・。じゃあ、何処が痛みを出したのかと言えば(肝臓)からだと言われました。胃で消化された養分が流れる先が、血液を作る肝臓なのだが直接流れると肝臓が消化しきれないので胆汁と中和させて流すのだそう・・・。ところが、この胆のうからの胆汁が石が詰まった事で充分流れ出ないまま、胃の養分が肝臓に流れ込むので肝臓が悲鳴を上げ・・・其れが痛みになるとの事。本来はアルコール摂取過多の人に起こる症状で、痛みは30分ほどで治まるのを更なるアルコール摂取で治まったと勘違いして、重篤な肝臓病に陥る場合が殆どだそう・・・。ところが、私の場合はお酒を飲まないので、数年前の大腸の内壁に出来る憩室の時の痛みと状態が似て、其れが最初の痛みだったのでまずは痛み止めを飲んで改善を最優先した事が結果的に吉となりました。

● この胆管結石の除去のオペなんですが、本来は一泊二日のERPC術式です。私の場合は肥満が原因の糖尿予備軍の数値も出たので、両方を改善させる為の入院と成りました。まずは絶食療法5日間、水以外何も摂取不可能な期間を設け・・・内臓脂肪を落とす為です。結局ですなあ、肥満の状態ってのは内蔵にも脂肪分が着くって事だから管が太ると内部が細く成るんですなあ・・・。よって詰まり易く成る訳で・・・。絶食療法の基本治療は、外部からの栄養分を絶つ事で体内の栄養分を消費させるのが目的・・・。実に理に適ってる訳ですなあ・・・。よって胆管の脂肪分が減れば管が広がるので、詰まった結石も取り易くなるんです。ERPC術式とは開腹しない内視鏡手術なんですが、私の場合絶食三日目に内視鏡の管を口から入れて、胆道の内部にバルーンチューブを入れてチューブを膨らませた状態で更に絶食しました。バルーンを入れたのが金曜日・・・。入れっぱなしで一週間。絶食から六日目の夕方から、お粥等の軽めの食事を摂取・・・。さあ、次の金曜日にもう一度内視鏡を飲み込んで、バルーンチューブと結石を同時に取り出す手術を受けました。気体の麻酔薬ではなく血管からの液状の麻酔薬なので、いきなり意識が跳んで・・・戻ったら既に病室でした。その間約40分ほど・・・。バルーンを入れていた一週間は、時々訪れるみぞおちの痛みを血管注射のl痛み止めと錠剤で乗り越え、バルーンと石を取り出したら・・・昨日までの痛みが完全に消えたので見た目は普通の健常者と同じです。ただ違うのは、入院時の体重が110キロも有ったのに、退院時は93キロに減っていました。たった二週間の入院で、17キロも減量した事に成りますなあ・・・。

● そして現在・・・更なる減量を目論み、還暦過ぎには過酷な労働と言われる交通誘導員の門をたたき、7月中旬から片側交通の誘導員として炎天下の中一日8時間以立ちっ放しで仕事しています。夏場に日中の水分摂取量が概ね3リットル・・・。麦茶を500ミリリットルのペットボトルに小分けで凍らせたものを6本分・・・。塩分を含んだタブレットと共に摂取しつつ、体重を維持・・・もしくは少しずつ減らしながら、やっと10月初旬と成りました。あれから3か月余り、家に帰って風呂に入って洗濯して・・・の生活で、夜の9時には寝る生活。飛行機を作る、パソコンで記事を書くなんて、当たり前の日常から今の日々の生活は別世界ですなあ・・・。むしろ二十代の頃の自衛隊の生活リズムに似てますなあ・・・。其れでもラジコン飛行機は作ってましたしねえ・・・。この3か月間、日曜日はとにかく日中は爆睡するのみの生活でした。仕事中の馴れない誘導の精神ストレスが毎日蓄積して、其れが週末にやってくる生活・・・。テレビのゴールデンなんか見れないほど眠いですしねえ。やっと日曜日の日中に丸々作業が出来る状態になりました。其れが10月3日の本日です。さあ、アンタレスの続きの記事を記載していきましょう。
 
● まずはフィルム貼り込み前の形紙の作成です。原寸図面から直接厚紙に採寸して形紙を作ります。本日、午前中に隣町の文房具店に連絡して、何時も購入しているサイズの厚紙(800×1100mm=¥150)を10枚配達してもらいました。この手の厚紙は丸めて紐で縛って・・・の購入が出来ません。平べたのまま専用のケースに入れて、ご主人が搬入していきました。其れほどシビアな材料です。単価は安いんですけどね。
 
● 本機のスタビライザーの位置がクロスタイプである事が、フィルム張りを難しくしているんですが、こうやって形紙を作ると然程難しくは感じなくなります。まあ、記事を進める上では面倒臭い割には歩みがノロいので、見ている側にはもどかしい気持ちには成るでしょうけど・・・。避けては通れない事情も有りますしなあ・・・初心者じゃないですしねえ(笑)・・・。でも、こういった如何にも面倒臭そうな作業を、当たり前にやってのけてるのがラジコン技術誌のカラーページに掲載されてるジェダイマスター諸氏の作品です。初心者さんがいとも簡単に出来る技術とは言えませんなあ・・・。でも、このジェダイマスター諸氏にも初心者の時代は有ったんですよねえ・・・。だから、長年ラジコン歴重ねてればその先には、同じ技術が持てる訳ですよ。無理して一夜漬けで、ベテランみたいなフィルム張りなんか出来ませんし・・・。言っておきますが、この形紙を使って二枚のフィルムを切り出してしまうと、その時点でどちらか一枚は使えなくなるんです。必ず裏と表の形紙でフィルムに採寸しましょう。画像の厚紙は、片面が白・・・裏面はグレーです。(Part-19に続く)